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2012年3月26日 (月)

ホルブルック 「ヴァイキング」 グリフィス指揮

Rainbow_bridge_1

東京タワーをバックに海上を走る中華風の遊覧船。

先日、レインボーブリッジを徒歩で制覇しましたよ。

芝浦口から、お台場まで。橋の長さは約800mだけれども、橋以外の橋脚部分などを入れると1700m。

往復しても、ほどよいウォーキングの距離です。

Rainbow_bridge_2

昨年暮れには、芝浦口から入って、少しだけ歩きましたし、その画像も公開済みでありますが、その時は日も短く、真っ暗な夕刻。

少しばかり怖かった。

でも、日も伸びた明るい夕刻では、こんな感じに広々してまして気持ちいい・・・?

と、思ったら、おいらは、高所恐怖症なのかしら・・・?と思うくらいに、途中から怖くなった。

左手は海真っ逆さま、右手は車がハイスピードでビュンビュン。

この切迫感と圧迫感に負けないように、頑張って歩いたよう、おっかさん。

帰りもゆりかもめにのらないで、ケチって歩きましたよう。

それでも、写真をたくさん撮ってましたよう。

網や仕切りが途中からなくなってしまう恐怖だったけれど、腰を引いて、カメラの紐をしっかり首に巻いてへっぴり腰で撮りました。

やたら撮ったもんだから、時おりまた載せますよう。。。

次は、さらに怖そうだけど、ゲートブリッジに挑戦だぁぁ・・・・

Holbrooke

ジョゼフ・ホルブルック(1878~1958)の管弦楽作品から。

ロンドン南部サリー州のクロイドンに生まれたホルブルックは、ピアノ伴奏の名手の父親のもとで、ヴァイオリンとピアノを学び、早くも9歳で作曲の才能を示し、アレンジなども手掛け始めた。
ロイヤル・アカデミー音楽院で、主としてドイツ音楽を学び、同門のバントックとは、生涯の友人関係となる。

卒業後、ピアニストデビューを飾り、併行して作曲・アレンジ・教師として活動。
だが、ピアノとヴァイオリンの作品を書くだけでは飽き足らず、大オーケストラのための作品を書くことを望むようになり、若い英国作曲家をサポートしていた、マンズやゴドフリーらにスコアを送り見出されるよになったという。

1900~1910年、22歳から32歳の間に、大規模交響曲作品2つ、合唱を伴う交響曲1つ、交響詩複数、協奏曲、室内楽曲、オーケストラ歌曲などを書いた達筆のホルブルックは、妥協を許さず、人づきあいも苦手だったらしい。
1908年、男声合唱と大オーケストラのための交響作品「Apollo and the seaman」が、ビーチャムによって初演され、大成功となり、ホルブルックの作品は、英国国内はもとより、ドイツ・オーストリア、アメリカなどでも演奏されるようになった。

その後、第一次大戦を経るも、その豊穣で、ドイツ後期ロマン派の流れを引いたホルブルックの作風は変わらず、自国の民族音楽の採集などを通じ英国音楽の流れの一環の中にあった同世代のR・ヴォーン・ウィリアムズやホルストらの主流とは嗜好の距離がどんどん開いてゆき、また、ケルトに魅せられ、ある意味民族的だったバックスやアイアランドとも異なり、ホルブルックはその頑迷さも手伝い、徐々に忘れられる存在となっていった。。。。

オペラの作風も長大嗜好で、ワーグナーばりの3部作もあり、1908~1920年にかけて作曲された、ウェールズ伝説に基づくその「The Cauldron of Anwyn」を発表すると、ホルブルックは、「コクニーのワーグナー」と評された。

生涯に、8つの交響曲、多数の交響詩、、管弦楽作品多数、バレエ複数、ピアノ協奏曲2、ヴァイオリン協奏曲、チェロ協奏曲、サキソフォーン協奏曲、管楽協奏曲2、室内楽、ピアノ曲、オルガン曲、歌曲・・・・、いやはや、ものすごい多作家なのです。

膨大な作品のうち、約40曲あまりは、エドガー・アラン・ポーにインスパイアされているとされ、フィンジおけるトマス・ハーディ、バックスにおけるイェーツなどと同じように、文学作品への傾倒ぶりも特徴。

(以上、CD解説を参照しました)

最近CDが少しばかり出るようになったけれど、気になるそのオペラはきっと費用がかかりすぎて、上演すら難しのではないかと・・・・・。

  1.劇的序曲「アモンティリャード」 Amontilliado

    2.オーケストラのための音詩第2番 「ヴァイキング」 The Viking

  3.「3匹の盲目のはつかねずみ」 Variations on English old air

    4.オーケストラのための音詩第3番 「ユーラリューム」 Ulalume

   ハワード・グリフィス指揮 ブランデンブルク州立管弦楽団フランクフルト
                     (2008.8 @フランクフルト)

これら4つの管弦楽曲のうち、アラン・ポーにまつわる作品が、1と4。

ミステリアスな復讐がテーマとなっている(らしい)心理的小説「アモンティリャードの酒樽」に基づく序曲は、軽快に始まりつつも、ホルブルックらしいオケを大いに鳴らしたダイナミックな曲調に転じる。

2の「ヴァイキング」は、アメリカの詩人ヘンリー・ワーズワース・ロングフェローのバラード「The Skeleton in Armor」にインスパイアされた劇的かつ大きな作品で、アドヴェンチャー風の劇的サウンドは、R・シュトラウスやバックスが好きな人にはたまらない耳のご馳走。
北国の絶海と、そこに育った若者の冒険とひとりの女性との愛を描いている(みたい)。

3の「はつかねずみ」は、誰でも聴いたことがある英国の童謡。
大オーケストラによる変奏曲にしたてあげたホルブルック。
ここでも渾身のオーケストレーションで、実によく鳴ります。
ジャズとかにも使われてる楽しい童謡ですが、ホルブルックの手にかかると、後期ロマン派の雰囲気になります。

このアルバムで一番好きになったのが4の「ユーラリューム」。
エドガー・アラン・ポーの神秘的な詩に基づくもの。
ホルブルックが自然を愛する英国作曲家のひとりであることがよくわかる、もっとも英国風の作品。
幻想的で、濃厚なロマンティシズムに満ちてますが、わたしにはワーグナーやシュトラウスよりは、ディーリアスやバックス、バントックを思わせる幽玄なる音楽に思います。
10月の寂しい夜にひとり歩く湖畔、亡き人を思う忘失感と悲しみ、そして思い出・・・こんな詩の内容に、この音楽は少しばかり劇的にすぎますが、その分ロマンの香りが満載。
スコアがダウンロードできますので、それを見ながら何度も何度も聴き入ってます。

演奏は、聴きなれないドイツのオケだけれど、かなりうまいし、しっかりしてます。
がしかし、ロンドンのオケで聴いてみたい気もあります。
スイスでの活動が中心の英国指揮者グリフィスは、もっともっと他の自国作品を指揮して欲しいと思わせる素晴らしいものでした。

またひとり、わたしの嗜好にばっちりの英国作曲家を見つけてしまった。

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コメント

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

投稿: 履歴書の見本 | 2014年7月30日 (水) 15時01分

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