ワーグナー 「ニーベルングの指環」つまみ聴き ヤノフスキ指揮
今日、5月21日の日食は、みなさんご覧になりましたか。
わたしの住む関東は、金環日食エリアでしたが、千葉のわが家の上空は、ご覧のとおり。
6時に起きて構えていたのに、その雲は、厚みを増すばかり。
予定時刻でもこのとおりで、日食グラスなんて購入してもまったくの役立たず。
「リング」は結ばれませんでした。
チラ見せの太陽を、やみくもに写しまくるのみで、ご覧のとおり、環っかは完結せず。
今日ほど、空模様が悲しく、恨めしく思ったことはございませんよ。
おまけに、日食完了とともに、空には青空が広がってまいりました。
チクショーーー
しかし、日食のピークは寒いほどでした。
暗いし、まさに太陽の恩恵を強く感じましたね。
そして、ふだん、まともに見ることのない太陽を直視することがいかに危険かもよくわかりましたよ。
「天体ショー」なんて喜んでますがね、見世物じゃありません、太陽はいつも太陽。
単にそうした時が巡っただけ。
太陽の恵み、ありがたさを痛感するいい機会となりました。
完結することのない「リング」。
ワーグナーの「リング」も思えば、そこに描かれた人間ドラマゆえに、永遠に終わることない結びのない物語に思います。
ワーグナー 「ニーベルングの指環」 抜粋
マレク・ヤノフスキ指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
(1980~83 ドレスデン)
来る、5月25日(金)。
神奈川フィルハーモニー定期演奏会のメインで取り上げられる、「リング」のオーケストラ抜粋。
ワーグナーが無二に好きなワタクシの期待は、金環日食とともに、日々高まっていたのであります。
日食観察が、前段のとおり、ちょっと残念なことになってしまいましたが、神奈フィル・リングにかける期待は、いやでも膨らんでおります。
明日のスカイツリー開業なんて、目じゃない。
ちょっと心配は、お仕事。
都心と横浜を2往復しなくてはならないので・・・・・。
いまや、押しも押されぬ名匠ヤノフスキの若き頃の名録音が、リング全曲。
日本のデンオンのPCM録音による、初のデジタル・リングで、録音の目覚ましさも評判に。
それと、長らく遠ざかっていた名門ドレスデンの戦後初のリング演奏ということも話題になった。そして歌手たちの豪華さも。
その舵取りに選ばれたヤノフスキには、「?」の人も多かったが、実際はテキパキとした明瞭なる指揮ぶりで、古色蒼然としたドレスデンのワーグナーの伝統を期待した聴き手を、大きく裏切るようなスマートなワーグナー像を打ち立てたのでした。
でも、ここには、まぎれもないドレスデンのふくよかで神々しいサウンドが響いていたものだった。
ワーグナー演奏が変化しつつあった80年代の代表作であります。
ワーグナーを聴くうえで、もっともそれに相応しいオーケストラとして、ドレスデンは克明なアンサンブルと音塊の大きさ、ふくよかな響きでもって、最右翼のものに思う。
あと、生き生きとした南ドイツの明朗さと精緻さのミュンヘンのオペラと放送局のオケ。
独特の暖かさと人の声の色気と温もり感じるウィーンフィル。
そして、いつの時代も完璧なるドイツの最先端をゆく、パーフェクトなベルリンフィル。
ドレスデン、ミュンヘン、ウィーン、ベルリン。
この4つのオケこそ、最高のワーグナーオケといえよう(誰っ?)
リングをレコードで揃える必要資金は、わたしの初リングの73年には、3万円。
ずっとこれが指標だった。
いまや解説抜きながら、CDボックスで、かつて血の出るような思いで購入したものが、たった2千円以下で。。。。
隔世の感は、CDの価格と比例して、音楽を受け止める気持ちの重さも軽くしてしまったのではないかと危惧してます。
ことにワーグナーのような巨大な音楽は、じっくりと考察しながら聴きとめることで、幅広い知識収集の航海への船出が約束されているので、廉価に購入されても、ともかく何度もすり減るほど聴き、いろんなことへの興味を掻き立てていただくことを願ってやみません。
かくいうわたくしも、いまだにいろんな切り口を見出し、ずっとワーグナーにハマりっぱなしの日々なのですから。
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