レスピーギ 「ローマ3部作」 マリナー指揮
芝公園のバラと東京タワー。
スカイツリーの大盛況にめげず、頑張ってほしい東京タワー。
先っぽが、交換工事のため撤去され、短くなっちゃった。
スカイツリー詣ではまだだけど、東京タワーの品格はやはり別格だと思います。
今日は、土曜日だし、華やかなオーケストラ曲を爽快に。
レスピーギ(1879~1936)の交響詩集、「ローマ3部作」。
交響詩「ローマの松」
交響詩「ローマの噴水」
交響詩「ローマの祭」
サー・ネヴィル・マリナー指揮
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
(1990.9 @ロンドン)
この大音響と繊細なるピアニシモのあふれる3つの交響詩は、レコードでは、そのダイナミズムゆえ、1枚に詰め込むことがなかなかできませんでした。
いまや、3つが一緒に1枚に。CD時代の恩恵をこうむった典型かもしれません。
レコード時代の花形は「ローマの松」で、これ単独で、他の作品と組み合わせられることも多かったし、「ローマの噴水」とのコンビがもっとも多かった。
だから、もっとも遅くやってきたのは「ローマの祭」だけど、いまは「祭」が一番好きになった。
作曲年代は違えども、やはり同時に、一緒くたに聴きたい「ローマ3部作」。
「ローマの噴水」(1916)、「ローマの松」(1924)、「ローマの祭」(1928)。
この3部作ばかりが有名なレスピーギだけれど、初期は交響曲、豊富なオーケストラ曲、各種協奏曲、室内楽曲もたくさん。そしてオペラと歌曲は珠玉の世界。
そうです、まるで、R・シュトラウス(1864~1949)でございます。
少し時代は違えど、イタリアのR・シュトラウス、しいてはイタリアの後期ロマン派の旗手がレスピーギ。
「ローマ3部作」をマリナーの指揮で聴いてる人はあんまりいないだろうな。
これらの曲に期待する明るい華やかさとキラキラ感は充分。
でも、フルオーケストラの強大サウンドとはどこか無縁。
アカデミーとはいえ、フルオケクラスの布陣と思われますが、マリナーが指揮すれば腰は少し軽めなれど、透き通ったオーケストラサウンドに、あっさりさっぱりの見通しよいレスピーギが聴かれるのです。
アッピア街道の松の大行進も威圧的でなく、純音楽的なひたむきな盛り上げ方だし、祭のチェリチンチス、最後のダイナミックな主顕祭の興奮きわまりない場面でのきっちりと律義なまでのリズムの取り方とスコアそのものの盛り上がりを信じたかのような演奏ぶりは、非常に好ましいものです。
かつてのマリナーなら、さらさらと過ぎてしまうような、カタコンブやジャニコロの松の粒立つような抒情の素晴らしさや、水しぶきをあびるような清冽なトリトンの噴水、そしてローマ郊外の祭の夜のセレナーデなど、あくまでナチュラルで透明感ある抒情サウンド満載なのでした。
多くにお薦めはできませんが、古風なメロディスト、レスピーギの姿をかいま見るうえでも、是非聴いていただきたいサー・ネヴィル・マリナーの1枚でした。
ローマ3部作 過去記事
「ローマの松」 ヤンソンス&オスロフィル
「ローマの噴水」 デュトワ指揮
「ローマの松」 トスカニーニ&NBS響
「ローマの祭」 シノーポリ&ニューヨーク・フィル
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コメント
吹奏楽部員だった私は高3の夏にコンクールでローマの祭りを自由曲で演奏しました。隅々まで知り抜いている曲です。それでもレコードで聴くと全く別の曲に聞こえるところが、さすがプロの演奏家たちは格が違いますね。
私はオーマンディ&フィラデルフィアで楽しんでいましたが、その後デュトワ&モントリオールという横綱が現れ、いろいろな演奏を楽しむようになりました。
私も祭りが大好きです。終末では大興奮のはてに、鑑賞後は何も手が付かない状態に陥ります。この年になっても困ったものです。
投稿: モナコ命 | 2012年6月 4日 (月) 14時41分
モナコ命さん、こんばんは。
本場での吹奏楽演奏、しかも「ローマの松」とは素晴らしいですね。
まずは、「ローマの松」から入門しました。
わたしは、ケルテスでしたね。
それからオーマンディに、同じくデュトワ。
3つとも眩しくて、楽しいです。
そして、わたしも「祭」を聴くと大興奮で、最後のエンディングのカッコよさには、思わず腕が動き、指揮しちゃいます。
どうもクセになる曲でして、いまもまだ頭に中で鳴ってる状況です。
投稿: yokochan | 2012年6月 4日 (月) 22時24分