ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」 スメタナSQ
千葉市緑区にある、千年の歴史を誇る東光院というお寺さんです。
こんなとこに、こんな場所が?
という知る人ぞ知る院でございます。
猫はいないけれど、おもろい犬がおります。
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第9番 ハ長調 「ラズモフスキー第3番」
スメタナ四重奏団
ベートーヴェンの四重奏曲は、クラヲタ君を名乗る身としては、一応全部は聴いておりますが、その全15作、後期のものは少し自信がありますが、初期・中期のものほど、どれがどれだか分りません。
同様に、ほかのベートーヴェンの室内楽、ソナタも同じでして、どうにもいけません。
そんな中でも、わたしの中で、厳然とそびえ立っているのが、このラズモフスキー第3番。
ハ長調という調性の持つ堂々とした佇まいと調和のとれた明るさが全編をおおいます。
「英雄」と4番の間に位置し、ヴァイオリン協奏曲の少し前。
傑作を次々に生み出してゆく時期のベートーヴェンの音楽造りは、このラズモフスキーでも構えが大きく、堂々たるもの。
高校時代に、FMの午後のリサイタルを録音して知ったこの曲。
最初は、ラズモフスキーってなんだろ?誰だろ?的な状態だったけれど、その1楽章の主部の超かっちょエエ高揚感ある旋律に心躍り、ともかく何度も何度も聴いたものです。
その部分は、今でも新鮮なもので、ハイドンやモーツァルトの流れの延長線上にあったそれまでのベートーヴェンの室内楽に、革新をもたらせたこのラズモフスキーの3セットは、スゴイ存在だったろうなと思わせるに充分です。
長大な交響曲のようなこの曲。
1楽章の堂々感とともに、一気呵成ながら、4つの楽器が緊張感あふれ、強烈にぶつかりあい主張しあうフーガ形式の終楽章の鮮やかさ。
この両端楽章の間に、チェロのピチカートが終始印象的で、かつ少し暗めの雰囲気が立ち込めてますが、内声部の動きに注目して聴いてると、いろんなことをやっていて面白い。
面白いという表現はよろしくないですが、最小限の楽器でもって、こんな風な多彩な表現ができることに今さら驚くわたくしなのでした。
スメタナSQの演奏なら、なんでも高水準にあるから安心と思って、なんでもスメタナSQの時期がありまして、それは少し前のアルバン・ベルクSQと同じこと。
若い頃は、峻厳なイメージのあったスメタナSQも、いまこうして歳を経て聴くと、意外に歌い回しが味があったり、少し甘さも加えたりしているように感じます。
4人がまったく対等に存在しあい、主張しつつも、まとまりのよさ、ブレンドのよさ、それぞれにおいて、いまだ最高水準ではないでしょうか。
久々に聴いたベートーヴェンの四重奏曲なのでした。
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コメント
こんにちは♪ 今週は「月曜ねこの日」が休刊でちょっぴり淋しいです・・・。 松本遠征のエントリーは楽しく拝読したんですけど、出てくるセリフは結局のところ「いいなぁ、みんな・・・(ため息)」だし・・・。
ま、そんな中、時期をほぼ同じくして同じ曲を別の演奏で楽しんだこちらのエントリーを発見し、迷わずTBさせていただいちゃいました♪ ラズモフスキー、すごい曲集ですよね。
一応、これでちゃんとクラシック音楽関係のエントリーもしっかり拝読させていただいている証拠の足跡ということで(笑)
投稿: KiKi | 2012年7月 6日 (金) 11時31分
三浦!男!150勝!おめでとうございます。
横浜ファンではない私も三浦の応援に熱くなってしまいました!
こちらのスメタナSQは学生のころから大ファンです。田舎住みの私が2度聴くことができたということは、熱心に地方巡業をしてくれたんですね。最晩年のライブは泣けました。技術的にはすっかり衰えていましたが、なんか説得力があり、泣けました。プログラムがドボルザークだったからかも知れません。2度ともサインをもらい、どちらも大切な宝物になっています。全盛期の1975年のころにライブで聴いて感動したことを伝えると、チェロのコホウト氏が笑顔でうなずいてくれました。自分たちの自筆のサインのはいった写真をプレゼントしてくれました。泣きました。
投稿: モナコ命 | 2012年7月 6日 (金) 17時50分
kikiさん、こんばんは。
ねこの日休刊、まことに申し訳ありません。
松本あずさ号によるコンサート、そして気の置けない方々との居酒屋列車があんまりにも素晴らしかったもので、ねこ休みでした。
そしてラズモフスキーですよ。
を実は、今朝電車の中で、kikiさんの直近のエントリー拝読しまして、びっくりしました。
まったく意識せずに、未開封250円のCDを入手して、即聴き始めて記事にしたんですよ。
ベートーヴェンは、やはりいいなぁ、と思った昨晩でした。松本で聴いたベートーヴェンの流れでもバッチリの曲なんですね。
足跡ありがとうございました。
蒸し暑く、雨もときに激しいですが、気をつけてくださいね。
投稿: yokochan | 2012年7月 6日 (金) 23時38分
モナコ命さん、こんばんは。
ま軍団ぐずは、ベイ三浦への御称賛、まことにありがとうございます。
このチームじゃなかったら、もしかしたらその上の数字だったかも・・・、と思う人々はいるかもしれませんが、それはきっぱり切り捨て、ファンに感謝、いまある自分に感謝。素晴らしい選手です、男です。
そして男の音楽?、ラズモフスキー。
それにしても、なんです?、スメタナの皆さんとの心の交流をなされたそうで、極めて希少なご経験じゃないですか!
中学の時の音楽の授業で聴いた「アメリカ」四重奏曲のいレコードはスメタナのEMI盤でした。
新世界なみに、忘れがたい思い出でもあります。
でも、素晴らしいお宝経験をお持ちのモナコ命さまは、もしかしたら日本一のスメタナSQ男じゃありませんか。
もっともっと自慢して欲しいです(笑)。
彼らの、スメタナ、ヤナーチェク、そしてモーツァルトも最高ですね。
投稿: yokochan | 2012年7月 6日 (金) 23時47分