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2012年7月 7日 (土)

モーツァルト アリア集  佐藤しのぶ&シュナイト

Rebasashi

今は亡き、レバ刺し。

数年前、まだまだご健在のおりにいただいたレバ刺しさまにございます。

そんなに好きではなかったけれど、いまこうして、死滅してしまうと蘇る、あのプリッとした感触に、ゴマ油と生姜との絶妙のコラボレーション。

とろけますね。

Shinobu_satoh_mo

   佐藤しのぶ モーツァルト アリア集

 「フィガロの結婚」  

    1.序曲

    2.伯爵夫人のアリア「愛の神よ」

    3.ケルビーノ「恋とはどんなものかしら」

    4.伯爵夫人「楽しい思い出はどこへ」

 「ドン・ジョヴァンニ」

    1.ドンナ・エルヴィーラ「あの恩知らずは」

    2.ドンナ・アンナ「私はあなたのもの」

 モテット「踊れ、喜べ、なんじ幸いなる魂よ」

   ハンス=マルティン・シュナイト指揮 ベルリン放送交響楽団

                 (1990.1 @ベルリン イエス・キリスト教会)


佐藤しのぶさまは、わたしと同い年、そしてご主人、現田茂夫さんも同い年。
現田さんは、いうまでもなく、神奈川フィルの名誉指揮者で、わたしたち神奈川フィルを愛するリスナーからすると、年一回の定期公演は、垂涎のコンサートとなっておりまして、先般のワーグナーでは、涙ちょちょぎれる名演を聴かせてくれたばかりなのであります。

ですから、このふたりに愛着があったりするんです。

さきのワーグナーの定期公演でも、奥さま佐藤しのぶさまを、まじかに拝見しました。

でも、正直、奥さまのお歌は、いまやちょっと派手ハデしく、ヴィブラートもきつめ。
ゴージャスな歌声は、シンプルでピュアなケルビーノの役柄あたりでは、少し興ざめです。
喜悦と悲しみを歌い込むフィガロの諸役よりは、怒りと情熱のドン・ジョヴァンニのものの方がいい感じに聴けます。
というか、怒りと愛情がないまぜになった、ドンナ・エルヴィーラは、なかなか素晴らしいです。
貫禄たっぷりで、歌のスケールも大きい。
同様に、ドンナ・アンナの大人としての愛を恋人に諭すアリアも、豊かな感情をたたえていてなかなかのものでして、声の揺れもあんまり気になりません。

一方のモテットでは、もっと繊細な軽やかさが欲しいところでしょうか。
しのぶさん、この曲では、そのお声がきらびやかに過ぎますし、立派すぎます。
でも、日本人歌手でこんな貫禄と上から下までの幅広い音域をムラなく聴かせる声をお持ちの方は、この当時他には見当たらなかったのも事実で、しのぶさんは、やはりすごい歌手なのですね。
そして、多彩な声の使い分けも特出です。
しのぶさんの「ルル」を聴いてみたかったな。

ところが、このCDの魅力は別にもありまして、これもまた神奈川フィルつながりで、前音楽監督のシュナイトが、指揮をつとめております。
神奈フィルで、シュナイト師の指揮は途中からでしたが、かなり聴かせていただき、ドイツ音楽のなんたるやをとことん味わうことができました。
バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ブラームス、ブルックナーの名演の数々は、いまも私の脳裏に染みついております。
 そのシュナイトが、ドイツ的でない、現田さんが磨きあげたキレイな神奈川フィルを振るとき、その美音はそのままに、そこに祈りを感じさせる深い歌いまわしと、低・中・高域とまんべんなく鳴り響く豊かなサウンドにホール中が満ちあふれたものです。

その感じは、ベルリン放送響(いまのベルリンドイツ響)を振ったこの1枚にも聴きとることができますが、しかし、このCDに聴くカッチリした音色より、神奈川フィルで聴いたシュナイト節の方が、数等、上なことも確認できるんです。
だいぶ以前の録音だし、この頃のバッハ演奏も、のちの日本における演奏の方が素晴らしいゆえに、シュナイト翁のピークは、神奈フィル時代といっても支障がないでしょう。
なによりも、日本の風物と、酒と食を好んだ愛すべき翁なのです。

シュナイトは、ドイツ時代はオペラハウスでの活躍も多く、ベルリン国立歌劇場の来日では「魔笛」も振ってますし、ミュンヘンではワーグナーも上演しているんです。
 そんな過去の音源が出てきたら夢のようです。

本日、神奈川フィルは、音楽堂で、モーツァルトのコンサートを行ってます。
仕事があって馳せ参じることができませんでしたが、プログラムは、13管楽器のセレナードにプラハ交響曲という魅力的なものでした。
聴きたかったなぁ~

いつも神奈川フィルのことを書いてますが、首都圏以外の方に、神奈川フィルの現状と、ちょっとだけ演奏風景を見ていただきたいと思います。

カナフルTVという番組です。是非是非、ご覧ください。
残念ながら、わたくしは映っておりませんが。

http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f6546/p18520.html

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コメント

おはようございます、よこちゃんさま。佐藤しのぶさまの生のお歌を聴いたのは、さて何年前だったでしょうか? その声量と華やかさは語るまでもありませぬが、抜けるような白いお肌とそこから先のドレスから溢れる様な美しいバストにノックアウト状態でしたわ。再びしのぶ様のお歌を聴く機会があれば、正しい鑑賞の仕方でと反省しております。

投稿: ONE ON ONE | 2012年7月 8日 (日) 08時26分

ONE ON ONEさん、こんばんは。
毎度お世話になります。
しのぶ様はいまもお美しく、そして、オーラが出ていて、おのずと目立つ存在にございました。
逆に、わたしは声ばかりで、ONE ON ONEさんのノックアウト状態になったお姿とは無縁なところが残念にございます。
いまや舞台のお姿はなかなかお目にかかれないかもしれませんが、テレビや音源でしのびたいと存じます。

投稿: yokochan | 2012年7月 8日 (日) 21時25分

これは今はもう手に入らない神奈川フィルファンとしては延髄もののCDですね。
シュナイト時代が懐かしい気もします。
神奈川フィル時代がシュナイトさんのピークは同感です。オケもドイツ的な響きとかいろいろあるでしょうけど、結構神奈川フィルも健闘していましたし。
方向は違いますがそんな片鱗を私は松本でちょっと感じました。あのオケの鳴らせっぷりはシュナイトさんを彷彿してしまいました。今はまだ現田さんがいますが、この水準を維持してもらいたいですね。
それにしてもしのぶさん、最近益々某姉妹を彷彿して来る気がするのは私だけでしょうか。

投稿: yurikamome122 | 2012年7月 9日 (月) 09時22分

yurikamomeさん、こんばんは。
これはたまたま某中古店で発見したもので、新品同様でうれしくなりました。
声より、まずオケに耳がいっていまいますが、それでも、わたしたちには、あのシュナイト&神奈フィルの音がが耳に残っているんですよね。

貴重な体験であると同時にあれを聴いてしまったという、ある意味不幸でもあったりします。
しのぶさんの旦那さんには、ずっと神奈フィルと関係をもっていて欲しいし、山本さんも、さらなる高みに到達して欲しいと、わたしも熱望してます。

この前のワーグナー定期でも、近くで拝見しましたが、確かにそうですねぇ・・・。

投稿: yokochan | 2012年7月 9日 (月) 21時53分

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