« 「HELP」 ザ・ビートルズ | トップページ | ちりとりにゃんにゃん »

2012年7月14日 (土)

ドビュッシー 交響詩「海」 バレンボイム指揮

Chibaport5

海に沈む夕日が、子供のときから大好き。

育った場所では、日の出は相模湾から、日の入りは海を隔てて、遠く箱根の山の方向。

どちらも海が、赤や朱色に染まりました。

そして、いま住む千葉の海では海を隔てて、都会の街の方向に太陽は沈んでゆくんです。

こちらは、千葉港から見た東京湾の夕暮れ。

スカイツリー見えます。

そして、ちょうどスカイツリーのあたりに沈んで行きました。

先週のことですから、もう位置はずれてるんでしょう。

Chibaport6

東京都心とスカイツリー。

Debussy_la_mer_barenboim

  ドビュッシー    交響詩「海」

      ダニエル・バレンボイム指揮 パリ管弦楽団

                    (1978.1 パリ)


わたくしのフェイヴァリット曲のひとつ、「海」。
何種類持ってるか数えたことないけれど、どうしても、おフランスのオーケストラに惹かれちゃうのは、日本人ゆえか。
 いや、中国も韓国も、いまや欧州嗜好は強いから、アジアとしての憧れなのでしょうか。

中でも、パリ管は、そのお名前からして、フランス臭プンプンな香りがして、常に羨望の存在。
なにせ、オルケストル・ドゥ・パリなんだからさぁ。
 同じパリのフランス国立管は、オルケストル・ナシオナル・ドゥ・フロンセ。
ともに、鼻に抜けるように発音したりすると、いかにもおフランスざぁますわよ。
さぁ、みなさんご一緒に。

でも、そんな傍から見てる雰囲気とは裏腹に、これらふたつのオーケストラは、クリュイタンス、ミュンシュ、マルティノン亡きあと、指揮者は、非フランス系ばかりで、デュトワという例外があるものの、どうもドイツ色が強くて、外国系の指揮者に振られたフランスのオーケストラといったイメージから脱しきれない恨みがある。

しかし、いまのパーヴォ・ヤルヴィ(パリ)とダニエーレ・ガッティ(国立管)は、いままでと一味違いそう。
よりインターナショナルな彼らだし、どんな国の作曲家の作品を指揮しても、ぬかりなく鮮度高い表現をしてくれるし、曇りなく明快。
味わいや深みはまだまだですが、音楽を聴く喜びを与えてくれることでは近時、随一かも。

今日の、バレンボイムの演奏は、カラヤンやショルティの時代の延長上にある、少しばかり腰の重い克明なドビュッシー。
くっきりとした音楽づくりは、曖昧さを廃してユニークなドビュッシーだけれど、パリ管を聴くわたくしには、先の発音じゃないけれど、フゥー~ンというような色気ある音色も欲しいのですよ。
時に、テンポを落として、濃厚な味わいを聴かせたり、急にサラサラと流してみたりで、ある意味聴いていて、スリルを感じるドビュッシー。

 同時期に、バレンボイムは、パリ管とワーグナーやフランクを録音しているけれど、そちらの方にフランス臭を感じてしまうワタクシ。
でも、この時期のバレンボイムは、いまより好きだったな。
いまの大家然として落ち着いてしまった演奏よりは、イギリス室内管やシカゴ(DG時代)、ロンドンフィルとのもの、そしてパリ管とのもの、これらの方に、バレンボイムの重たいけれど、大変な集中力と粘りを感じさせ複雑な内面ものぞかせる彼の個性を感じます。

思えば、バレンボイムの音楽の特徴ってなんだろう?
ワーグナーのオペラでも、いろんな顔がありすぎなもんで。
どなたか教えてくだされ。

Chibaport4

パリのオーケストラならオペラ座。あとトゥールーズやリール、リヨン、ナンシー、ロワーヌ、ボルドー、少しドイツっぽいけどストラスブールなどなど、そちらのお国ものを見つければ購入するようにしてました。
少し田舎くさくて、洗練されすぎてもいない方がいいんです。

|

« 「HELP」 ザ・ビートルズ | トップページ | ちりとりにゃんにゃん »

コメント

バレンボイムは、大好きです。基本的には、フルトベングラーを目標にしていると言われるように、古いドイツ風のテンポを動かす音楽作りと思います。但し、モーツァルトのピアノ協奏曲とソナタは、別人のように、素直な美しい表現と思います。ちなみに、主にイタリア人とドイツ人が「ここは南米のパリだ!」と思って暮らしているブエノスアイレスの出身なので、フランス・イタリア・ドイツが微妙に調和するのかもしれません。

投稿: faurebrahms | 2012年7月15日 (日) 05時40分

faurebrahmsさん、こんにちは。
やはり、フルトヴェングラーなのですね。
おっしゃるとおり、ドイツ風な濃厚な作りと、すっきりとした表現と、バレンボイムのなかに混在していて、その複雑さがこの人の魅力なのですね。
ご教授ありがとうございます。

ブエノスアイレスは、かつての上司が若いころ赴任していて、オペラを中心にヨーロッパ風の街を絶賛しておりました。コロン劇場の過去音源も、ワーグナーやヴェルディなど、信じられないものばかりですし。
なるほどですね。

投稿: yokochan | 2012年7月15日 (日) 11時47分

はじめまして、クラシック初心者の者です。このバレンボイムのCDはよく寝る前に聞いていますよ。「牧神の午後」だけですぐ夢の世界に行ってしまうのですが笑。ドビュッシーだとアラベスクが一番好きですね。この「海」は編成などの面で革新的な要素が多く含まれているのだなぁ、といつも聞きながら思っています。

投稿: 堀川葵 | 2012年10月26日 (金) 23時09分

堀川葵さん、こんにちは。コメントどうもありがとうございます。
わたしも、以前、それこそ安らかに眠れそうで、よく「牧神」をかけてました。
そして「海」は実に精密な音楽で、標題付きの交響曲のように何度聴いても飽きません。
ですからCDもたくさん揃えてしまいました・・・。
ドビュッシーのピアノ音楽もいいですね。
アラベスクに、月の光も私は大好きです。

投稿: yokochan | 2012年10月27日 (土) 17時44分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ドビュッシー 交響詩「海」 バレンボイム指揮:

« 「HELP」 ザ・ビートルズ | トップページ | ちりとりにゃんにゃん »