フィンジ 「いざ花冠を捧げよう」 ヴァーコー&ヒコックス
札幌郊外の大きな公園、去年の夏です。
針葉樹とヒースの茂る公園は、あきらかに本土とは違います。
北海道の自然と風物は、絶対、絶対にわが固有のものとして守らなくてはなりませんね。
フィンジ 歌曲集「いざ花冠を捧げよう」
Let us garlands bring〜シェイクスピア詩
Br:ステファン・ヴァーコー
リチャード・ヒコックス指揮 シティ・オブ・ロンドン・シンフォニエッタ
昨日と同じ、フィンジ(1901~1956)の珠玉の歌曲を。
今度は、弦楽オーケストラによる伴奏のバージョンにて。
1929年から1942年にかけて作曲されたシェイクスピア歌曲をまとめて、ヴォーン・ウィリアムズの70歳を祝福して、朋友ハワード・ファーガソンのピアノで、その1942年に初演。
同時に、弦楽オーケストラバージョンも作られ放送録音された。
ピアノによる、楚々とした迫真の哀しみと比べ、弦楽バージョンでは、清潔さと甘味さが織り交ぜになった豊かな響きに満たされ、歌がよりドラマティックに聴こえる。
1.「Come away, come away, death」〜来たれ 死よ
2.「Who is Silvia?」〜シルビア
3.「Fear no more the heat o' the sun」〜もはや日照りを恐るることもなく
4.「O mistress mine」〜おぉ 愛しい君よ
5.「It was a lover and his lass」〜それは恋する若者たち
やはり、1と3とに無性なまでに愛情と愛着を感じます。
弦楽合奏を背景にすることにより、同じフィンジの「エクローグ」や「ディエス・ナタリス」などをも思わせることになり、感動もひとしお。
フィンジの音楽が持つ憂いあるその感受性に、わたくしは、いつも魅せられてきた。
オリンピックや各地の音楽祭に心奪われつつも、日々の大変さは何ら変わりことはありません。
一時の高揚感が去ったあとに来る、今以上の厳しさを予感するがゆえに、フィンジの音楽は、きっとそのときも、心の支えになってくれそうなんです。
英国の歌を歌わせては、ヴァーコーの優しくマイルドな声は、バリトン音域ではほかに並ぶ方がおりませぬ。
ともかく、素晴らしい声です。
これ聴いちゃうと、昨日のターフェルがオケバージョンで、ヴァーコーがピアノで・・・とも思いたくなってしまいます。
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