神奈川フィル定期演奏会 前夜祭
先週の日曜日、急な雨が降って、慌ただしく上がったあと、虹が広がりました。
しかも、虹、ダブルで
バーでは、いつもウィスキー、ダブルで、と唱えますが、虹ダブルはより嬉しいですね。
9月15日は、神奈川フィルハーモニーのシーズン後半の幕開け定期演奏会。
ウェーベルン オーケストラのための6つの小品
R・シュトラウス ホルン協奏曲第2番
Hr:プシェミスル・ヴォイタ
ブラームス 交響曲第2番
伊藤 翔 指揮 神奈川フィルハモニー管弦楽団
2012年 9月15日(土) 14:00 みなとみらいホール
暑い日中、早めに会場に着いて、汗を覚まさないと、精緻なウェーベルンが台無しになってしまうかも。
8月より、湿気も手伝って、やたらと暑いです。
この2か月間、隣国との雲行き怪しい動向には、日々、目を離せなくなってしまった。
神奈川フィルの日中国交正常化40周年の記念公演も、招聘元の広東省人民
近隣二ヶ国との繋がりも強い横浜ですが、どうも複雑な心境です。
さてと、明日のコンサート演目に関しましては、4月に聴きどころを含めCD再現コンサートを行いました。
→ウェーベルン、R・シュトラウス、ブラームス 9月神奈川フィル定期
前夜祭として、先と違う演奏で、練習しておきたいと思います。
大きな聴きどころとしては、前副指揮者の伊藤翔さんの本格定期デビュー。
それと、これまた若いチェコのホルン奏者、バレンボイムのベルリンシュターツオーパーの主席ヴォイタのソロです。
ウェーベルン オーケストラのための6つの小品
ピエール・ブーレーズ指揮 ロンドン交響楽団
マーラー後、ツェムリンスキーをはさんでの新ウィーン楽派は、シェーンベルクを師とするウェーベルンとベルクの3人で構成される世紀末トリオ。
ウェーベルンは作品は少ないものの、その当時の前衛的な手法において、一頭抜きん出ていて、後世、ブーレーズやケージに至るまで影響を及ぼしているとされます。
前にも書きましたが「精緻で研ぎ澄まされた緊張感」あふれるその音楽。
中間部の大フォルティッシモを頂点にした母の死を想っての怪しく光る美しい音楽です。
あまり深く考えず、その音色の変化を体で受け止められたらいいと思います。
R・シュトラウス ホルン協奏曲第2番
Hr:デニス・ブレイン
ウォルフガンク・サヴァリッシュ指揮フィルハーモニア管弦楽団
2曲あるシュトラウスのホルン協奏曲。
父親がホルン奏者だったし、モーツァルトと同じように、息子の出世も大いに気にかけた父親。
息子は、オケ作品を書いても、ホルンが図抜けて活躍する作品が多かったりします。
18歳の若書きの1番から60年後、オペラもすべて書き終えた晩年の2番の協奏曲。
生涯、その明朗快活な作風が変わらなかったシュトラウスならではの、おおらかかつ歌にあふれた音楽です。
1番と同じく、スイスの山々にこだまするような朗々とした1楽章。
第2楽章は、シュトラウスの家庭交響曲やこれまでのオペラの一節を思わせるような、平和な雰囲気でホノボノ。
終楽章は、古典的なロンドフィナーレで、きっとヴォイタ氏の超絶技巧が冴え渡り、大盛り上がりとなることでしょう。
それとオーケストラの皆さんも、一聴、シンプルで古典風に聴こえるものの、実は奏者泣かせな曲だという情報もございました。
シュトラウストーンを持った神奈フィルの伴奏も楽しみですよ。
ブリリアントで神々しいブレインと、若きサヴァリッシュの共演は素晴らしいです。
ブラームス 交響曲第2番
クラウディオ・アバド指揮 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
アバドの1回目の70年録音の2番は、わたくしが一番好きなブラ2の演奏。
ともかく、歌いに歌う。
音色は明るく、でも構成は豊かで、俊敏でかつ若々しい。
シュナイト翁の南ドイツ風の明るさとも違って、アルプスの山をひと超えちゃって、イタリア側から見た晴朗なブラームス。
揺るぎない私のブラ2ナンバーワンの音源です。
伊藤翔君の若い感性は、神奈川フィルとともに、どんなブラ2を聴かせてくれるのでしょうか。
1楽章の繰り返しは?
第2主題はどんなに美しく鳴らすでしょう。
そして1楽章の素敵な終わり方も聴きどころです。
少しかげりのある2楽章は、どんな憂愁を漂わせるでしょうか。
可愛い3楽章では、神奈フィルの管と弦の掛け合いが聴きもの。
そして、終楽章の若さの爆発は、みなとみらいホールにどう響きわたるでしょう。
とても楽しみです。
ブラームスの2番は、歳とともに、好きになってきました。3番もそうです。
そのブラ2で好きな演奏を列挙しちゃうと、新旧アバド、B・クレー、ハイティンク(ACO)、スゥイトナー、ベーム(VPO)、バルビローリ、シュタイン、ヤンソンス(RCO)、カラヤン(60’)・・・などなどたくさんあります。
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コメント
学生時代、ブラームスは1番がベーム・BPO、2番が今回挙げられているアバド・BPO旧盤、3番がライナー・CSO、4番がベイヌム・ACO新盤というのが、私にとって定盤でした。今でも、それぞれ好きな演奏です。
投稿: faurebrahms | 2012年9月14日 (金) 22時47分
faurebrahmsさん、こんばんは。
わたしも学生時代ですね、この演奏は。
ちなみに1番:ベーム・ウィーンのNHKライブのカセット音源、2番:アバド、3番:ハイティンク、4番:イッセルシュテットでした。
投稿: yokochan | 2012年9月15日 (土) 00時42分
yokochanさん
昨日、このコンサートがあったんですね。楽しまれましたか。
ブラームスの交響曲は私も一時はまっていましたが、特にCD2枚で一気に4曲聴けるものを好んで聴いていました。すると、カラヤン、ヴァント、レヴァイン、ケンペ、などと限られてきて、気儘に聴いてました。第2番はアバドの新旧、共に楽しく聴けて、これもちょくちょく聴きます。でも、実演で聴くのは楽しみが違いますからね!
私にとって、生まれて初めて聴いた実演がこの曲でした。カイルベルト指揮バンベルグ交響楽団の名古屋公演で、忘れられないですね。
投稿: 安倍禮爾 | 2012年9月16日 (日) 13時28分
安倍禮爾さん、こんばんは。
昨晩は音楽に楽しい集いに、すっかり堪能し、本日も腑抜け状態兼家事仕事の多忙ぶりでした。
ブラームスは、CD時代になって全集が集めやすくなり、わたしも相当に集めてしまいました。
レコードでは4枚組、8千~1万円でしたから、いまの格安CDは隔世の感ありですね。
昨日のライブでは最後の高揚感が最高にシビレました!
しかし、カイルベルトとバンベルクとはまた、伝説級の経験をお持ちですね!
わたしの初オケ実演は、東大オケのチャイ5でした。
投稿: yokochan | 2012年9月16日 (日) 22時10分