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2012年10月21日 (日)

「NOUVEAU MONDE」 パトリシア・プティボン

Asakusa_2

浅草の吾妻橋のたもとから。

アサヒビールのあれと、スカイツリーとお月さんを。

ゴージャスな墨田区役所も。

だいたいに、どうして行政区の建物は、このように超立派なのでしょうか。

都内の区はほとんどそうで、高層ビル化もしてるし、地方は地方で空虚なほどの庁舎が忽然とそびえております。

公僕っていってはいけないのかしら、いまは、やたらと腰がひくく丁寧になったお役所の皆さん。
仕事がら制服を来たや○ざみたいな方々と接するもとも多々ありましたが、いずれにしても、明日をも知れぬ中小・民間の人間との立ち位置の違いは巨大であります。
こうしたゴージャス庁舎に行くと、売店もあるし、なによりも食堂があって、一般人も、ばかみたいに安く食事ができるんですよね。それこそ、ばからしくなっちまいます。

あ、もうこのへんでやめときましょう。

スカイツリーを核としたこのナイトビューをついに撮ることができました。

甘味なる光景におもいましたね。

社会人になりたて、ここには、由緒正しいアサヒビアホールがありました。

Petibon_nouveau_monde

  「NOUVEAU MONDE」~ヌーヴェル・モンド 新しい世界

         S:パトリシア・プティボン

    アンドレーア・マルコン 指揮 ラ・チェトラ

                  (2012.2 @バーゼル)


わたくしのアイドル歌手、パトリシア・プティボンの新作が出ました。

年一回、だいたいこの時期に発表されるプティボンのCDは、毎回、異なる知的なテーマを掲げ、彼女の魅力を全開したユニークな歌唱とあまり聴くことのできない選曲でもってサプライズを与えてくれるんだ。
 それはもう、ビジュアル系のアーティストが繰り広げる、通常名曲のありふれ演奏とはまったく次元を異にする本格ぶり。
オペラアリア集から卒業してしまったプティボンは、もう自身がアクターであり、オペラの登場人物の域を超えてしまった存在なのかもしれません。
 ですから彼女の歌は音盤にはなかなか入りきれません。
プティボンが年一作、考え抜いて作り上げたCDは、それこそ彼女の魅力が凝縮された、彼女の舞台やオペラ映像にも匹敵するような濃密な出来栄えとなっているんです。

DGの専属となってから安定的に録音されるようになったこうした音盤ですが、理解しがたいことに、日本のユニバーサルミュージックは、昨年の「メランコリア」の国内発売を今にいたるまでしておりません。
来年、もしかしたら実現するプティボンの来日まで温存する気なのでしょうか。
リセウの「ルル」も同様。
完全に、プティボンをビジュアル系アイドル路線で売りこもうという目論見が、実は、驚ろくほどの本格路線に販売路線を見出せぬままになってしまったのが真相なのでしょうかね。
まったく、ばかやろうで、腹のたつ話ですよ。

もちろん、ファンとしては輸入盤をすぐさま手にして、彼女の進化ぶりを堪能しておりますゆえ、国内盤の有無は関係ありませぬが・・・・・・。

 1.ホセ・デ・ネブラ サルスエラ 「Vendado es amor, no es ciego」
 2.アンリ・ル・バイイ  「私は狂気」
 3.古謡     「マルティネス写本」より
   「Cachua a voz y bajo Al Nacimiento de Christo Niestro Senor」
 4.ホセ・デ・ネブラ サルスエラ 「Vendado es amor, no es ciego」
 5.パーセル  「ダイドーとエーネアス」~
                  「わたしが地中に横たえられたとき」
 6.ラモー    「優雅なインドの国々」~未開の人々のダンス
 7.ヘンデル カンタータ「決して心変わりしない」
                (スペイン・カンタータ)HWV.140より
 8.古謡     「マルティネス写本」より
         「Tonada la lata a voz y bajo para bailar cantando」
 9.作者不詳  「わが愛は遠くなりけり」
10.古謡     「マルティネス写本」より トナーダ「コンゴ」
11.シャルパンティエ   「何も恐れずこの森に」  
12.シャルパンティエ   「メデア」~3つの場面
13.古謡     「グリーンスリーヴス」
14.古謡     「I saw the wolf」
15.ラモー    「優雅なインドの国々」 寛大なトルコ人~エミリーの歌
16.パーセル  「アーサー王」~「もっとも美しい島」


以上、15の作品、全部で18トラックの多彩なるプティボンのめくるめく歌の世界。

「新世界」とタイトルされたこの内容は、ラテン・アメリカのバロック期の音楽と、それらにまつわる欧バロック作品を集めたもの。
古くは、ヨーロッパ中心から見た場合、ほかの国々はみんな新世界だったというのも乱暴な言い方だけれども、よくまぁ、こうした曲を集めてきたのもだと思います。
今回の2度目の共演マルコンの手腕にもよるところも大きいとも思われる。

それにしてもなんというバラエティの豊かさであろうか。

曲の配列のバラバラなようでいて、サルスエラ、伝承古謡、英仏のバロックオペラと巧みに配置していて、単に異国情緒を追いもとめただけの単純な選曲ではなく、かの地へよせる憧れや、隷属者の悲しみなどがプティボンの抜群の表現力でもって歌い込まれているから次々に飽きがこず、サプライズの連続でありました。
 概して欧州作者による異国への想いは、悲哀も美しいが、現地伝承やサルスエラなどのリアルで皮相的な悲しみの方が妙に明るかったりしてプティボンの明るい歌声が映える。

はまるでハイドンかモーツァルトみたいな古典のオペラみたいで、弾むリズムが楽しい。
②パーカションと南米ハープやギターが雰囲気ありありのサッドソングは、プティボンの超高音域が耳にビンビン響きます。
こちらも涼やかなハープとケーナを思わせる笛がこれまた情緒たっぷり。だんだんとアッチェランドしてって熱くなりますが最後は静かに終了。酒が飲める歌。
カスタネットも高鳴るムンムンする雰囲気に、プティボンのスペイン語の色気を感じます。
南米ムード満点のところに、高名なるパーセルのオペラから高貴なる悲しみに満ちたアリアが始まるともう、聴き手は次ぎの次元に。
こんな風にガラリと雰囲気が変わってしまう変幻ぶりはプティボンならでは。
涙の雫さえ感じるしっとりとした歌唱に聴き惚れます。
すると今度は、これもまたクリスティ&プティボンで有名になったラモーの軽快で特徴的なダンス。あの映像を思いだしつつ体が動いてしまう。
初めて聴いたヘンデルのこの曲。ここではカスタネットにテオルボが伴奏して、本当にヘンデル?と思ってしまう。歌唱もスペイン語。
ギターにドラム、ベース、ケーナとまたもや異次元に。
ルネサンス音楽をも思わせる不可思議サウンドに、プティボンの面白歌唱。
コンゴから連れてこられた奴隷の悲しくもユーモアある歌、プティボンのコンゴー!の威勢のいい掛け声がアクセント。
シャルパンティエの歌は、明るくユーモア一杯。そして溜息が色っぽいです、はい。
オペラの3つの場面では、共演者も登場して本格的。
抒情的なシャルパンティエの音楽が楽しめます。
まさかのグリーンスリーヴス。イングランド民謡なのに、何故に。
この女性の悲しみは、ここでは娼婦ともいわれますゆえ、プティボンはここで取りあげたかったのでしょうか。古雅な雰囲気でしんみりします。
わりと有名な「狼を見たよ」、⑨と似た雰囲気の楽しい曲でノリノリですよ。
もう一度ラモー。ここでは船に乗り異国から出国する主人公。囚われの身の悲しみです。嵐吹き荒れる情熱歌唱に感激です。
パーセルの有名なアリア。島(ブリテン島)を讃えるヴィーナスの歌。
高貴で麗しいパトリシアの歌唱は、清楚でとても感動的。
旅の最後を締めくくるに相応しい曲に歌いぶりです。

聡明な彼女、レパートリーを重たいものへと徐々に広げつつあって、ちょっと心配なところで、従来の羽毛のような軽やかさが少し後退したかな・・・と思うところもあります。
しかし、歌のうまさと心くすぐる甘味さとキュートな声はまだまだ健在。
思えば、いつもいろんな彼女の局面を見せつけられ、その都度驚嘆し、魅惑されているわけで、次はまた何をやってくれるかと楽しみになります。
 そして、そろそろオペラアリア集を所望したいところです。

DGサイトより、プロモーションビデオ

Petibon1

プティボンのソロCD

Petibon2

その2

下から順に新しくなります。
こうして、ますます個性的に、幅広い個性が際立つパトリシア・プティボンでありました。

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