« モーツァルト ピアノ協奏曲第27番 ピリス&アバド | トップページ | 「NOUVEAU MONDE」 パトリシア・プティボン »

2012年10月20日 (土)

ベルリオーズ 幻想交響曲 マゼール指揮

Hamamatsucho_201210_a

遅ればせながら10月の浜松町駅の小便小僧は、生誕60周年の赤いちゃんちゃんこでした。
毎日通っていながら、今頃取材しまして、あいすいません。

Hamamatsucho_201210_c

後ろ姿も、ほれ、ご覧のとおり、お爺さんのようです。

60年前、当時の駅長が友人から寄贈され、浜松町駅に置かれるようになったそうな。

その節の経緯は、ググればたくさん出てきますよ。

いま、このコスチュームを担当してる皆さんにも、大いに感謝しなくてはなりません。
これからも、どうぞ楽しませてください。

Beriloz_sym_fantastique_mazzel_clo

  ベルリオーズ  幻想交響曲

    ロリン・マゼール指揮 クリーヴランド管弦楽団

                    (77.1 クリーヴランド)


10月はタイミングを失してしまい、一瞬忘れてしまった、ツキイチ幻想。

ようやく感じる秋の気配が幻想でありませんように。

1年前の記事を見ていたら、ちょうど今頃、ベイスターズはモガベイ騒動の真っ最中。
1年後もその弱体ぶりは相変わらずながら、資金力がいまのところはありそうなので、今オフはちょっと楽しみなんです。
それから毎年今頃新作が出る、わたしのアイドル歌手の記事も。
こちらは明日、記事にします。今回もぶっ飛びの可愛さとクレヴァーさで魅惑してくれます。

そして、1年前は、バーンスタインの幻想。
今年は、同じCBSのアメリカ産の幻想で、来日中のロリン・マゼールの指揮で。

マゼールという人は、わたしにとってはなかなか難敵で、いまだにその正体が掴めず、いっとき気にいって聴きまくったけれど、そのあとは嘘のように冷めてしまって今に至っている指揮者。

その出自とポストの遍歴を見てみると、これが一人の歴史であろうかと思われるくらいの変転・変幻自在ぶり。

出生はフランス、勉学、キャリアスタート地はアメリカ。
父親はユダヤ系ロシア人、母親はハンガリーとロシア系。
渡欧後の勉学の地はイタリアが中心。
ポストは、ベルリン放送響、ベルリン・ドイツ・オペラ、フィルハモニア(主席客演)、クリーヴランド、フランス国立管、ウィーン国立歌劇場、ピッツバーグ響、バイエルン放送響、ニュー・ヨークフィル、トスカニーニ響、ミュンヘン・フィルなどなど。

こんな風にみるからに、一色に染まらない、そしてカメレオンのように姿を変えるようなメゼールの曲者ぶりがうかがえるというもの。
そんなマゼールの面白かった時期は、今思うと、ベルリン時代とクリーヴランド時代で、わたしも、クリーヴランドからウィーンにかけての時期をかなりマゼールの音楽で過ごしたワケであります。

そのクリーヴランド管との演奏は、デッカ、CBS、テラークより数々出ていて、録音の良さもそれぞれ嬉しいところでした。
この「幻想」は、マゼールの初幻想でした。
レコード時代、FMで聴いたけれど、どうも軽いタッチに聴こえて、(これはCBSの録音によるせいもあったかもしれない)イマイチの印象。
82年に、こんどはテラークに再録音して、これはレコードを購入したけれど、こちらは重量級の分厚い響きも楽しめる鮮やかな演奏で、結構お気に入りだった。
でも、後にCD化された77年盤を聴いた時には、かつて感じた軽さは、緻密な計算に基づく慎重な音への配慮と、静と動、巧みなその対比が結構面白く聴けることを発見したのでした。

1楽章と2楽章は、快速だけれど、マゼールにしては意外なくらいに素直で、しなやかかつ流線的な美しさ。コルネット入りで、ハープの左右に配置したワルツもあざとさ少なめ。
そして、これもまた美しい田園風景を丹念に描いた3楽章の静けさをピークに、4と5楽章では、あのマゼールらしさが炸裂。
早いテンポでずばずば決めてくる断頭台への行進は、切迫感が伴い忙しい。
休みなく続けられるヴァルプルギスの夜は、強弱メリハリが実に豊かななもので、グワーっと押し寄せる音塊にタジタジになってしまうが、いつしかそんなマゼールの魔術にまんまと乗っけられ、やたらと興奮してしまうワタクシ。
おっと、その手は食わねぇぜ、と思っていても、コーダの凄まじい大太鼓にエンディングの輝かしいクレッシェンドに参ってしまいました。

いまもきっとこんな風な幻想をやってくれそうなマゼールであります。

|

« モーツァルト ピアノ協奏曲第27番 ピリス&アバド | トップページ | 「NOUVEAU MONDE」 パトリシア・プティボン »

コメント

還暦スタイルですか。お爺さんスタイルも、かわいいですね。
今現在、還暦祝いをする人って、けっこういるのでしょうか?

投稿: edc | 2012年10月21日 (日) 07時02分

euridiceさん、こんばんは。
遅ればせの10月は、驚きの還暦でした。
まさに、「予想外」の赤ちゃんちゃんこ。
還暦祝いは、どうでしょうか、皆さん現役ですし、そんな風潮は少なくなったのでしょうね。
わたしもそんな遠くじゃなくなってきました。

投稿: yokochan | 2012年10月21日 (日) 22時23分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ベルリオーズ 幻想交響曲 マゼール指揮:

« モーツァルト ピアノ協奏曲第27番 ピリス&アバド | トップページ | 「NOUVEAU MONDE」 パトリシア・プティボン »