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2012年11月14日 (水)

シューマン ピアノ協奏曲 ルービンシュテイン

Tokyo_st2

東京駅、丸の内口。

南北、横に長いもんだから、その全部を収めるには距離を置かなくてはなりません。

いまは人が多いので、しばらく無理かもです。

Shumann_grieg_rubinstein

  シューマン  ピアノ協奏曲 イ短調

      Pf:アルトゥール・ルービンシュタイン

    カルロ・マリア・ジュリーニ指揮 シカゴ交響楽団

                   (1967.3 シカゴ)


久しぶりにシューマンのロマンティックなピアノ協奏曲を聴きます。

イ短調という第1楽章の調性が、幻想味を大いに醸し出しておりまして、こちらでも、そして始終カップルで録音されるグリーグの同じ調性の協奏曲と別物ながら、相通じるものがあります。

この曲の冒頭は、よく語られるように、「ウルトラセブン」の最終回で劇的に使われました。
モロボシ・ダンが、アンヌ隊員にセブンたる自分の正体を明かす場面。
1968年のテレビ放送で、小学生だったわたくし、もちろんドキドキしながら見ておりましたよ。
当時、クラシックを聴き始めの少年でありましたが、まさかそれがシューマンのピアノ協奏曲だったなんて、気付きもしません。

思えば、ウルトラシリーズの中でも、ウルトラセブンはどこかもの哀しくって、怪獣たちも哀愁そそるものが多かった。
ドラマとしてもなかなかよく出来ていたと思う。
そして、お子様ながら、ワタクシ、アンヌ隊員が好きだったんだわ(ムフフ)。
そのアンヌさまが、のちに大胆にも・・・・・。

間奏曲と題された第2楽章の甘味な美しさを知るのもずっと後年。
オーケストラの歌が最高に素敵です。

ピアニスト泣かせの技巧的な3楽章。ピアノとオケとの掛け合いも楽しく、輝かしいけれど、やはりそこはシューマンで、どこかかげりがあるところがいい。

初演は、奥様のクララのピアノ、1946年の元旦です。

ルービンシュタインの構えの大きな、そしておおらかなピアノは、シューマンでも、ショパンと同じように、聴きてに安心感を与えてくれる。
いまのバリバリ弾くピアノからしたら、ずいぶんと呑気に聴こえるかもしれませんが、わたしには、遠い昔からずっと親しんできた、住み慣れた我が家みたいな感じなんです。

ジュリーニとの共演も珍しく、しかもシカゴ。
つつましく、歌心にあふれたオーケストラでした。

このCD、某所で105円でした。もったいない。

Tokyo_st1

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コメント

今晩は。ブログ主様もウルトラセブンがお好きでしたか!ウルトラマンシリーズの最高傑作ですよね。私は小学生の時に再放送されているので初めて見ました。初代ウルトラマンも良かったですが。マンにせよセブンにせよヒーローと怪獣の格闘シーンだけでなくヒロインも魅力的でしたよね。フジ・アキコ隊員にせよ、アンヌ隊員にせよ。2人とも優しくて聡明でした。銀河鉄道999のメーテルもガンダムの●●●も憧れたものです。今も憧れてます。相変わらず萌え話ばっかりですね。クラヲタとアニヲタと特撮ヲタを兼任してますので(笑)。
 ウルトラマン史上最強の大怪獣パンドンとセブンが命がけで闘う勇ましくも切ないシーンで流れるのがシューマンの件のコンチェルトなんですよね。私はブリリアントのクララ・ヴュルツという女流の演奏で聴くことが多いです。2枚組で1000円切る価格でシューマンのコンチェルトや協奏的作品が全部そろってしまうお得なセットです。ルービンシュタインは残念ながらあまり聴いたことが無いのです。彼が得意なショパンでさえも。ルービン先生のショパン作品集欲しかったのですが、財布と相談した結果、アシュケとハラシェヴィッチのショパン作品集に落ち着いてしまいました。
 セブンの最終回に負けず劣らず感動的なのが坂の上の雲の最終回ですね。あれほど平和の有難さと人命の重さを分かりやすく描いた作品は在りません。

 衆院が解散しましたね。永田町のセンセイ方には例えば佐村河内さんを見習って難局に強い真人間に更生してほしいものです。

投稿: 越後のオックス | 2012年11月14日 (水) 20時51分

お忙しいのは承知ですが、シューマンにウルトラセブンではコメントしないわけにはいきませんです。
いや、何回聴いても感動の曲と最終回です。
このコンチェルトの時はかなりの確率でセブンの話題になるから不思議です。
冒頭部分の衝撃の告白シーンはあまりにも有名ですが、実はこの最終回のBGMのいたるところにこの曲が使われています。
アマギ隊員がピンチなんだよ!
そう言ってセブンがアマギ隊員を助けにゴース星人の地底基地に潜入するわけですが、この場面はオケ大活躍!
セブンと怪獣パンドンとの戦いのシーンはあの哀愁ただようピアノが。。。
ヘロヘロのセブンに隊員の「なにをやってんだ」の言葉。yokochan様の大好きなアンヌ隊員が「ダンは私たちのために戦ってくれているのよ!!!!」と返すわけですが、もうもう涙。涙。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
というわけで、最終回はシューマンPコンなくして語れません。
当時の円谷プロにはシューマンオタクがいたのでしょうか。
なんでこんなにワタシ、熱くなっている?(笑)

投稿: はるりん | 2012年11月15日 (木) 00時11分

越後のオックスさん、こんばんは。
いやぁ、好きもなにも、わたしのような世代では、ウルトラQに始まる特撮・怪獣ものは、空気のように当たり前に子供たちに必須のものでしたから、事細かに覚えておりますよ!
ガンダムや999となると、高校・大学なものですから、ちょっと距離を置いてましたので、少し遠い存在に感じたりしますね。
そんな世代なんですよ。
で、後に知った、セブン最終回のこの音楽。
素晴らしいですね、この選曲。
 しかし、坂の上は、見逃してしまいました、残念です。
いずれオンデマンドで見たいと思ってます。

ブリリアントには、思わぬ渋い名演があるんですよね。
この協奏曲にもありますか。
わたしは、こちらのルービンシュタインも懐かしいものですが、最大に好きなのは、ブレンデルとアバドのものです。

なんだか、年末に向かって、慌ただしい動きとなりましたが、国民の生活二の次のような政治家たちの動きでありますね~

投稿: yokochan | 2012年11月15日 (木) 21時09分

はるりんさん、こんばんは。
いやぁ~、熱いぜ、はるさん!

読んでて、あの場面、かの場面が次々に浮かんできまして、いま、youtubeを探しまくりました。

逆光の中、立ち尽くすダンとアンヌ、そして協奏曲の冒頭。この光と影こそ、シューマンの音楽の魅力を伝えてやまないと思いました。
この音楽を知り尽くした製作者が絶対にいたんですよ、きっと。
マインドコントロールされたアマギ隊員も子供心に、妙に印象に残ってました。
ウルトラマンのソガ隊員とともに、ちょっと弱い感じのウルトラ隊員でしたからね。

ウルトラセブン抜きのシューマンのコンチェルトの聴き方をしなくてはなりませぬね。できるかしら(笑)
わたくし、無理かもです。

投稿: yokochan | 2012年11月15日 (木) 21時18分

アンヌ隊員、菱美ゆり子さんが扮していらっしゃいましたね。落語の三大噺風に申しますと、『ウルトラシリーズ』『三菱ダイヤモンドアワー日本プロレス中継』『忍風カムイ外伝』は、ガキの頃の愚生の日々欠かざるべきモノでした(笑)。で、ルービンシュタインのシューマン、SONYのマスターワークスポートレイト-シリーズのこの巨匠の協奏曲集に在りまして、聴く事が叶いました。あまりに剛毅で健康的過ぎる弾きぶりでは‥?と、内心は危惧しておりましたが、取り越し苦労でした。叙情的で憂いを帯びた旋律や楽想も、巧みに表出されていて、さすがに大家の芸と唸らされました。ジュリーニのRCA-RedSealへのレコーディングも、珍しいですね。どのような経緯で、実現したのでしょうか。

投稿: 覆面吾郎 | 2019年5月22日 (水) 06時48分

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