ベートーヴェン 交響曲第2番 モントゥー指揮
真冬なみに寒くなったけれど、本来はまだ味わえる紅葉。
地面に敷き詰められた鮮やかな紅葉は、息をのむほどに美しいです。
こちらはだいぶ前の、盛岡の城址公園にて。
ちょうど今頃。
ベートーヴェン 交響曲第2番 ニ長調
ピエール・モントゥー指揮 ハンブルク北ドイツ放送交響楽団
(1959 ハンブルク)
こちらのCDジャケットは、高名なる作品、その名も「春」で、冒頭のわたしの写真とは正反対の季節となりました。
今は亡き、会員制レコード頒布組織「コンサート・ホール・ソサエティ」が、CD時代になってほんの数年復活し、またすぐに消滅してしまった。
1枚350円でまず会員となり、毎月断らない限りは送られてきてしまう、正会員は1350円のレコード頒布会組織。(ステレオでなくモノラルで選択すると1150円という不思議)
マガロフのチャイコフスキーのピアノ協奏曲でもって入会し、毎月のお小遣いで、少しばかりですが揃えました。
見知らぬ演奏家たちに混じって、モントゥー、シューリヒト、ブーレーズ、スワロフスキー、クリップス、ワルベルク、グルダ、ペルルミュテール、フルニエなどの名の知れた演奏家たちの音源も豊富で、いまや復刻の目玉ともなっていますね。
さまクラ・ベートーヴェン交響曲チクルスの第2番は、そのコンサートホールレーベル録音から、モントゥーの2番です。
デッカに録音した一連のベートーヴェンの中では、2番はロンドン響とのもので、そちらは1960年。
そしてその1年前のハンブルク録音は、4番とのカップリングで、その4番もほぼ同じ頃のロンドン録音。
残念ながら、その聴き比べはできておりません。
しかしながら、こちらのハンブルク北ドイツ放送響との録音では、驚くほどの活気と活力にあふれていて驚きます。
今回のチクルスは、自分で「穏健シリーズ」なんて名付けておきながら、久しぶりに聴いたモントゥーの演奏が、元気あふれるものでしたから、困っちゃいましたよ(笑)。
よくいわれる、CHレーベルの録音のもこもこ的なイマイチ感。
こちらでも感じ、それゆえ、一聴、田舎弁混じりのオケの音色に思われますが、よく聴けばマスタリングの成果もあって、隅々まで、実によく歌わせて、生き生きと弾んだ音楽に仕上がっているんです。
2楽章の可愛い抒情性は、ほのぼのと、でもかなり明晰に描かれていて、音楽はどこまでもくっきりとしていて見通しがいい。
ともかく気持ちいい。
全曲に渡って、躍動感にあふれた疾走感あるベートーヴェンです。
好々爺モントゥーの小粋なベートーヴェン。
実にイイと思います。
併録の4番も、同様に、楽しく麗しく、流麗です。
1802年の作曲。
交響曲での番号は若くても、作風は中期のものへと移行しつつあったものの、この曲があの「ハイリゲンシュタットの遺書」の頃のものとは思えない、聡明さとくったくなさを持っているところが不思議です。
ピアノソナタでは、16番や「テンペスト」、18番などの桂作が生み出された頃。
交響曲でのフレッシュ感に対し、少し大人のベートーヴェンがそちらの分野では聴かれるような気がします。
この曲、昨今ともかく第2楽章が好きです。
あとこの曲では、以外にもノリントンのピリオド演奏もばっちり楽しいです。
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