コルンゴルト ヴァイオリン協奏曲~THE SILVER VIOLIN ベネデッティ
日本橋三越のイルミネーション、11月最初から始まってます。
毎度、申し上げますが、イルミネーション大好き、クリスマスのきらきら大好きおじさんです。
近づいて、下から見上げて。
ツリー・イルミネーションは、こうして、接近してその飾り付けと照明の具合いをアップして見るのがいいんです。
子供の頃に、庭には樅の木があって、父親がシーズンになると、鉢に植え替えて、室内に運び込んでくれました。
そこに嬉々として、毎年お決まりの飾りを姉弟で付けてゆくのでしたが、どれをお互い付けるか、暗黙の了解がありました。
ツリーのてっぺん、一番星は、わたしに譲ってくれる優しい姉でしたね。
う~ん、しみじみ・・・・・。
「SILVER VIOLIN」 ニコラ・ベネデッティ
銀のヴァイオリン、その音色が銀色のように、モノトーンの美しい光沢を帯びた音色、とそのイメージの作品。
シネマ、そう、銀幕(Silver Screen)の音楽が、そのテーマ。
若いけれども、そのビジュアルに反して、本格クラシカル路線を歩むニコラ・ベネデッティに相応しい。
スコットランド生まれ、ゆえに、少しエキゾティックで彫りの深い容貌の美女、ベネデッティ。
デビューは、DGからシマノフスキのヴァイオリン協奏曲で、ビジュアル、ポピュラー路線と一線を画していたところからすでにワタクシのお気に入り。
タスミン・リトルと並んで、英国系女流はともかく無条件に好きなんですが、ついにやってくれましたよ、コルンゴルト
1.J・ウィリアムス 「シンドラーのリスト」
2.コルンゴルト 「死の街」~ピエロの歌
3.ガルデル タンゴ「首の差で」
4.ショスタコーヴィチ 「馬あぶ」~ロマンス
5.コルンゴルト ヴァイオリン協奏曲
6.ヘス 「ラヴェンダーの咲く丘で」メインテーマ
7.ショスタコーヴィチ 「呼応計画」~アンダンテ
8.マリアネッリ 「ジェーン・エア」
9.ハワード・ショア 「イースタン・プロミス」
10.マーラー ピアノ四重奏曲 断章
11.ショスタコーヴィチ 5つの小品~プレリュード
12.コルンゴルト 「死の街」~マリエッタの歌
Vn:ニコラ・ベネデッティ
キリル・カラヴィッツ指揮 ボーンマス交響楽団
(2012.4,6 @サウザンプトン)
何故に、マーラーがここにあるか不明ながら、ロマンティックなその習作は、上記のこの流れを阻害することなく、ノスタルジーと甘味なる調べがテーマともなっている銀幕音楽の中にしっとりとおさまっているから不思議であります。
どの曲も、それぞれにメロディアスで麗しいのですが、やはりわたくしにとってコルンゴルトは特別の存在と思うにたる3つの作品があまりに素敵なのです。
来シーズン、再来年に新国立劇場で上演される「死の都」から、とりわけ素晴らしいふたつのモノローグは、ともかく美しく、退廃的なまでに甘くやるせない。
通常、歌を伴っての作品ですが、こうしてオケ部分はそのままに、ヴァイオリンで聴くと、まるで人声のように、どこまでも歌があってヴィブラートも歌でならやり過ぎと思うものも、全然OKで、素直に酔いしれることができます。
ベネデッティ、いや、ニコラちゃんのヴァイオリンは、意外なまでに淡泊で、妙に媚びていないところがよいんです。
そして、わたくしの3大ヴァイオリン協奏曲のひとつ。
ここでは、ハリウッドに本人の意思はともかく名を残し、後世のJ・ウィリアムズにまで影響を与えたという意味で、本CDの核心になってもいます。
詳細はわたくし自身検証できてませんが、この協奏曲の主題のいくつかは、コルンゴルトの書いた映画作品のものが転用されてます。そういう意味でも銀幕音楽でしょうね。
本題のこの曲は、なにをおいても、その音楽があまりに素敵なのだ。
ふとした時に、電車に乗っているときに、人と話しているときに、そして夢の中に、頭に佐村河内やディーリアスやワーグナー、シュトラウスらとともに、めぐってくる音楽なのです。
それだけ、血肉と化しているんです。
伝統的な3つの楽章の構成で、幻想風な1楽章、あまりに甘味(本稿で何度書きましたでしょうか、この言葉)で郷愁あふれる第2楽章。
無窮動的なせわしなくもユーモアにも満ちた3楽章。
ニコラちゃんのヴァイオリンは、正直まだ味が薄く、健康的にすぎるきらいもあります。
でも、若さみなぎるハツラツ感は、聴いていてビジュアル以上の若さを体感させてくれます。
こんな健康的なエロ眩しさも、コルンゴルトの音楽にお似合いなのです。
またお気に入りのこの曲の演奏が加わりましたよ。
ボーンマス響の首席、カラヴィッツは、ウクライナ出身の注目株です。
こちらも落ち着いたいい雰囲気出してます。
ニコラた~ん。だいしゅき(酔ってます)。
彼女のホームページで素敵な映像も見れますよ。
http://www.nicolabenedetti.co.uk/
玉のなかに、わたくし映ってます。
コルンゴルトの協奏曲。
きっと石田コンマスが弾いたらいいと思ってましたが、先日藤沢で演奏してくれました。
あいにく、聴くことはできなかったのですが、神奈川フィルで現田さんまたは、ゲッツェルの指揮でなにがなんでもやっていただきたい曲のひとつでございます
| 固定リンク
コメント
ほろほろ酔いでニコラを語るとは!
さすがに李太白ですなぁ。yokochanさんは。でも、新国で「死の都」をやるという情報からして、当然コルンゴルトを熱く語りだすだろうなぁと予想していたら・・・。しかも、うら若いベネデッティのCDを持ち出すあたり、さすがにパティを熱愛する貴方でありますね。
しかし、この音楽は美しすぎる!もっと演奏されるべき音楽ですよ!後、20世紀の「時代離れ」したヴァイオリン協奏曲ではバーバーがおすすめです。聴いてタモーレ!
投稿: IANIS | 2012年11月17日 (土) 02時41分
こんばんは。
月曜日サントリーのデッセイ聴いてきました。予想以上に良い声でした。でも、席最悪。最前列左端、当方の右が、これまでさんざん煮え湯を飲まされた杖突おばあさんでした。前半諦め閉眼で音楽に集中しました。後半はホールのお兄さんに事情を言って異動、楽しめました。以前オペラシティできいたグラスハープとは別物でした。10時終演ですので最終新幹線に間に合わずお泊まり 、深夜溜池のいつものお寿司屋で轟沈しました。
投稿: | 2012年11月17日 (土) 22時13分
へへっ、兄貴、あっしはこんなもんでございやすよ。
ニコラちゃんは、正直緩いですし、まだまだのところもございます。
でも、英国系に特有の健康的な明るさは魅力でして、今年のプロムスでの彼女のブルッフ(1番&スコッチ)は最高でした。
前から本ブログで披歴しておりますが、わたしの3大ヴァイオリン協奏曲は、ベルク、コルンゴルト、バーバーのBKB48なんです。
記事数も本流3大コンチェルトに比べ、やたらと多いこの3曲です(笑)
ついでのヴァイオリン協奏曲は、エルガー、ディーリアス、モーラン、レスピーギ、ブリテンだったりしますからどうしようもないです。
投稿: yokochan | 2012年11月17日 (土) 23時27分
Mieさん、こんばんは。
デッセイは、今回もパスしてしまいました。
ソロでの演奏会がなかったのが残念です。
でも、まだまだ健在のようですね!なによりも嬉しいお知らせです。
しかし、件のご婦人には困ったものですね。
ホール側の対応も納得いくもので幸いですが、ライブの思いもならぬ怖さです。
でも、しっかり至福の時をアフターコンサートでも楽しまれたようで、羨ましくなってしまいます。
投稿: yokochan | 2012年11月18日 (日) 00時15分
おはようございます、よこちゃん様。
ニコラ様、美人ですな。ジャズ歌手の様な雰囲気の方でもあり。
来週の「題名のない音楽会」神奈フィル/聖響ですねぇ
必ず見ますですよ。ルンルン若かりし頃に流行ったフレーズ。ハマトラ好きな私でしたね(笑)
投稿: ONE ON ONE | 2012年11月18日 (日) 10時01分
ONE ON ONEさん、こんばんは。
ニコラたん、あぁ、いいでしょう。
ビジュアル系としての売り出しに片寄り、銀幕スターっぽいですが、今年のプロムスでのブルッフの2曲は、本格派としての期待にたがわない見事なものでした。
次週の神奈川フィル、わたしも忘れずに見ますが、是非ともまたご覧いただき、ご意見ください。
僕(あえていいますボク)も、大学時代は、女子がJJとハマトラの世代でしたから、サーファーっぽい出で立ちで鳴らしておりましたぜぇー(笑)
投稿: yokochan | 2012年11月18日 (日) 21時32分
今晩は、よこちゃん様。 昨日深夜、BSで放送されたプロムス2012ラストナイトの演奏会 録画して本日見ております。ニコラたん、ブルッフのコンチェルト熱演されてましたね。意外にグラマラスなお姿(決して太っているわけではなく)ちょっと胸の谷間にドキドキです…
あと、私にはお初のスーク! まず普通のクラシック番組じゃ聴けませんもの、貴重なお時間でした。
イギリス音楽堪能したいと存じます。なにせ4時間くらいあるんで、また明日後半部聞きます。
ニコラたんのキュッと上がった口角。男だったら(^з^)-☆。したくなっちゃいそ!
投稿: ONE ON ONE | 2012年11月27日 (火) 00時43分
ONE ON ONEさん、こんばんは。
最近、NHKのクラシック放送はご無沙汰でして、プロムス放送、完璧に逃しました・・・あぁ~。
ニコラたんのブルッフ映像見たかったなぁ~
BBCの放送は録音してますので、音源では確保してますし、おまけに今年は、スコットランド幻想曲や室内楽でも彼女は活躍してまして、しっかり録音してあります!!
スークは、チェコの後期ロマン派として、濃厚ロマンティシズムが魅力のお人です。
ビエロフラーヴェク最後のプロムスかもしれませんが、素晴らしい内容でしたね。
でも、たまらんばい。
ニコラちゃんの動くところを想像すると・・・・
あら、わたしったら。
投稿: yokochan | 2012年11月27日 (火) 22時55分