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2012年12月 5日 (水)

ベートーヴェン 交響曲第7番 ジュリーニ指揮

Ginza_1

銀座通りのブランド街を少し外れたところから。

カルティエとブルガリ。

こんな店々には近寄りがたく、入ったこともありません。

最近は、かの国の方々もぱったりいらっしゃらなくて静かなものです。

でも、こんなに華美にすることあるんですかね。

東京都心のこうした冬の夜の華やかさは、都内、城西・西部地区を主体としたエリアが日本一番かと。

東京一極集中は、首都圏だけでもなんとか是正して欲しいものです。
横浜はまだしも、千葉・埼玉なんて、ほかの地域の方からみたら「東京」ですが、東京で仕事をする人が住む場所みたいな感から、どうも脱することができないでいると思います。

Giulini

   ベートーヴェン 交響曲第7番 イ長調

  カルロ・マリア・ジュリーニ指揮 シカゴ交響楽団

                 (1971.3 シカゴ)


「ベートーヴェンの7番」、この無標題の番号交響曲が、いまこれほどまでの人気曲になるとは思ってもいなかった・・・・です。

今回シリーズでも書いてますが、クラシックといえば、三大B、カラヤン、運命・未完成・新世界・・・といった定番を、数少ない音楽情報のもとに、はぐくんで育ってきたクラヲタお父さんです。
そしてベートーヴェンの交響曲といえば、「英雄・運命・田園・合唱」のタイトル付き4曲が真っ先にきて、クラシック導入初期の少年には、それ以上の番号交響曲を知るのにしばしの間が必要だったのです。

それでも、テレビ鑑賞の1番(日フィル)、カラヤンのLP4番・8番は、標題交響曲のあと、まもなくやってきました。

でもですよ、不思議と、2番、7番がなかなかやってこなかったのです。

それらが、わたしの前に本格的にやってきたのは高校生になってからの遅咲きですよ。

2番はワルターの演奏、7番は、なんと当時の地元オケ、小田原フィルハーモニーの実演。
その実演ともちょっとしたきっかけがあって、予習したのは、なんとクレンペラーの、それもニュー・フィルハーモニアとの再録音の方の激遅盤。
いまやその音源はなく、確認のしようがありませんが、遅くて、当然にズシリとした中に、跳ね上がるリズムと、熱狂の渦がじんわりと浮かびあがってゆくその演奏の特徴は明晰に覚えております。

その後にやってきたベームとウィーンフィルのあの伝説的な来日公演における、4&7番。
両曲とも、老人とは思えぬ活力と推進力を見せつけられ、ライブで熱いベームを見せつけられたのが75年。

生涯にわたる熱烈ファンとなったアバドの、デッカ録音も聴き、弾むリズムの権化のような演奏に血沸き肉躍ったのもその頃。

そのずっと、ずっとあと、「のだめ」でブレイクしたこの曲。
これを機に、クラシック音楽に、ベートーヴェンに入っていらっしゃる方が多々出たことは、時代の流れとを強く感じました。
きっかけはともあれ、ベト7は、こうして人気曲になっていったのですから良しとしなくてはなりません。

完全名曲の仲間入りをした7番です。「英雄・運命・田園・7番・第9」なのです。

前置き多し。

ジュリーニの7番は、シカゴとの旧盤。
この流麗、かつダイナミックさと端正さとが融合した演奏は、本物志向のベト7です。
1楽章からゆとりあるテンポでもって、落ち着きあふれる風情ですが、クレンペラーとの大きな違いは重厚感。
こちらは、滑らかさが先に立つリズム感で、クレンペラーのようなゴツゴツ感はありません。
巨視的なスタンスでは負けますが、隅々まで光があたって曖昧さゼロ。
全曲にわたってそんな印象が強いです。
シカゴの技量も凄まじいものだから、音の芯がまったくぶれてなくて、その集中力は生半可ないです。
ですから、1楽章の熱烈なコーダの盛り上がりは感動的。
当然に、終楽章の熱狂も熱烈ななかに、筋の通った冷静さも味わえます。
 第2楽章では、ところが、横へ横へとどこまでも伸びてゆく無限旋律的な「歌」を味わうこととなります。
アバドのデッカ盤もそうですが、オケの美質を活かしながら、ともかくスコアを歌で埋め尽くす感じ。テヌートがすぎると思われましょうが、わたしには、指揮棒握りしめたジュリーニの指揮姿が思い浮かびました。

スカラ座とのベートーヴェンは、すべて未聴。
それ以外のEMI・DG盤6曲は揃えました。
1・2・4のみナシ、といったところです。

ジュリーニのベートーヴェン、好きです!

1812年の作。
同年は、チャイコフスキーのあの大序曲の年です。
ナポレオン軍は、ロシアから撤退を余儀なくされ衰退をたどる年月の一端です。

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コメント

ジュリーニのベートーヴェンはロス・フィルとの「英雄」が大好きです。
なにより瑞々しいです!
同コンビの来日公演の「第5」は早く映像ソフト化してほしいです。
ロス・フィル時代に全集を作ってほしかった。
EMIやソニーも地道に集めてみます。

投稿: 影の王子 | 2012年12月 5日 (水) 22時48分

おおっ、ジュリーニ登場ですね。

というわけで、参上しました。

この演奏は、ベト7で最初か2番目に聞いた演奏です。
(ラインハルト・ペータース指揮N響と、どっちが先だったかな?)
発売後すぐにFMで放送されたのをカセットに録り、繰り返し聴いていました。
今も、もちろんお気に入りのひとつです。

彼の7番は、いろいろと思い出多く、国連でのライヴ(ウィーン響でしたか?)のTV放送とかベルリン・フィルとのFM放送とか、ありましたね。
スカラとの8曲も、それなりの味わいがあって、私は好きですよ。

投稿: 親父りゅう | 2012年12月 6日 (木) 17時47分

影の王子さん、こんばんは。
ロスフィルとの丹念なるエロイカは、素晴らしいですね。
わたしも5番とともに、レコード時代から愛聴しております。
ロス時代に、ベートーヴェンとブラームスは全部録音して欲しかったですね!

来日公演の映像があるのですか?
それは是非にも発売して欲しいですね。
ジュリーニの指揮は見てるだけでも感動しますから。

投稿: yokochan | 2012年12月 6日 (木) 22時16分

親父りゅうさん、こんばんは。
ラインハルト・ペータースの名前は懐かしいですね。
N響は渋いドイツ系をよく呼んでましたから。
ペーターズのショスタコ5番をよく覚えてます。

国連コンサートは、音がデットでしたが、普段見ることのできない思わぬ演奏家が映像でみることができて、いつも楽しみでした。
ジュリーニ、そうウィーン響でした、も懐かしく思い出します。
EMIとDGは制覇しましたが、スカラ座は今後の楽しみです。

投稿: yokochan | 2012年12月 6日 (木) 22時23分

私が行った1982年5月21日フェスティバルホールでの
「悲愴」と「第5」が朝日放送で放送されましたが
いまだソフト化されていません。
インタビューでジュリーニは
「よい演奏ではダメだ。よりよい演奏でなければ」
と言っていました。

投稿: 影の王子 | 2012年12月 7日 (金) 00時18分

影の王子さん、ご丁寧にありがとうございます。
82年の来日時ですか。
東京ではもしかした放送がなかったかもしれません。
ますます、映像化して欲しいです!
「よりよい演奏」わたしもどこかで呼んだことがありますが、いかにも求道的なジュリーニ、そのひとらしい言葉ですね。

投稿: yokochan | 2012年12月 8日 (土) 00時21分

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