ヴェルディ 「ラ・トラヴィアータ」 ああ、そはかの人か デセイ
銀座7丁目あたりのブルガリ。
まぁなんてゴージャスなんでしょう。
ことしの干支がビルを這ってますよ。
暮れに撮影しましたが、この交差点ではたくさんの人が撮影しておりました。
ヴェルディ 「ラ・トラヴィアータ」~ヴィオレッタのアリア
「ああ、そはかのひとか~花から花へ」
ヴィオレッタ:ナタリー・デセイ
アルフレート:ローベルト・アラーニャ
エヴェリーノ・ピド指揮 コンチェルト・ケルン
(2007.9 @ケルン)
ドイツのワーグナーと並ぶ、イタリアのオペラの大家ヴェルディ(1813~1901)。
今年生誕200年です。
オペラ作曲家として、その劇作品は26。
その作風と素材選びは年代とともに変化し、初期・中期・後期と大別できるヴェルディの創作スタイルを際立たせております。
そのあたりは、過去の記事でも何度もふれておりますが、アニバーサリーの今年、その記事も多くなるでしょうから大局的に触れていきたいとおもってます。
「ラ・トラヴィアータ」とは、「道を踏み外した女」の意で、オペラの原作、デュマの「椿姫」のタイトルとはまったく異なる意味であり、日本だけがずっとこの「椿姫」と呼んで夢見るような幻影をこのオペラに抱いてきたような気がする。
われわれ日本人にとって、花や草木の風物は思い入れ久しいものゆえ、「椿姫」という、いかにも儚いタイトルは、オペラのイメージとして定着しやすいものであったがゆえでしょうか。
もちろん、「椿姫」のタイトルのもと、これからも上演されることに異はありませんが、「トラヴィアータ」という言葉の持つ背景を理解したうえで接することも、このヴェルディのオペラの在り方を理解する大事なことにつながるでしょう。
オペラ演出もこのあたりを強めた、これまでの無難な演出から大きく踏み出した解釈がいまの主流になってきました。
ヴェルディが愛した女性が、父親の異なる子供を宿し、育てていた。
カトリック界では、もしかしたらあってしまうかもしれない。
妻泣きヴェルデイが愛した女性、その自分への戒めもあって、選んだこの「トラヴィアータ」の素材。
パリの高級娼婦が、純真熱情の青年との愛に目覚め、やがて身を引き、病で死んでゆく物語。
おバカなお金持ちの息子がまぶしい。
そして、権威をかさに着たその親父が鬱陶しい。
儚いヴィオレッタが愛おしい。
映画のようなドラマに、ヴェルディは、とてつもなく美しい旋律をつけました。
デセイの言葉の機微を完璧に歌い尽くしつつ、いたわしいほどの感情移入をみせる歌唱。
でも繊細で透明な歌声は、白痴美的な美しさを醸し出す。
この無意識かつ意識的な女優的な歌唱は、憎らしくも愛らしいのです。
あとここは、贅沢にも、ほんのチョイ役で、輝けるアラーニャ様ですよ。
ワーグナーに続き宣誓
今年は、ヴェルディの全オペラを制覇します。・・・(?)
音源が確保できる前提で。
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コメント
あけましておめでとうございます。今年のさまよえる様のブログを楽しく拝見させてください。時々このように勝手に書き込みもさせていただきますね^^
ナタリーデッセイ!ジャケットの段階ですで美人でいらっしゃる!めでたい^^学生時代にジェシーノーマンやカバリエを見せられてきた私たちには夢のような時代と言えます。
また、お相手がアラーニャ!めでたい^^演技派でありながらイケメンで美声の持ち主。なんか一つくらいわけてくれ!と叫びたいのは私だけ?
そうか。。。ヴェルディとワグナーを制覇する予定か。。私もなんか計画します。私の市内のラーメン店を制覇とか!全部ってなるとやっぱり何事も大変ですよね。
投稿: モナコ命 | 2013年1月 2日 (水) 17時47分
あけましておめでとうございます。
重鎮の腕時計はブルガリです(卍)。
投稿: リベラ33 | 2013年1月 3日 (木) 13時55分
モナコ命さん、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
ほんと、そうですよね。
70年代のあのビジュアル暗黒時代、耳だけで聴くオペラの時代だから許される体系でしたね・・・・
しかし、いまの男女大変です、超アップでデジタルで見られちゃうんですか。
ヴェルデイ制覇は早くも黄色信号ですが、がんばります。
今年も、楽しく、示唆に富んだコメントを是非ともお待ちしております。
投稿: yokochan | 2013年1月 3日 (木) 17時17分
リベラさん、あけましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
なんと、ゴージャス重鎮さまではございませぬか!
投稿: yokochan | 2013年1月 3日 (木) 17時19分