ストラヴィンスキー 「ペトルーシュカ」 ポリーニ
六本木けやき坂にある、ヴィトンのお店のウィンドウ。
ガラスにイルミネーションが映ってますよ。
ブランド品には縁はありませんが、冬のここ一帯の美しさは東京随一でしょう。
でも頭寒そう。人ごとじゃありませんから・・・・・・。
ストラヴィンスキー 「ペトルーシュカ」からの3章
Pf:マウリツィオ・ポリーニ
(1971.9 @ミュンヘン)
バレエ音楽「ペトルーシュカ」からのちにストラヴィンスキー自身によって、3つのシーンを選び出し、ピアノ作品としたもの。
原曲バレエもピアノの活躍が目立ち、録音によってはビッグネームがそのピアノを担当してたりもしております。
小澤盤のティルソン・トーマスや、デュトワ旧盤のヴァーシャリとか。
でも、こちらのピアノ版はオケ部分もピアノにそなまま転じているため、難解このうえないとされてまして、聴いててどうやって弾いてるんだろ的な箇所もいくつもあります。
そう、ピアノ1台で、それこそオーケストラを兼ねてるような。
「ロシアの踊り」
「ペトルーシュカの部屋」
「謝肉祭の市」
謝肉祭の場面の後半のピアノが活躍する「ロシアの踊り」から快活にスタート。
2章は、サーカス小屋の部屋で、悶々と、でもバレリーナへの憧れも。
だんだんと盛り上がり、ついに恋破れるさまの音の展開はまったくスゴイものです。
そして3章は、楽しいお祭りの様子。だんだんとピークの爆発に向かってゆくワクワク感はオーケストラ版に同じで、緩急と悲喜の対比はピアノ版の方がクッキリと明確。
そしてついにクライマックスに達し、ピアノ1台にこんなに興奮している自分を見出します。
急転直下のエンディングでは、ペトルーシュカの悲劇的な死をも思わせます。
それもこれも、このポリーニの超名演を聴くがゆえ。
この演奏はまじでスゴイ。
完璧という言葉が絵空ごとに感じてしまうくらいに、その上ゆく存在の演奏。
凄まじい技巧と、正確無比の強靱な打鍵。
硬質でありながら、しなやかで、音色も怜悧であり、明晰。
ショパンコンクール優勝後、しばらく現世から離れ、DGに電撃的にデビューした最初の1枚だと記憶します。
カップリングのプロコフィエフも戦争ソナタもクール極まりない名演でありました。
いやはや、久しぶりに、ポリーニのかつての本領を聴きました。
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コメント
こちらでは、お久し鰤でございます<(_ _)>。
これのCD,クラシック聴き始め半年頃にゲットしてましたが、ジャケデザインはポリーニの横顔2面。ご掲示のはLPのものでしょうかしら。ウェーベルンとブーレーズも入ってるので2LP分をまとめたCD鴨ですね。
この演奏には本当にブッタマゲました。恐ろしいほど速くて正確で冷徹で。でもうっとりするような美しさもあったり。当時(といっても6・7年前」ですが)、夢中になって聴いてました。今改めて聴いても、凄いな~~、と大いに感銘をうけております。
投稿: 左党 | 2013年2月 2日 (土) 23時15分
左党さん、こんばんは。
こいつは極めて素晴らしく、誰にも凌駕できない演奏ですね。
画像は、初出のLPのものです。
ご指摘のとおり、いまのCDは、ウェーベルンとブーレーズのソナタを含めた2LP分のお徳用盤ですが、ジャケットは国内LPとは異なるバージョンでした。
この曲に関しては、永遠に決定盤のような気がいたします!
投稿: yokochan | 2013年2月 3日 (日) 21時56分