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2013年4月25日 (木)

ストラヴィンスキー 「春の祭典」 ティルソン・トーマス指揮

Hirayama_6

千葉市の平山薬師です。

御利益多方面、ありがたきにゃんにゃんも手招き。

ほっとする場所です。

でも神様多すぎ。年中お祭り状態。

今日もハルサイ。

Mtt_stravinsky

ギラリ、じろじろ、ちょっとおっかないジャケットでした。

  ストラヴィンスキー バレエ音楽「春の祭典」

   マイケル・ティルソン・トーマス指揮 ボストン交響楽団

                     (1972.1 @ボストン)


わたくしにとって懐かしい「ハルサイ」の1枚。

RCAからDGに、ボストン響の録音主体が移行し、DGはほぼ初のアメリカ録音に嬉々として、首席のスタインバーグとの「惑星」や、アバドとのフランスもの、ロシアもの、ティルソン・トーマスとの「冬の日の幻想」、ドビュッシーなどの好録音を連発。
そんな中の実にナイスな音盤がこの「春の祭典」だった。

われらが小澤征爾は、73年からの音楽監督就任とベルリオーズ録音となるわけです。

このMTTのハルサイを初めて聴いたのが、レコード発売後のFM放送の録音で、中学3年のこと。
半年前くらいに、ブーレーズ、メータと聴いて、ハルサイに目覚めた中坊でした。
FMでもわかった、録音の鮮やかさとオケの雰囲気のよさと、抜群の巧さ。
しかし、このお目々のジャケットは、ちょっと好きくなかった。
でもノリのいい演奏はやたらとカッコよかった。

アバドのハルサイが飛来するのは、この3年あと。

しかし、中坊によくあること。
虫歯がひどくて、ともかく毎日歯が痛かった。
歯医者が嫌いで我慢してた。
悪友が、ウイスキーで患部を湿らせ麻痺させるといい、というものだから、親の目を盗んで、父親のホワイトニッカや、時には贅沢にもジョニ黒を盗み飲みした。
そりゃ、麻痺しますぜ、歯も、脳裏も、感覚も。
歯が微妙に痛くって、ちょっと朦朧として、ラリった状態で聴く「MTTのハルサイ」は最高だったぜぇ~
いまはもう時効でいいんですよねぇ、お客さん。

CD化されて、大人の耳で聴いてみた。
そしたらなんて、スポーティなハルサイなんだろ。
かっけえぇ~んです。
リズム感抜群、弾みも抜群、ビートが効いて、ちょっとそこまで的な軽さもあって、思わずロックなのりで、からだをゆすってしまいたくなるんです。
古臭い表現だけど、いぇ~イ、最高だぜ~って言いたくなっちゃうんです。
この刻みの軽さと、難なく進行するこだわりのなさ。

バーバリズムとは遠いところで、ナウなヤング(笑)の迫力ある音楽をしでかした当時のMTTはめちゃくちゃカッコいい兄ちゃんなのです。
へんな大人びた演奏や、クールな演奏、デフォルメチックな演奏よりは、ずっとビートの効いた若者音楽だと思うんですよ。
サンフランシスコとの再録は実は聴いたことがないのですが、MTTの音楽はそんなに変わっていない明確でわかりやすいものだと思います。

ヨーロピアンな大人のボストン響が、アメリカンなことも充分にわかるこの録音。
わたくしの大切なハルサイの1枚です。

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コメント

よこちゃん殿、ハルサイ後の宴にて良いお酒いっぱい(一杯じゃないっすよ)飲みましたか?…多分、催されたのだろうなと予想のもと文章書いてます…
今、TBSの金スマで佐村河内さんの特番 見て泣いてます。。。NHKとはまた違った作り方で再現ドラマでご両親や弟さんとのエピソードも多く紹介され、守さんへのインタビューもSMAPの稲垣君がやった事であまり堅苦しさがなくて良かったですね。 最後に大友&東響の第三楽章の生演奏まであり鼻水も大量発生ですよ、もう…よこちゃんさま、今日の特番記事にしてませんがご存じではなかったとか? 私もたまたま新聞のテレビ欄で知ったのですが。。。
これでまた佐村河内音楽が広がっていきますね。嬉しいけれどなんだか…ちょっと(はぁ) 上手く言えない気持ち。


投稿: ONE ON ONE | 2013年4月26日 (金) 22時12分

ONE ON ONEさん、こんにちは。
ハルサイ後、気分よろしく、大沈没でございました。

金スマ情報はキャッチしてましたので、ビデオ撮りしてました。
ご自身の本をベースにしたドラマ仕立ての展開に、驚きのご本家の登場による演奏。
わかりやすい視点での仕上げで、佐村河内さんの苦行ばかりが浮き立ってしまい、それがまた変な色もの風にならなくてはいいと思わせる結果になりそうです。
おっしゃるように、氏の音楽が多く広まるのはうれしいのですが、はっきりいって複雑な心境です。

投稿: yokochan | 2013年4月28日 (日) 10時34分

初出時のLPでお持ちですか。凄いですね。愚生がこの演奏を持って知った時は、ポリドールからMGW規格の1300円盤『グラモフォン-スペシャル』シリーズに、編入されておりました。先日送信させて戴きました、小澤&BSOのラヴェル集と同じくペンタトーン-レーベルでCD化され、現時点では比較的入手しやすく、何よりです(笑)。

投稿: 覆面吾郎 | 2019年6月 8日 (土) 11時45分

このジャケットは怖かったですが、MTTのキレのよい指揮と、ボストンの優秀さは、いまでも新鮮ですね。

投稿: yokochan | 2019年6月20日 (木) 08時29分

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