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2013年4月24日 (水)

ブーレーズ、ストラヴィンスキー、神奈川フィル定期 アバド指揮

Rainbowbridje

首都高に乗らずに、レインボーブリッジの下の一般道を疾走する、さまよえるクラヲタ人。

右手は、ゆりかもめの路線、もう少し行くと、歩道も左側に出てきて、人間が歩いてる。

下は、そのまま東京湾。

BGMは、佐村河内交響曲。

なんか生きてるなぁ、って存在感を味わえるシテュエーション。

神奈川フィルの新シーズン幕開け定期。

  ブーレーズ       「ノスタシオン」 Ⅰ~Ⅳ

  ストラヴィンスキー  バレエ組曲「火の鳥」

                バレエ音楽「春の祭典」

    金 聖響 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

            4月26日(金) 19:00 みなとみらいホール 



意欲的なプログラムでスタートする新シーズン開始が迫ってきました。

この3曲をCDで聴ける指揮者は、作者のブーレーズと、わが敬愛するアバドのふたりのみです。

今日は、アバドの指揮にて、コンサート先行体感をしてみました。

Wien_modern_abbado

アバドが、ウィーン国立歌劇場音楽監督時代、ウィーン市からもウィーンの音楽指導者的な立場にもなっていて、現代音楽の啓蒙活動にも力をいれておりました。
「ウィーン・モデルン」という音楽祭も開催して、その成果としてコンサートのライブ音源が4枚残されました。
その第一弾がこちらで、ブーレーズの「ノスタシオン」が最後に収録されました。
過激な現代音楽の旗手としてスタートしたブーレーズは、いまでは指揮者としてもすっかり超円熟の大家となり、その音楽作りも丸くなりましたが、1945年に書かれた20歳の頃のピアノのための12曲の小品を原曲として、1978年に4つの部分をオーケストラ化した「ノスタシオン」は、シビアで鋭利な、感覚的かつ突き放されるような音楽なのです。

ダイナミックレンジは広大で、打楽器の多用によるリズミカルかつ劇的な要素が印象的な一方、木管を中心にした色彩的な鮮やかさも耳を惹きます。
メシアンに通じるものがありますし、打楽器の効果は日本の作曲家にもその流れを汲むことができるような思いがします。

アバドの劇的な指揮は、ウィーンフィルという濃い色のオケから驚きのサウンドを引き出してます。
演奏会の最後の曲だったという点でも音楽の盛り上がり方では尋常でないものがあります。

Salzburg_1_5

一方で、ブーレーズの自演ライブ盤は、若いマーラー・オケを指揮しながら、クールなタッチで、完璧きわまりないアンサンブルのもとになりたっているように感じます。
これは演奏会の前半の演目で、このライブ盤のコンサートの最後の演目が「春の祭典」だったところがまた面白いところです。

Abbado_fire_bird_2

アバドの「火の鳥」は、1972年の録音だったと記憶しますが、レコード聴いて、こんなに鮮やかに明快な演奏はないとびっくりした記憶があります。
高校時代のことでした。
ウィーンフィルと来日したアバドを、オケに乗っかって指揮してるだけとの酷評を受け、一番よかったのはアンコールのウェーヴェルンだけだ、などとけなされ、ファンのわたくしは大いに憤慨しまくりました。
その後のストラヴィンスキーやマーラーに、さしもの評論家筋もびっくりし、ごめんなさい再評価をしたときは、晴々とした気持ちになったもんです。
この駿馬のような鮮やかな身のこなし、小回り感抜群のオーケストラドライブ。
どこまでも飛翔する煌めく火の鳥の姿がここにあります。
抒情性も忘れてません。
かつて、アバドがこのロンドン響と来日したときに、わたくしはその公演すべてを聴きましたが、「火の鳥」は、「巨人」と合わせまして、昭和女子大人見記念講堂で演奏されました。
テレビ放送もあったかと思います。
カッコよかった。
当然にわたしのまわりは、女子大生が多かったheart01
わたくしもまだ若かった。
「王女たちのロンド」で、気持ちよく眠りに入った彼女たちは、「カスチェイの踊り」の凶暴な大和音によってびっくり仰天、そのやすらかな眠りを妨げられるのでした。
いまでも覚えてますよ、彼女たちが、体をビクッとさせて驚くカワイイお姿を(笑)。
アバドの演奏の当時の特徴は、弱音をともかく抑えて、しかもそこで歌うという芸当でして、音楽はいやがうえにも緊張感と美しさが高まるのでした。

 「アバドの火の鳥」過去記事

Abbado_ec_mahaler_jugend

もうひとつ、アバドには、ECユースオケという若者軍団を振った「火の鳥」音源がありまして、こちらは78年のザルツブルクライブです。
こちらは、ライブということもあり、熱気と盛り上がりにあふれたエモーショナルな演奏で、若者好きのアバドと、兄貴のように慕うメンバーたちが、青空にぶっとぶ俊足火の鳥を再現してしまった好演です。
 ベルリンフィル、ルツェルンとのライブDVDは残念ながらまだ未視聴です。

Abbdo_le_sacre_printmps_2

アバドの音源のなかで、もっとも好きなもののひとつ。
ロンドン交響楽団を手足のように乗りこなし、鼻歌まじりに軽々と「ハルサイ」しちゃうアバド。
前にも書きましたが、まるでロッシーニのように歌いまくり、クレッシェンド決めまくり、鮮やかに着地し、すべての局面で芸術点技術点最高位を軽々と出しまくる、の、そんな演奏。
75年の録音。翌年即入手。毎日聴きまくり。レコ芸の広告は「アバドに撃たれた」の過激広告。

いまでも、わたしの中で色あせない青春のハルサイなのだ。

このスピード感と歌謡性にあふれた軽やかなハルサイに追いつく演奏は自分のなかではありませぬ。
このあと出たムーティやシャイーもこの演奏の延長上にあるものだった。

いま別に新たな感覚でわたくしを唸らせる演奏は、ヤンソンスの覇気にあふれたオスロ盤、サロ様のフィルハーモニア盤とロスフィル盤、ブーレーズのフランス盤と旧クリーヴランド盤、MTT&ボストン盤、ハイティンク&LPO盤、デイヴィス&ACO盤。
こんな感じに集約されてきてます。

アバドには非正規盤ですが、LSOとのザルツブルクライブもあります。
これはまた別な次元でぶっ飛び級ですよ。

さて、存続が決まった、やるき満々の神奈川フィルの「ハルサイ」、いかにわたしの耳と心を射抜いてくれますでしょうか!
今回ばかりは、ワタクシの血圧あげてちょーだい。

「アバドのハルサイ、70年代乱れ聴き」過去記事

「アバドのストラヴィンスキー」

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コメント

  お早うございます。待ちかねた演奏会、いよいよ明日になりましたね。ブログ主様と共通の話題が欲しいと思い、件の演奏会に新潟から参戦することこそできないものの、演奏会の曲目を聴いてみました。でもブーレーズの曲は全く聴いたことがないのです。ル・マルト・サン・メートルのような代表作でさえ。指揮者ブーレーズのCDやDVDなら沢山持っているのですが。若いころの厳しい指揮ぶりも最近の優しい演奏も素晴らしいですよね。ブーレーズのバイロイト・リングのDVDは宝物です。指揮者ブーレーズとアバドのレパートリーの広さと解釈の素晴らしさにはいつものことながら脱帽です。アバドやメータを無能呼ばわりする人たちって彼らの演奏を大して沢山聴いていない人が多いですよね。
 ブーレーズの曲だけはCDが無くて聴けないもののストラヴィンスキーの曲はせめて聴きたいと思い、セルとクリーヴランドの組曲版火の鳥(1919年版)とドラティ指揮デトロイトの春祭を聴きました。カスチェイの凶暴な踊りなんか最高ですね。ましてや演奏は厳格巨匠セルと名技集団クリーヴランドです。火の鳥の組曲版はブーレーズ指揮BBC響、セル、ストラ自演盤などが好きです。全曲盤ならサロネン指揮フィルハーモニアとストラ自演盤ですね。ブログ主様は春祭のCDも沢山お持ちですよね。ツキイチ幻想の次は、ツキイチ春祭なんてのはいかがでしょうか(笑)。

投稿: 越後のオックス | 2013年4月25日 (木) 08時32分

よこちゃん殿。 ベイ、オレンジ軍団に3タコじゃないですか!昨日の試合は途中で見るの止めましたぜ(泣) 何故勝てぬ。。。スワローズもビリっけつだし…G軍団勝率8割強っていったい…↓↓↓

ま、この話はここまでにして明日のハルサイ、楽しんで来て下さいね!

投稿: ONE ON ONE | 2013年4月25日 (木) 22時09分

越後オックスさん、こんばんは。
ブーレーズの曲は、なかなか難物ですが、同時期の現代音楽の流れにちゃんと乗っているので、意外と効きやすいです。しかしながら、サンメートルとリチュエル、ソナタ、ノスタシンぐらいしか聴いたことないですが。
ともかく耳の恐ろしくいい人ですね。
アバドも然りです。

セルとドラティのハンガリー兄弟のストラヴィンスキーはいいですね。ブーレーズの尻切れトンボ的なBBC盤の鋭さは他に並ぶものがないですし、サロネンのかっこよさも最高です。
ハルサイは、わたし的には70年代で終わってまして、昨今のよりすぐれた音盤はほとんど持ってないんです。
古い男ですからして。
ツキイチ企画は、まだまだ幻想の余地はあるんですが、次はまた違う曲を夢想してます。(いまは秘密です~笑)

投稿: yokochan | 2013年4月25日 (木) 23時49分

ONE ON ONEさん、こんばんは。
おぉ~、そーなのですよーー。
虚Gに負けるほど悔しくも憎ったらしいことはありませんぜぃ。
でも中日(なかび)を除けば、以前の負け具合とは比較にならないほど、ちょっといい気分。
しかし、すべてがうまく運ぶあのク○ったれ軍団には、本当に頭にきます。
5球団でうまく阻止していかないと、セリーグが死んでしまいます。
そんな、プチお怒りモードで、血圧アップでハルサイしてきます。
ありがとうございます。

投稿: yokochan | 2013年4月25日 (木) 23時56分

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