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2013年4月29日 (月)

無題 大ブレイクについて

Verde_4

家の近くに咲いた、「雪柳」。

たわわに咲き、柳のようにしだれた趣きと、白い花とが青空に映えて、とても美しいのでした。

Nhk3

わたくしも鑑賞しました、去る2月25日の東京芸術劇場での、佐村河内守、交響曲第1番「HIROSHIMA」。

NHKで全曲放送がされました。

本放送を見逃し、録画にも失敗するという大失態をおかしましたが、ありがたいことに、オンデマンド放送にて、本日パソコンを通じての視聴がかないました。

ホールのライブ感と、音圧とエモーショナルなまでの空気感は、さすがに実演のあの場には敵いませんでしたが、、この場面はオーケストラの奏者がこんなふうに演奏している、あの大音響や、感動的な旋律はこのように奏でられている、さらに指揮者大友さんは、このように振り分けている・・・・・、そんな風な思いが目の当たりにできる喜び。

いつもCD音源で聴いてるこの大作が、また親しく近くに、感動的に響きました。

佐村河内さんのことは、先日、民放でも、しかもスマップが仕切る番組「金スマ」でも、再現ドラマ仕立てで特集が組まれました。
そして、サモンプロモーションが大規模な全国ツアーを企画。
しかも指揮者は、ある意味人気指揮者の金聖響。

こうした一連の急ともいえる動静に不安を覚えるのも事実です。

わたくしなどより、ずっと前から、佐村河内さんの音楽に着目して聴き続けてきた方々は、わたくしよりもっと多くそんな感情をお持ちなのではないでしょうか。

いろんなレッテルが上書きされ、さらに氏の身体的苦難や、厳しい苦行ともいえる人生ばかりが先行し、肝心のその音楽は後回し。
しかも、たしかに感動的で聴きどころの最終局面のみをこれでもかとばかりに・・・。

しかし、こうして、この作曲家、この音楽に興味を抱いていただいた方々が、ますます増えていくこと、そしてもしかしたら、クラシックのコンサートに足を運ぶようになること。
そんな流れは、とても喜ばしくうれしく思います。

ですからこそ、佐村河内さんの音楽を、交響曲第1番を、色眼鏡を外して、自分の耳で、心で、しっかりと聴いていただきたいと思います。
長い作品ですから、最後の感動の輝きまでは、最初は苦痛に思われるでしょう。
しかし、その道のりをしっかりと聴くこと、すなわち、苦しみを受け入れ、同感することで、この音楽への共感が大いに増します。
佐村河内さんの気持ちはそんなところにあるのではないでしょうか。

「暗闇の先に見える小さな光」を受け止めることができるような聴き方をしていただきたいと思います。
そして無用に、騒ぎ立てることなく、粛々と聴いていただきたいです。

今後の作曲活動にも静かに期待したいです。

ですから、いま思いはそれだけです。

※本記事は、執筆当時のままにつき、事実と異なる内容が多く含まれております。

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コメント

全く悩ましいことだと思います。
貴重な才能を目先の利益のために消費してしまうと言うことにならないように願いたいです。
この作品のみならず、今後佐村河内さんの望まない委嘱などが殺到して、それこそ彼そのものをムダにすり減らしてしまわないことを心から祈りたいです。

投稿: yurikamome122 | 2013年4月30日 (火) 06時28分

yurikamomeさん、ご同感いただきありがとうございます。
日本のクラシック業界の問題点の一面だと思います。
長く静かに、じっくりと、ということが何故できないのでしょうね。
ご指摘のように、氏には静かに、本当にご自身が書きたい音楽にじっくり取り組んでいただきたいと思います。

投稿: yokochan | 2013年4月30日 (火) 10時46分

こんばんは。そういえば「第九は最後の楽章だけで、それまでのオマケは退屈ね」と、
中学のときの女性の音楽の先生がのたまっていらしたことを思い出しました(笑)

簡潔な文章の中にyokochanさんの深い思いの心中、お察しいたします。
以前より「コマーシャリズム」とご指摘・懸念されていたこともありますが、
芸術という効能が大きくなるに従って、いろいろな副作用が発現してきていると感じます。

「聴く方」は、日本の聴衆は以前より評価(:お行儀)は良かったはずですので、
新しいファンの方はライブでのマナーを覚えていっていただければと思います。

問題は「届ける方」。
全般的にCDが売れなくなってきている状況の中での大きな商機というのは理解しています。
しかし8月のミューザは、レクイエムの初演があり作曲者にも会える「プラチナシート」と確信し、
「東京全曲初演」会場での先行申し込みでしっかり予約しました。そして当然のように完売に。

ところがところが、、、、今回の大ブレイクにのっかって「8月17日追加公演決定!」

んっ?8月17日?→そうです、レクイエム初演「前日」という「大暴挙」なのです。
(「リハに会場とってあるから客入れちゃえっ」てなったってコトは想像に難しくありません。)


クラシック音楽の初演における歴史認識を、どのように考えていらっしゃるのでしょうか、
今回主催の老舗レコード会社さんは?(怒)

(「一連の初演演奏会です」とか関係者は言ってましたが、)
レクイエム弦楽合奏版の初演年月日を100年後に調べてみてください!(笑)
(佐村河内先生!会場お立ち会いは18日にもお願いしますね!)

投稿: ハマの水平 | 2013年5月 1日 (水) 01時54分

NHK放送、見ました。泣きました。言うことないです。本当にすごいです。今までの演奏家や作曲者には「カッコイイです」とか「ステキです」という感想や感覚でした。でも佐村河内さんの本物性の前では、すごいですって表現しか思い浮かびません。すごいです。泣きました。

投稿: モナコ命 | 2013年5月 1日 (水) 21時33分

ハマの水平さん、こんばんは。
確かに、第9にもにて、最後までじっと我慢。
それが出来るのが、日本のわれわれ聴衆。
そうして、聴きなれるうちに、全曲も見えてくる。
いろいろ心配ですが、こと、聴衆・聴き手に関しては不安は危惧かもしれません。

で、ご指摘のもう一方。
言われるまで気がつかなったのですが、わたしも必死こいて18日のチケットの入手しましたが、ほどなく追加公演。確かにわたしたちの部は日曜でしたから、土曜日前日が追加公演なのですね・・・・。
こんな遡りの追加公演なんてありはしませんね、ふつうは。
考えたら、だんだんと腹がたってきました。
何のための、2月公演を聴いた人への先行発売だったのでしょうか!
ちょっと待てば、サモンの異常なくらいの数のツアー。
完全に踊らされている自分たち。
ほんとうに腹がたちますし、第一、佐村河内さんをもしかしたら、2日も連続担ぎ出すことになるわけで、氏の体調を考えたら軽々しいことですよ。

すいません、わたくしも、日頃の憤懣が爆発してしまいました。
よってたかって・・・、という言葉は悪いかもしれませんが、もう少し静かにしてあげて欲しいですよ。

強きお言葉、ありがとうございました。

投稿: yokochan | 2013年5月 1日 (水) 23時25分

モナコ命さん、こんばんは。
NHKの全曲放送ご覧になられましたか。
あの70分をずばり放送するなんて、本当に画期的なことをしてくれました。
まんじりともせずに、わたしもあのホールで、そして先日はパソコンの前で集中して聴きました。

モナコ命さんの、心からのご感想。
それが一番です。
それこそが音楽を聴くということですね。
あれこれ考えすぎかもしれません・・・。

仙台での公演はありますが、秋田でもいつか鳴り響くこと、お祈りしてます!

投稿: yokochan | 2013年5月 1日 (水) 23時39分

Nスペで拝見して以来、虜になりました。
毎日拝聴しても飽きることがありません。
もともと3Bとマーラー好きなので、寸分の狂いなく私の魂に入りました。

昨日、鎌倉散策に行きました。
たまたま入った蕎麦カフェ「星音-ほしのおと-」
店内にさりげなく置いてあった、かのCD。
ご主人は、売り出しはじめより注目されておられたそうです。

柔らかな採光と外の緑、BGMのバッハも心地よく・・・
美味しいお蕎麦をいただきながらの
気持ちよい一日となりました。
鎌倉に行かれる機会がありましたら、ぜひ立ち寄られてはいかがでしょうか。
竹林で有名な報国寺近くです。

投稿: いるか | 2013年5月 2日 (木) 09時52分

いるかさん、こんにちは。
またこうして、佐村河内音楽の信望者がおひとり。
うれしいです。
そして、的確なご判断にございます。

鎌倉の「星音」の情報もありがとうございます。
神奈川育ちですが、東海道線で動いていると、鎌倉にはなかなか出向くことが少なかったです。
もしかしたら高校は鎌倉だった可能性もあり、由縁のある地ですので、是非にうかがってみたいと思います。
バッハとお蕎麦。
それも佐村河内さんをお聴きのご店主とあればなおのことです。
ご案内、どうもありがとうございます。

投稿: yokochan | 2013年5月 3日 (金) 00時04分

佐村河内がヘミングと辻井の弾く二台ピアノのための曲を書いたらいい。儲かるよ。たぶん、そういう企画はもう上がってるだろう。――日本の音楽界はこうして腐る…

投稿: 小澤 | 2013年5月12日 (日) 12時09分

小澤さん、コメントありがとうございます。
日本の音楽界の一面、ご指摘のとおりです。

氏はきっと、そんなことも充分にわかっているのではないかと思います。
散々辛苦をなめてきた方ですからして。

シンフォニストとしての目標のひとまずの通過点として、とらえ、次をしっかり見据えているのではないかと思いますし、わたしはそう確信したいです。

投稿: yokochan | 2013年5月12日 (日) 23時09分

「ピアノソナタ第二番」の新作発表会に行ってきました。
メッセージ性の強い曲、
また魂をもっていかれました。
ソン・ヨルムさんの超絶技巧の演奏にも
度肝を抜きました。

マスコミもいっぱいでした。
今晩のNHKニュース9では、
少し聴くことができるのではと思います。
ツアーと10月発売予定のCDが楽しみです。

帰りの握手会では、
ふかふかした手のひらとお人柄あふれるお言葉、
感激しております。

投稿: いるか | 2013年6月13日 (木) 18時14分

いるかさん、こんにちは。
今宵、NHKを見ました。
発表会のことはまったく知りませんでした、うかつでした。
NHKの描き方、また大越さんとの対談も、とても胸に沁みる内容でしたね。
氏と握手されたとのこと、とても素晴らしい体験をなさいました。
われわれ聴き手も、佐村河内さんに力を与えることができるわけですから、ますます応援しなくてはなりませんね。
コンサートの予約を入れましたが取れますかどうか・・・

コメントどうもありがとうございました。

投稿: yokocahan | 2013年6月13日 (木) 22時46分

昨日、池袋の昼公演に行ってきました。

聴きこみ過ぎているCD、
はじめは戸惑いも感じましたが、
ほどなくアニシモフ氏の世界に入りました。

やはり、特筆すべきは
三楽章のクラッシュ、クラッシュ、クラッシュ!
天上の音楽からの圧巻のフィニッシュ!

氏の登場でさらに会場は盛り上がり、
気づけば人生初の「ブラボー!!」
声が心に届いたことを祈って。

・・・また魂をもっていかれました。
友人は腰が抜けたそうです。


投稿: いるか | 2013年7月 7日 (日) 20時53分

いるかさん、こんばんは。
コンサートの様子と、その感動をさっそくお伝えくださり、ありがとうございます。
1日に、2公演というのも、オーケストラにとっては大変でしょうね。
しかし、指揮者ととともに、回を重ねて、また大友さんや秋山さんらとも異なる佐村河内世界を築いてゆくことになるのでしょうね。

>人生初のブラボー<

お気持ちは、いたいほどよくわかります。
ただでさえ、感動しているのに、作者の姿を拝見するとそういう熱い思いになりますね!

ちなみに、わたくしは、21日の横浜です。
そのあと、8月の大友さん、そしてピアノソナタのコンサートもとれました。
興奮が徐々に高まっております。

ありがとうございました。

投稿: yokochan | 2013年7月 8日 (月) 00時43分

Yokochan師匠、このコーナーかなり盛り上がっていますね。FBでお伝えした通り、7/6(昼)の公演は、僕にとっては一生忘れられない体験となりました。いるかさんが、「友達が腰を抜かした」と書いておられましたが、全く僕もそんな感じでした。その後大きな力を貰った感じで、我ながら張り切ってやってます。Yokochan師匠はコンサートの予定がいっぱいあって、とっても羨ましいです。また感想楽しみにしています!

投稿: 山元 光 | 2013年7月10日 (水) 21時39分

山元さん、こちらにもありがとうございます。
全国ツアーが始まり、おかげ様で、こちらや、FBの方で、各地の模様を伝えてくださる皆さまがいらっしゃって、とても嬉しいです。
やはり、ライブで聴くこの音楽は、おおいなる体験となりますね。
1度じゃなくて、また次も聴きたくなる。
CDとは違う、そんな願望も生まれる音楽。
聴くたびに違う思いと発見もあると思います。
次週が楽しみです。
しかも愛する神奈川フィルですからして!

投稿: yokochan | 2013年7月11日 (木) 23時48分

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