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2013年4月15日 (月)

シベリウス 交響曲第7番 コリン・デイヴィスを偲んで

C_davis
                    (by London Symohony)

サー・コリン・デイヴィスが、4月14日に亡くなりました。

享年85歳。いつも欧州と米国を往来しつつ、安定した熟練の指揮ぶりを各地の情報から拝見していて、つねに現役、つねに健在と思いこんでいました。

でも、昨年あたりはキャンセルが多くなって病気だとの報も得ていて、少しばかり不安を持っておりましたが、やはりかかる仕儀に・・・・・。

LSOのホームページから拝借して画像を作成しました。

プレヴィン・アバド・MTT、その前からずっと半世紀にわたって薫陶を捧げてきたLSO。
同楽団のスーパーぶりは、このサー・コリンの存在があってのものです。

デイヴィスがかかわった各国のオーケストラの数々で、偉大な音楽監督の後を引き継ぎ、高水準を維持したり、監督不在をカヴァーしたりと、オーケストラ・ビルダー的な職人技を披歴したものです。
LSOがその代表ですが、BBC、コンセルトヘボウ、ボストン、ニューヨーク、バイエルン、ドレスデンなどなどです。
それはまた、オペラにおける豊富な経験も背景にあって、発揮される力だと思われますし、オペラの方でも、コヴェントガーデンの黄金時代はデイヴィスから始まって、ハイティンク、パッパーノといまに続いています。

英国の生んだ指揮者として、サー・コリンは間違いなく、もっとも偉大な指揮者です。

Sibelius_davis_1

   シベリウス   交響曲第7番

    サー・コリン・デイヴィス指揮 ボストン交響楽団

                   (1975 @ボストン)


私が買った最初のデイヴィスのレコード。

ボストン響は、RCAからDGに専属が移り、アバド、MTT、小澤と旬の指揮者とのレコーデイングが次々とDGから出て、一枚河がむけたかのような鮮やかで、明るいヨーロピアンサウンドを聴かせてイメージ刷新していた70年代前半。
それがフィリップスレーベルにも登場したのが、このデイヴィスとのシベリウスシリーズの最初の1枚。
すぐさま買いました。
ターンテーブルに乗せました。
そして、驚いたのはその音塊の重さ。
一瞬、またヴェールを1枚かぶってしまったかのような腰の重さ。
しかし、何度も聴き進むと、シベリウスはこうでなくてはならないと思うようになっていきました。
重さととともに、ボストンの高性能の木管と、突き抜けるような弦が、そこから垣間見えるようになり、やがてじっくりと歩む音楽の中に、そうした響きがきらりと光って感じられるようになってきました。
英国と北欧に共通するどんより感と、そこを突き抜けんとする光。
デイヴィスとボストンのシベリウスには、そうした要素がしっかりと組みこまれていたのです。
ムンクの絵をあしらったジャケットも、とてもすばらしくて、1枚1枚を集めてゆく喜びが、いやでも増してゆくのでした。

この頃のデイヴィスの話で、「シベリウスでは5番が好き、でも7番が一番好きだな。
なぜって、一番短いからさ」。

シベリウスのすべてが簡潔なまでに、そしてかつ、濃厚に凝縮された7番。
この曲が持つ、じわじわと熱くなる情熱の噴出と、澄み切った清涼感、感動の高揚感。
いずれも、このデイヴィス盤は最高です。
バルビローリとベルグルンドと並んで、この曲最高の演奏だと思ってます。

のちに、デイヴィスはLSOと2回、全集録音してますが、このボストン盤が一番好きです。

広大なレパートリーを持った、サー・コリン・デイヴィス。
あと数回追悼記事を書きたいと思います。

サー・コリン・デイヴィスの魂が安らかたらんこと、お祈りもうしあげます。

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コメント

C・ディビス、亡くなったんですね。初めて知りました。ショックです。大学生の頃にアムステルダムと録音した「春の祭典」が出され、とっても話題になったことが昨日のようです。コベントガーデンと一緒に来日してカレラス&カバリエで聞いた「トスカ」が私の最初のトスカ経験でした。「若手の指揮者」と当時紹介されていました。ご紹介の演奏は未聴です。聴いてみたいと思います。今夜は学生時代「エアチェック」したトスカを聴いて、一人でお通夜をします。悲しいな-。。。。

投稿: モナコ命 | 2013年4月16日 (火) 19時21分

 今晩は。大デイヴィスが亡くなられたのですね。ブログ主様、悲しい心中、お察しいたします。
ヒコックスさんの時と同じぐらいショックを受けておられるであろうことはウルトラ無神経人間と周りから言われてきた私でも容易に想像できます。
 井上靖先生、辻邦生先生、司馬遼太郎さん、北杜夫さん、栗本薫さん、中村真一郎先生の時の私に匹敵するほどの衝撃を受けておられますよね。英国音楽と英国指揮者を誰よりも愛しておられるブログ主様のことですから。
 本当に英国指揮者の中で一番偉大な方でした。シンフォニーもオペラもこなすレパートリーの広さ、解釈の素晴らしさは天下一品でした。
 一回だけですが新潟で大デイヴィス卿指揮ロンドン響のライブ、オール・シベリウスの音楽会が聴けたことを誇りに思います。ドレスデンを指揮したベルリオーズ・レクイエムの大名演で一人お通夜をいたします。
 デイヴィス様、安らかに…

投稿: 越後のオックス | 2013年4月16日 (火) 20時12分

モナコ命さん、こんばんは。
昨日の朝、FBでの仲間の方々の情報で知りました。
予見はあったのですが、びっくりです。
あのハルサイは、堂々としていて、居ずまいの正しい素晴らしい演奏でしたね。
で、「トスカ」!
実演を聴かれたのですね。
わたしにも、当時のカバリエとカレーラスという美声でもって、鮮烈な思い出です。
追悼記事にする予定です。
CDも、エアチェック音源も大事なトスカのひとつです。

悲しいですが、今日はまた喜びの報がはいり、ややこしい心境です。

投稿: yokochan | 2013年4月16日 (火) 22時25分

越後のオックスさん、こんばんは。
正直、この報を聴いた昨朝はショックでした。
膨大なサー・コリンの残した音源を、あれこれ思い浮かべると、まだまだこの人の大きな芸風に行きあたってないことも感じ、さらにショックだったのは昨晩、このシベリウスを聴いたときです。
広大なレパートリーを、英国出身のデイヴィスしかなしえないような演奏で成し遂げるという、ある意味普遍的な音楽再現。
こんなマルチな指揮者はいなかったと思います。
もう少し、LSOシリーズを聴きたかったですね。
ブルックナーやマーラー、ブリテンを。
追悼記事は、一方の喜びの報のあと、また取り上げようと思ってます。

投稿: yokochan | 2013年4月16日 (火) 22時31分

いえいえ、FM放送でトスカを聴いたのです。田舎住ですので実演を聴く機会はありませんでした。でも、次々心を寄せる演奏家が亡くなっていきます。私の順番もだんだん近づいてきてるなあという実感があります。

投稿: モナコ命 | 2013年4月17日 (水) 12時12分

モナコ命さん、どうもです。
わたしも当時は、貧乏学生で、オペラなんて高値の華でしたから、FM録音に徹してました。
少し前の、カラスがキャンセルした巨漢カバリエと共通する舞台のひとつです。
だんだんと、その日に備える潔さも必要になってきます毎日です。一緒です。

投稿: yokochan | 2013年4月17日 (水) 21時47分

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