ワーグナー アメリカ100年祭大行進曲 ヤノフスキ指揮
スカイツリーに一番近づいたときの画像を出しておきます。
始終、いろんなところから見てるけれど、なかなか近づくことはないもんです。
いつかは、上に行ってみたいけれど、それはいつかはわかりません。
しかしデカイ。写真撮りにくい。
ワーグナー
アメリカ合衆国独立宣言100年祭のための大祝典行進曲
マレク・ヤノフスキ指揮 ロンドン交響楽団
(1972.1 @アビーロードスタジオ、ロンドン)
いかにも大掛かり、大言壮語的な巨大なタイトル。
ワーグナーらしくもあり、思わずニンマリしてしまいます。
この曲は、1876年のアメリカ建国100年記念祭のオープニングのためにと、委嘱を受けて作曲された大オーケストラのためのにぎにぎしい行進曲であります。
1876年といえば、ワーグナーは「ニーベリングの指環」をすでに完成させ、苦心惨憺、ルートヴィヒ国王の援助(というかバイエルン国の国庫負担)を得て建造された、バイロイト祝祭劇場の開場の年であります。
4部作という途方もない楽劇を作ってしまい、自分の作品専用劇場でないと上演できないと思いこんだワーグナーと、そこに資金をつぎ込んだルートヴィヒ国王は、思えばムチャクチャな人たちであります。
でも、われわれファンは、かの王様には感謝しなくてはなりませぬね。
話はそれましたが、ワーグナーがやぶから棒にアメリカのために大行進曲を書いたのは、要はお金が目当てだったわけで、リングの上演経費、劇場の運用費などなど、少しでも集めたかったわけなのですね。
さらに、イタリア旅行と翌年から着手する「パルシファル」のこともありましたから。
曲は、手持ちのヤノフスキ盤のタイムが13分16秒。
この手の音楽としては、少し長すぎで、壮大ぶっていて、少しばかり辟易としてくるのも事実。
どこをとっても、ワーグナーそのものではありますが、楽劇の世界の強烈な個性というものはここでは見当たりません。
平易で、聴きやすいもの、そして盛り上がり的に効果があがるものを意識して書いたのでしょう。そこがむしろイマイチ感を呼んでまして、単調な雰囲気に落ち込んでいるように思います。
過去作から、威勢のいい場面を引っ張り出してきて、少し姿を変えている箇所もいくつかあり、ファンとしてはむしろ、そうしたところを発見する楽しみもありました。
「リエンツィ」の行進曲、「トリスタン」のマルケ王のもとへの到着の喜びの場面をファンファーレや弦の刻みに、イゾルデの船が近づく場面は急迫する盛り上げに、さらに、ワイワイと祝宴をあげそうな雰囲気の箇所は「神々の黄昏」のハーゲンが男衆を呼び集め、宴の準備を命じるところ・・・・・、などなどです。
それなりに面白い、ちょっと疲れるアメリカ祝祭大行進曲でした。
ヤノフスキの日本デビューだったこの1枚。
初期オペラの序曲のほか、面白いけどイマイチの曲を取り揃えておりますよ。
1976年のバイロイト100年は、革命的だったブーレーズ&シェローのリングが上演された年。
ということはその年、アメリカは建国200年だったわけで、当時の大統領はちょっと地味な共和党のフォードさんだったけれど、同年の大統領選で、民主党のカーターさんに負けてしまったのでした。
高校生だったけれど、バイロイトのことと、アメリカのこと、1976年はよく覚えてます。
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コメント
こういう曲があるんですね!
びっくりショー^^作曲料めあてのワグナー作品を聞いてみたい!完全に物見遊山ですね。
投稿: モナコ命 | 2013年5月20日 (月) 23時37分
モナコ命さん、こんばんは。
ワーグナーらしい曲といえば完全にそうなのですが、聴いた瞬間忘れてる的な音楽でした。
やっっぱり、本格的なものじゃないと力が出ないんですかねぇ。
投稿: yokochan | 2013年5月21日 (火) 22時22分
本日5月22日はリヒャルト・ワーグナー様のお誕生日…存命であれば(そりゃ無理な話なのですが)200歳におなりな訳ですな。
かく言う自分も半世紀以上生きておりますですよ。その事実にJ(・o・)J →驚きのジェジェです。 番長三浦大輔様、三勝目やりました。おめでとうございます☆☆☆
チームも頑張ってます。良い意味で予想を裏切ってくれてます。JJJです。
あれれ何のコメントだったっけ?
そうだワーグナー様、200回目のお誕生日おめでとうございます!
投稿: ONE ON ONE | 2013年5月22日 (水) 01時30分
ONE ON ONEさん、こんばんは。
そうです!
本日はその日であります。
人生over50。わたくし、この時を永らく待ってました。
二度と味わえない日ですから。
同じくらいに番長の勝利も嬉しい。
でも、この日を味わえる自分はその何万倍も嬉しいです。ワイン、たったいま1本空きました。
もう、一生ないこのアニヴァーサリーを今年悔いなく過ごすには、ベイの活躍が華を添えてくれることです。
すいません、押し売りみたいで。
投稿: yokochan | 2013年5月22日 (水) 22時54分