ワーグナー生誕200年記念コンサート バイロイト
ワーグナー 「ワルキューレ」 第1幕
ジークムント:ヨハン・ボーダ
ジークリンデ:エヴァ・マリア・ウエストブロック
フンディンク:クワンチュル・ユン
「トリスタンとイゾルデ」 前奏曲と愛の死
イゾルデ:エヴァ・マリア・ウエストブロック
「神々の黄昏」 ラインの旅、葬送行進曲
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
クリスティアン・ティーレマン指揮バイロイト祝祭管弦楽団
(2013.5.22 @バイロイト祝祭劇場)
日本時間の23日、今朝早く、ネットライブ中継されたバイロイト祝祭劇場におけるワーグナー生誕200年記念ガラコンサートを、いつもより早起きして視聴しました。
演目ならびに出演者は上記のとおり、王道ともいえる美味しいプログラムに、いまのバイロイトを飾る、すなわち最先端のワーグナー演奏家たち。
穴倉ともいうべきオーケストラピットはそのままに、舞台の上に並んだオーケストラの整然とした美しさはどうでしょう。
ティーレマンのオーケストラコンサートは体験したことがないのですが、ここでは対抗配置。
最初は、ピット内の配置、すなわち、ワーグナーが指定した第1ヴァイオリン右側、と思ったのですが、見てると左が普通に第1ヴァイオリンでした。
朝5時からスタンバイしていたのですが、ライブまでのカウンターはまだ15分くらい。
フランスのネットからの放送で、仏語がわからん。
独語切り替え(それでもわかりませんが)ボタンをクイックして、映像スタートを押したらいきなりワルキューレやってました。
というわけで、1幕前半は聴き逃しました。
ボーダのそのぽっちゃり君を通り越したまん丸姿を抜きにすれば、この人の透明感と力感あふれる歌唱はまったく素晴らしくて、キングやホフマンに次ぐジークムントじゃないかしら。(しかし、一か所歌い損じがありました。びくびくして指揮者見てました)
売り出し中のグラマラスなウエストブロックは、ちょっとダイエットも効いて、見栄えもよろしく、伸びのある一途な歌唱はとても気に入りました。
彼女は素晴らしいイゾルデになります、きっと。
アジア代表ユンさんは、ほぼ聴けず(出番なし・・・)
前半はもしかしたら、おっかけのビデオ再生放送だったかも。
休憩もろくになく、いきなり後半。
3曲ともに、ティーレマンの凄さを実感。
豊かに歌わせつつ、弛緩せずに、常に緊張感あるテンポを維持し、リズム感も豊かで、興奮を煽ることも忘れていない。
タメも伸ばしも、以前の不自然さは消えて、呼吸するように聴き手の思いに寄り添うような巧みさ。ワーグナー好きなら、ここはこうして欲しいという場所をちゃんと決めてくれて、隅々まで満足させてくれる。
あの腕の上がらない独特の指揮とクールさからは想像がつかない演奏が繰り広げられたのでした。
いつも聴く祝祭劇場の豊かな響きは、ここではピットから抜け出した分、まともにリアルで、かつ木質感を失わない高音質ぶり。
映像で見る聴衆は、こんな演奏会ですから、相当なスノッブぶりがうかがえます。
全員正装。
カタリーナとエヴァのワーグナー姉妹の姿も映りました。
正直、もっとガラコンサートして欲しかったけれども、これはこれで、渋いけれども音楽の充実度の高さで勝負したような感じで、好感度高いものでした。
NHKの名前もテロップに出てましたので、いずれ放送があるものと思います。
わたしは、音声だけ録音して、いまもまた聴いて感心しております。
(かの地でも、携帯鳴らす人いるのね・・・、あと写真とりまくり、同胞っぽい人もしっかり写真とってるとこ丸映し)
一生に一度とない、ワーグナーの200年記念。
いい思い出ができました。早起きしてみるものです。
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