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2013年5月18日 (土)

ワーグナー 「ファウスト」序曲 アバド、サヴァリッシュ指揮

Azumayama_4

5月の海は、青く明るいです。

夏になると気温の上昇で、遠くはもっとぼやけてしまいますから、冬の澄んだ空気も捨てがたいです。

でも、10~11月頃と並んで、1年で一番過ごしやすい美しい季節でありましょう。

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6年前の台風の高波で、砂浜がえぐり取られてしまい、白砂青松が失われてしまった私の育った海。

バイパス復旧工事と護岸工事がずっと行われていて海に降りることもできない。

その工事もひと段落して、いっとき敷設されていた消波ブロックを活用した、人工リーフの整備が始まってました。
これは、浅瀬を作ることで、波の力を弱め、魚場を守ることになるといいます。
もともと、このあたりは水深が急に深くなっていて、海水浴も限られた範囲でしかできませんでした。
自然の脅威で奪われた環境を、また人工的に戻せるなら、それは実に喜ばしいことですが、そうもいかないようです。

子供のころから親しんだ海は、もう違った顔になりそうです。

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  ワーグナー 「ファウスト」 序曲

   ウォルフガンク・サヴァリッシュ指揮 フィラデルフィア管弦楽団

ワーグナーには、オペラ作品以外にも同じくらいの数だけ、交響曲を含む管弦楽作品があり、10数曲が残されているほか、消失または破棄してしまったものは、もっと多くあるはず。

大半は、初期から中期にかけての作品が多くて、この「ファウスト」序曲も1840年の作曲で、「リエンツィ」と同じ頃のもの。

誇大な計画を思いついては実践しようとして借金を重ねるワーグナーは、妻ミンナと逃げるようにしてパリにやってきて、この芸術の都で一旗あげようとした。
かねてより計画中のグランド・オペラ「リエンツィ」を当地で上演してもらおうというたくらみでありました。

パリで第9を聴いて、という説もかってはあったが、今では、1839年ベルリオーズの劇的交響曲「ロメオとジュリエット」の初演を聴いて、思い至ったのが「ファウスト」を題材とする大交響曲の構想。

しかし気の多いワーグナーは、1楽章だけを作曲して終ってしまい、パリ音楽院管弦楽団で演奏してもらおうとしたものの、そのままになりオクラ入り。
結局、初演は補筆改訂をして、1844年、ドレスデンにて。
さらに後年、改訂した最終稿が、いま一般に聴かれる版で、1855年チューリヒにて初演。

こんな、地味な経歴を持つ「ファウスト」序曲は、いまでもネクラで、ひっそりとCD棚の奥に潜む忘れがちな存在であります。

誰がどう聴いても、ワーグナーの音楽そのもの。
リエンツィの華やかさはまったくなく、どちらかといえば、オランダ人の救済のないバージョンに近い、暗くてシビアな音楽です。
しかし、そこはワーグナー。
音の運びがかっこよくって、何かを一身に背負いこんだ切迫感と、ヒロイックなひたむきさがあります。
だから意外とクセになる音楽なんです。
まさに、ここにもワーグナーの魔の手が潜んでいるのです。

堂々としていながら、超優秀なフィラデルフィアの明るい音色がワーグナーに解毒作用を及ぼす美しい演奏がサヴァリッシュ盤。

さらに今回、手持ちのワーグナー音源を漁ってみたら、そこそこ持ってました。

中学の時の初聴き、ブーレーズ&ニューヨークフィルは、明晰ながらかなり渋い演奏。
初期オペラ+無名曲ばかりで勝負したヤノフスキのデビュー盤は強烈。
カラヤンのプロデューサーだった、ゲルデス&バンベルクのあっさりした演奏。
ふくよかで雰囲気豊かなJ・テイトとバイエルン放送。
フランスとドイツ、ワーグナーが望んだ響きか・・・プラッソン&ドレスデン
明晰で推進力豊かなカンテッリとニューヨークフィル。

そして、わたしが一番好きな演奏が、自家製放送音源CDRですが、アバドのウィーン時代とベルリン時代のふたつのライブ。
アバドは、なぜかこの暗い曲が好きで、2度の放送がありました。
ウィーンフィルとベルリンフィルのふたつのオケで聴ける楽しみは、アバドファン、ワーグナーファンとして、望外の喜びでして、ことにベルリン盤は録音も素晴らしくって、気合い満点。ときに、アバドのうなり声も聴こえます。
ベルリンフィルの重厚ながら、重たくならない壮絶サウンドは筆舌に尽くしがたいものがあります。

わたしの、ファウスト、ファースト・チョイスは、アバド(BPO)、ついで、サヴァリッシュ、ブーレーズ、カンテッリでしょうか。

5月22日は、ワーグナー200歳の誕生日です。

5月24日は、現田&神奈川フィルのヴェルディです。

まったくもって忙しくも、一生に一度とないアニヴァーサーリーが続きます。

明日はヴェルディです。

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コメント

こんばんは

ムムッ!

今回のyokochan様の記事の導入部

ファウストが、その生涯最期に試みた一大工事と重なって…

確信犯でらっしゃいますな!

投稿: Booty☆KETSU oh! ダンス | 2013年5月19日 (日) 00時56分

Booty☆KETSU oh! ダンスさん、こんばんは。
いえいえ、まったく、そんな深遠な考えなどありませぬ。

このファウスト序曲には、ゲーテの原作とはかけ離れたような作品に感じます。
その点、声がないとイメージは薄いです。

投稿: yokochan | 2013年5月20日 (月) 23時20分

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