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2013年5月14日 (火)

シューベルト 交響曲第9番 ジュリーニ指揮

Kitashinagawa

都会の真ん中でみつけた、こんな和風のオアシス的一服の眺め。

涼しげで静けさも漂います。

近隣はやかましいですが、日本人でホントよかったと思います。

Schubert_sym9_giuliini

  シューベルト 交響曲第9番「ザ・グレート」

   カルロ・マリア・ジュリーニ指揮 シカゴ交響楽団

                  (1977.4 @オーケストラホール、シカゴ)


わたしにとって懐かしい1枚を久々に聴きました。

廉価CD化されたジュリーニのグレートが、ネットでなんと691円ですよ。

ちょっと呆れつつも、円安のなかですし、安いにこしたことない。

上のレコードジャケットには、カメラ構えるワタクシが映ってますよ。

このレコードが発売された78年、大学生でした。
渋谷の東邦生命ビルにあったレコード屋さんで買った海外盤でして、薄手のジャケットはピカピカで、しかもとてもいいにおいでした(?)。
レコードは国内盤では2800円。輸入盤は確か1890円とかいう値段じゃなかったかしら。

学生には高価なレコードを慈しむように何度も何度も聴いたのです。
いまのあふれかえるCDとは格段に扱いや聴き方が違いました。

EMIからDGに移籍したジュリーニは、その端境期に、第9シリーズをやってくれました。
ベートーヴェン、ブルックナー、マーラー、シューベルト、ドヴォルザークと。
いずれもジュリーニが大巨匠として、巨大な足跡を記し始めた70年代後半の名演ばかり。
その後、重要なレパートリーであるこれらは、何度か再録音をしておりますが、私には、初回のこれらの演奏がいまもってジュリーニのベストであり、後のものは聴いてもいないものもありますが、そう確信してます。

なんといっても、オーケストラとの相性があると思います。
ベートーヴェンこそロンドン響ですが、ほかは全部シカゴ響。
後年の、コンセルトヘボウやバイエルン、ウィーンより、ずっとオーケストラが愚直なまでにジュリーニの棒に応えています。
アメリカの超一流オケのなせる技でしょうか。

それゆえに、指揮棒を握りしめるようにして、熱く歌うジュリーニの音楽がまったく素直に反映されていて、遅いテンポで重々しい雰囲気を与えがちな晩年のものに比べ、テンポは遅めでも、どこか軽やかな足取りもあり、横へ横へと広がる豊かな歌謡性が実に心地よいのです。
2楽章のどこまでも続くような歌、また歌。いつまでも浸っていたい。
同じく3楽章の中間部も思わず、体がゆっくりと動いてしまうようなこれまた歌。
1楽章の主部へ入ってからのテヌートぶりも、いまや懐かしいです。
レコードで聴いたときは、当時聴いてたワルターやベームとのあまりの違いにびっくりしたものですが、ジュリーニのこのやり方がすぐに好きになり、頭の中で反芻できるくらいになりました。
いま聴いてもその新鮮さは変わりないです。
終楽章では、はちきれるほどの推進力で、シカゴのブラスの輝かしさを堪能できます。

いま、シューベルトは後期の番号でも、軽やかにキビキビと演奏するのが主流となりましたが、ジュリーニの堂々としながらも歌がみなぎる演奏は、極めて心地がよく清新なものでした。
大学生のときから進歩していないのかな、わたくしの耳は。

(byあまちゃんにハマってる、70~80年代男より)

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コメント

今晩は、よこちゃん様。 私も「あまちゃん」はまってますよ~! 朝BS7時30分から見て、その後8時00分から車通勤なので車の中でラジオ代わりに音声だけ聞いて。昼休みお弁当食べ終わってお茶飲みながら食堂のテレビでも見て。さらに夜11時00分またまたBSで見て。とどめに一週間分まとめてBS土曜日9時30分から11時00分見て…全く自分に呆れてます。 出演者全員役にぴったり。キョンキョンはまりすぎだし。恐るべしクドカン…そして「日本縦断こころ旅」も同じように見てるんですね。火野正平さん。かつてのプレイボーイも心優しい味のある親父さんになりましたな。感慨深いです。
ジュリーニ様の演奏は実は持っていないかもしれません。
以前聞いてテンポがゆっくり過ぎるかなと感じて、その後食わず嫌いに(ごめんなさい) もう一度気合い入れ直して聞いてみようと思います。

投稿: ONE ON ONE | 2013年5月15日 (水) 23時16分

こんばんは。

私、この曲の初聴きがこの盤です。おかげで、その後聴いた他のどの盤のテンポもしっくり来ないという弊害を受けてしまいましたが、いまだに、この曲のベストはこの盤と信じてやみません。

ジュリーニは、私のもっとも敬愛する(していた)指揮者ではありますが、一般に推薦するとしたら、やはり、シカゴ響との一連の録音ですね。どれも孤高の名演ばかりです。

投稿: garjyu | 2013年5月16日 (木) 00時46分

ONE ON ONEさん、こんばんは。
ここにも、あまちゃん好き発見!
ともかく高視聴率はダテじゃないです。
よくできてますし、細かいところまでヒネリが効いてる。
ワタクシ1日一回と決めておりますが、ONE ON ONEさんにならって1日2回にしようかしら!
火野正平のチャリンコ旅も、ときおり見ます。
だんだんと北上してきますから、わたしもさまよい歩いて遭遇してみたいです。
余談ですが、神奈川フィルのメンバーが文化庁教育旅で、和歌山のとんでもない場所で遭遇して映ったらしいですよ。

貴族ジュリーニ様の演奏、この年代あたりを是非お試しくださいませね。
追)ベイはなんか、いつもらしくなってきましたなぁ・・・・

投稿: yokochan | 2013年5月16日 (木) 01時09分

garjyuさん、どうもこんばんは!

この曲のこのテンポにはまってしまうと、他がセカセカして落ち着かなくなりますね、確かに。
まして、最近のピリオドを意識したものなんか論外とも思えてきます。

シカゴとの一連の録音が最上、とのご意見には、私も文句なしに同意でございます。
シカゴ、そしてロスとの録音をもっと残して欲しかったですね。

投稿: yokochan | 2013年5月16日 (木) 01時14分

こんばんわ。

ジュリーニのこの盤。発売された頃はたぶん、学校と名のつく所には通ってた思うスリーパーです。

とはいえ。
中学生の頃からズッとジュリーニ御大を敬愛してやまない私としては、この盤は勿論、この曲のベスト盤であります。

良い、演奏なんです。本当に。
大抵の方はジュリーニ=超越スロー(超ではなく超越です(笑))と勝手に敬遠しているようですが、一聴して欲しいですね。

個人的には、ワルター盤とは見た目(聴いた目?)は違いますが、本質は同じだと思っていて、さほど異なる演奏には思ってないです(根底にある、歌う、ひたすら歌う!って事で)。

今でもこの曲のベスト盤としてケルテス盤と共に人に良く推奨しています。

投稿: スリーパー | 2013年5月16日 (木) 23時58分

スリーパーさん、こんばんは。

ジュリーニは日本人みんな好きですね。
あの高貴さと熱さと歌心がいいんですよね。

晩年の超越スローの印象が、おそらく皆さんにあるのでは。
フィルハーモニア時代から順に聴いていくと、ジュリーニの熱い歌に焦がされるようになりますね。

わたしのベストは、これと、ワルター、べーム、アバド(非正規ウィーン盤)となります。
あと、シュナイト翁の仙台フィル実演も忘れがたいです。
神奈フィルでやって欲しかったですねぇ!

投稿: yokochan | 2013年5月17日 (金) 00時26分

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