バッハ 平均律クラヴィーア曲集第1巻から ケンプ
おおぶりですが、これもサクラソウ。
楚々とした紫にとても癒されま~す。
今日は、お仕事を引きずり、音楽を聴きだしたのがPM11時過ぎ。
めずらしく、盃ももってませんよ。
そんな頭の中を、優しくそして規則正しい波長に整えてくれそうな曲を選びました。
今日は短く。
バッハ 平均律クラヴィーア曲集第1巻 抜粋12曲
ウィルヘルム・ケンプ
(1975.5 @ハノーヴァー)
ピアノの旧約聖書とも言われちゃう大作ですが、こうして抜粋盤だと構えずに気軽にお休み前的に聴けます。
全2巻、48曲の「前奏曲とフーガ」からなるこちらの大作集は、すべての長・短調を用いて、そもそもが教育的な意義のもとに作曲され、第1巻は1722年(37歳)、第2巻は1742年(57歳)に出来上がっています。
当時は、もう少し単純な純正律に近い調律法が一般でありましたが、バッハは一歩進んだ平均律(オクターヴを12の半分に等分)の有効性実用性を示すためにも、この作品、とくに初回の第1集を作曲したとされる。
(純正律と平均律のことは、わたくしもよくわかりません。音楽学は難しい、聴いてるだけがどんなに易しいことでしょう)
ショパン、ドビュッシー(調の割り振りはありませんが)、ショスタコーヴィチなどが、大バッハの後をついで、24の前奏曲を残しておりますね。
もっとも有名なのがこの第1集の第1曲目の1番のハ長調のプレリュードでしょう。
これなら素人のワタクシでも、最初だけチョロっと弾けますぜ。
グノーが、この前奏曲を伴奏に、アヴェ・マリアを作ったのは、思えば天才的です。
高校時代、フルートなんぞをちょっと嗜んだもんだから、この曲に合わせて吹いてみたら、やたらと早くて死にそうになりました(笑)。
19世紀生まれの大ピアニスト、ウィルヘルム・ケンプがこの音盤を録音したのが、ケンプ80歳のとき。
枯淡の域を感じさせる味わい深い演奏。
いまのキリッとした歯切れのいいピアノ演奏からすると、歯がゆいかもしれませんが、深夜にゆったりと聴くには最高のバッハ演奏だと思います。
タッチはときに揺れる感じもありますが、そこがまたよろしくも感じる。
ケンペは、この曲集の抜粋続編を5年後にも録音しておりますが、そのとき、御歳85歳であります。
そちらは、第1集と第2集、両方の抜粋です。それはまたいずれ。
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コメント
こんにちは
好きであると同時に、何の練習もせずに稽古に行き、激しい叱責とともに泣きながら家に一旦帰らされた…そんな苦い思い出もある曲集にございます(笑)
フルートでの、あのプレリュードのメロディ
さぞかし映えるように思いました
余談ですが、他の単音楽器の為の無伴奏曲も、あらためて鍵盤で奏しますと、その堅牢なフーガの佇まいを、ありありと実感したものでございます
投稿: Booty☆KETSU oh! ダンス | 2013年5月16日 (木) 15時17分
今日は。ケンプ先生がバッハの平均律を抜粋とはいえ録音していたとは不覚にも知りませんでした。
管弦楽組曲やブランデンブルクやロ短調ミサといった主要作品は、おおむね中学・高校時代に聴いていましたが、平均律との出会いは私の場合、恥ずかしいほど遅いのです。大学1年の時にグールドの第1巻全曲を買い、2年の時に同じくグールドの第2巻全曲を買いました。本当にグールドという人は考え抜かれた個性的な弾き方をする人ですが、グールド以外の人の演奏を聴く機会がなく、彼の演奏がどれほどユニークで考え抜かれたものか知る機会が長い間ありませんでした。長岡の図書館で大学3年ぐらいの時にリヒテルのこれも問答無用的な名盤を聴いて「2人ともなんて凄いんだ」と思いました。やっぱりクラシックは聴き比べないとだめですね。それからいろいろな人の演奏に接しましたが、今はアンドラーシュ・シフの穏やかな演奏が好きです。シフ、コチシュ、ラーンキの3人は70年代にハンガリーの若手三羽烏などと言われていましたね。シフは今でも大活躍していますが、ラーンキの名前は最近あまり聞かなくなりましたね…
投稿: 越後のオックス | 2013年5月16日 (木) 16時57分
Booty☆KETSU oh! ダンスさん、こんばんは。
ピアノを習っておいででしたか。
無芸大食のわたくしのいまや憧れのピアノ弾き行為でございます。
平均律やインヴェンションは、どなたもが通る道なのですね。
グノーの閃きはたいしたものだなと、この原曲を聴いて、いまさらに思います。
無伴奏作品の鍵盤演奏。わたくしは不勉強にして、あんまり聴いたことがないのですが、さぞかしに思われますね!
投稿: yokochan | 2013年5月17日 (金) 00時00分
越後のオックスさん、こんばんは。
ケンプの2枚の音盤は、ケンプ存命中、結構話題になりました。しかし、当時もFM聴きだけ。
しかもリヒテルやグルダもFMのみで、CD時代になってようやく手にしたものばかりです。
レコードでは、1巻が3枚組、都合6LPで、ぜんぶ揃えると1万31千円くらい!
いまが信じられません。
こうした曲こそ、ピアニストの個性が出ますね。
シフのバッハはこの曲集は聴いたことがないのですが、誠実でとてもいいですね。
かつての一番人気ラーンキはわたしも声を聞きませんが、コチシュは指揮者としても活躍しておりますよ。
投稿: yokochan | 2013年5月17日 (金) 00時14分
連投申し訳ございません。私の説明不足でございました。私の場合はハモンドオルガンの方でして。バッハ以外のクラシックとなりますと、ピアノとは練習曲がだいぶ違っておりました。(管弦楽曲等を鍵盤用に編曲したものや、前述の無伴奏の編曲版等、或いは映画音楽等)
然るが故の、レオンハルト様々でして(笑)
一般には、ピアノより俗っぽく見られがちなのが痛い処ではございます(笑)
投稿: Booty☆KETSU oh! ダンス | 2013年5月17日 (金) 00時18分