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2013年5月30日 (木)

武満 徹 「明日ハ晴レカナ、曇リカナ」 晋友会

Azumayama_10

鬱陶しいむしむし梅雨空の今日の首都圏。

こんな五月晴れが、ほんとうに眩しく、羨ましく思いだされる1日でした。

ニュースをひねれば、死や暴力、隣国との摩擦、政治家の暴走とあげ足取り、芸能人のつまらん話題・・・・・、そんなのばかり。

そういえば、潮田益子さんが亡くなりました。
まだお若い方でした。
小澤さんとの共演のレコードやバッハの無伴奏もありました。
わたくしの昭和はどんどん過去になっていきます。

Takemitsu_cho

 武満 徹  混成合唱のための「うた」

   ~明日ハ晴レカナ、曇りカナ~

     関根 晋 指揮 晋友会合唱団

                 (1992.9.15 @川口 リリアホール)


武満徹が編曲・作曲した無伴奏混成合唱のための二つの作品集からなる合唱曲集。
これを、合唱曲集と呼ばず、「うた」~Songs~というところが武満流。

50~80年代にかけて作曲されたものを90年代前半に曲集として編んだものです。

 1.さくら                2.小さな空

 3.うたうだけ             4.小さな部屋で

 5.恋のかくれんぼ          6.見えないこども

 7.明日ハ晴レカナ、曇りカナ   8.島へ

 9.死んだ男の残したものは   10.○と△のうた

11.さようなら             12.翼


一筋の流れのようにして聴くこれらの無伴奏合唱。

まさに形式ばらず、肩肘はらない軽いタッチの「うた」。

歌っている詩は、時として、呑気に聴いてらんないシリアスさも内包するけれど、タケミツソングスは、そんなシリアスさも優しく馴染みあるタッチでさらりと聴かせてしまう。

研ぎ澄まされた神経と耳で持って息を詰めるようにして聴かなくてはならない、武満徹の現代音楽ジャンルの作品。
それらと対峙するのでなく、同一の人物がしっかり書いたもうひとつの顔の作品群。
映画音楽のジャンルなどもそうでしょう。
あの泣けるほどに美しい「波の盆」もそう。

こうして、気の置けない雰囲気の合唱は、人々の集いの中で育まれていった英国のパート・ソングを思わせるものがありました。
ディーリアスやホルストたちの涼しげで、田園情緒あふれる庭園音楽たち。

そして日本語の綾なす美しさ。

繊細で細やかな抒情と言葉の意味なすリアルさの妙。

谷川俊太郎をメインに作曲者の詩。

     昨日ノ悲シミ

     今日ノ涙

     明日ハ晴レカナ

     曇リカナ


     明日ノ苦シミ

     今日ノ悩ミ

     明日ハ晴レカナ

     曇リカナ


今日は、ぐっとキタ

このシンプル・ソング

晋友会のしなやかな美しいハーモニー。

いいじゃないか。

武満ソングスのもう1枚の愛聴盤。
オペラ歌手ゆえに劇性も豊か、でもメゾゆえのきめ細やかさ。
林美智子さんの「地球はマルイぜ」。
ご本人のサインもいただき、大切な1枚です。

心の中はずっとずっと晴レていて欲しいものです

Kanagawa_phil_book_3

神奈川フィル監修の名曲案内。

本格発売中!

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コメント

潮田益子がなくなりました。私が20代独身の頃に秋田の能代市という田舎町でコンサート開いてくれました。そのころの潮田さん、キレイでステキだったなー^^ドキドキして聴いて&見ていた記憶があります。ラロのスペイン交響曲をブリリアントに演奏していました。昨日のようです。亡くなったんですね。。。ショックです。まだ、亡くなるような年齢ではないはず!今夜は潮田さんのレコードを聴きながら一人でお葬式をします。悲しい酒になりそうです。ビールじゃなくて、スコッチを飲みます。泣きたいときにぴったりのお酒ですね。とっておきのバランタインの30年を飲みます。めったに飲まないお酒で潮田さんに敬意と弔意をあらわしたいと思います。

投稿: モナコ命 | 2013年5月31日 (金) 22時09分

わたしたちの世代では、サイトウキネンの潮田さんというよりは、ソロでばりばりの頃の70年代の潮田さんですね。
新日のコンサートで聴いた記憶は曖昧です。
スペイン交響曲とかシベリウスなどの情熱系も非常に素晴らしかったです。
能代で聴かれた思い出は素晴らしいですね。
わたしもきっとその頃だと思います。
若き日のバッハ無伴奏と小澤さんとのシベリウスとブルッフ(確か)が復活することを望みます。

わたしも好きでした。きれいな方でした。
白血病とのこと、追悼の念に堪えません。

投稿: yokocahan | 2013年6月 1日 (土) 01時36分

おはようございます、よこちゃん様。
あぁ、潮田益子さん5月29日に天に召されたんですね。
ダークダックスのゲタさんの著者に、潮田さんと前橋汀子さんがソビエト連邦時代に留学してた頃、自分達が演奏旅行に行き現地のホテルで持ち込んだ日本食でパーティー(もどき)をして楽しんだと思い出話が載ってましたっけ…うら若き乙女には勉強のためとは言え、当時のソビエトの環境は相当辛かった様だったとの事。その二人の写真は潮田さんは可愛い、前橋さんは美人という印象でした。 同世代の二人は、世界的に活躍した女性ヴァイオリニストとしては辻久子さんに続く草分け的な存在だったでしたね。
30年以上も前、前橋汀子さんは生演奏聴きましたが、残念ながら潮田さんはありません。せめてアルバムを聴いて故人を偲びましょう。合掌…

投稿: ONE ON ONE | 2013年6月 1日 (土) 10時36分

ONE ON ONEさん、こんにちは。
そうなんです、潮田さん亡くなってしまいました。
白血病とのこと、無念の死です。
ご案内いただきました、ゲタさんのお話、とても興味深い逸話ですね。
残念名がえら、いま手持ちの音源はありませんが、無伴奏の旧盤の復刻を期待したいところです。
こうして、また故人が増えてしまいました。
安らかなることお祈りします。

投稿: yokochan | 2013年6月 2日 (日) 10時47分

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