チャイコフスキー 交響曲第3番「ポーランド」 バーンスタイン指揮
みかんの花です。
連休中の実家は、秋から初冬に果実を結ぶ木々の花がほころんでおりました。
みかんや夏みかん、その甘い香りは、初夏の香りそのもの。
そして、こちらは柿の若葉。
もうじき、この中から花が出てくるんです。
あと、実家には梅やレモン、キウイもあるんです。
そして当然に、これからの季節、虫ちゃんもたくさんやってきます。
幼虫・毛虫系がダメな方は卒倒すると思いますよ。
季節の循環が体感できる、そこそこ田舎がいいです。
チャイコフスキー 交響曲第3番「ポーランド」
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック
(1970.2.10@エヴァリー・フィッシャー・ホールNY)
チャイコフスキーの交響曲シリーズをゆっくりと継続中。
この3番は、1875年35歳のときの作品で、「白鳥の湖」を完成しつつあり、オペラもすでに数曲。これより最充実気を迎えるチャイコフスキー。
翌年には、メック夫人との出会いを控えておりました。
5楽章形式で、終楽章にポーランドの舞曲が使われているところから、「ポーランド(ポーリッシュ)」の名称が付与されたとされます。
それ以外の4つの楽章も、リズミカルで、どこか舞踏的なイメージがあって、調整もニ長調で明るく楽天的であります。
暗い開始部分を持つもののすぐに弾むように邁進する楽しい1楽章。
レントラー風の3拍子の2楽章。
抒情的でありながら、そこはチャイコフスキー。しっかりとロシアの大地の香りをにじませてくれる素敵な3楽章。
メランコリックで、流動的な4楽章はスケルツォ。トロンボーンが活躍。
この楽章、なにげにワタクシは好きですよ。
華麗なバレエ音楽のような終楽章は、終結部が大盛り上がり。
これまで、2度、この曲を取り上げてますが、またもや同じこと書きます。
ハイティンクのレコードが初聴きのこの曲。
間違えてB面(すなわち3楽章)から聴きはじめ、A面(すなわち2楽章)で終了するという聴き方を初回にしてしまった。
解説も読まずに挑んだこともあるが、どうにもしっくりこないし、もしかしたらそんな曲なのかも、と思って、解説を読み、A→Bでちゃんと聴き直したことのある、思い出の「ポーリッシュ」。
いまやいくつもの音源を持ってますが、今日は元気のいいバーンスタイン盤で。
チャイコフスキー全集を作るのに一気に録音してしまった感のある、バーンスタインの1番と3番。
希少な録音かもしれません。
DG再録音にもう一度やっていたら、濃厚壮絶な3番となっていたと思います。
70年、万博で来日する直前のこちらの録音では、バーンスタインとNYPOのコンビの最善の姿が記録されております。
それは、音楽の推進力の勢いと、音楽を作り上げる感覚的な楽しみが聴いてとれること。
乾いた録音と、オケの粗さはありますが、それ以上に若いエモーションが聴いていて気持ちが良く、アメリカのチャイコフスキーという健康的かつ健全な演奏になっていると思います。
初夏に聴いて、実にお似合いの演奏なのでした。
過去記事
「アバド&シカゴ響」
「ヤンソンス&オスロフィル」
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コメント
チャイコフスキーの作品は殆ど聴いたと思いますが、意外に、交響曲3番は一度FMで聴いただけで覚えていませんでした。
チャイコフスキーはやはり、バレー音楽が唯一無二の素晴らしさだと思っています。おとぎの世界をあれだけ豊かに描ききっていることに、いつ聴いても関心します。
マイナーな曲はまだ聴いていませんが、たとえば、雪娘でしたっけ?聴いたことはあるでしょうか?
投稿: udon | 2013年5月16日 (木) 08時59分
udonさん、こんばんは。
やっぱり3番は、なぜか後回しになるのですよね。
地味だし、音源も一番少ないですから。
でも、交響曲の中では一番舞踏的です。
おっしゃるとおり、チャイコフスキーのバレエ音楽は、完璧であり、ファンタジーと詩情にあふれてますね。
プロコフィエフはよりリアルですが、チャイコは夢を見させてくれます。
雪娘は、まだ聴いたことがありません。
劇作品ですので、いまチャイコのオペラ制覇をもくろむなかで、なんとか聴きたいと思ってまして、いつもショップで手に取る1枚なのです。
投稿: yokochan | 2013年5月16日 (木) 23時15分