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2013年6月11日 (火)

タヴナー 「奇跡のヴェール」 

Ajisai2013_b

ようやく梅雨到来か、と思うものの、台風だったりして。

むしむしと不快指数高し。

爽やかパステル紫陽花でも鑑賞するに限る。

ここに、最近めっきり見かけなくなった、でんでん虫でも配置したいところ。

Tavener_procting_veil

  ジョン・タヴナー 「The Protecting Veil」~奇跡のヴェール

       チェロ:フランス・スプリングェル

    ルドルフ・ウェルゼン指揮 フランダース管弦楽団

                      (1997.9 @ヘント、ベルギー国)


ジョン・タヴナー(1944~)は、ロンドンのウェンブリーで生まれた現代英国作曲家のひとり。
英国ルネサンス期の15世紀生まれの同姓の作曲家がいて、おまけに英国系のレーベル、ハイペリオンだったものだからなにげに購入したら、あたりまえのことながら古楽ジャンルの人だった・・・・。そんなミステイクな思い出もあるタヴナー。

ミステイクを犯した要因は、ヒコックスの指揮だからというので、もう15年以上前に買ったシャンドスから出ていた「セオファニー」という曲。
なんだか不思議にふわふわした、いくぶん宗教がかった曲で、それは明らかに西欧型のカトリックやプロテスタント、英国正教ともことなる様相で、多分に東洋的で、へたすりゃヒンドゥーっぽかった。
神秘主義とも呼ばれるその作風が気にいりました。
だもので、タヴァナーを買ったら、まるきり正統宗教曲だったわけだったので、それは500年前の別人だったのでありました。

さて、今日はタヴナーの中でも、もっとも聴きやすく有名なのが「神秘のヴェール」。

40分超の、独奏チェロと弦楽オーケストラによる8つの部分からなる宗教秘蹟を模した作品。
ですが、なにも堅苦しくも、宗教がかったところも一切ありません。
全編のほとんどが、静かな進行で、アダージョからアンダンテぐらい。
フォルテ記号は、おそらくほとんどないのでは。
起伏の少なめの、抒情的な癒し系の音楽といってもいいです。
ですから、お休み前のヒーリングサウンドとして、静かにこの曲をかけて、眠りが訪れるのを待つ、なんてのが宗教から遠い極東に住むわれわれの聴き方かもしれませぬ。

BBCの委嘱で、スティーブン・イッサーリスのために書かれ、1989年にロジェストヴェンスキーとLSOのバックを得て、プロムスにて初演されております。

タヴナーは、30代で正教会に入信(そのまえは英国正教会か否か不明)。
その正教は、ロシア系・ギリシャ系かも調べたけれど不明。
しかし、ここに描かれた聖母マリアは、わたしたちが多く目にする、カトリック教会に佇む白亜のマリア様とは違うはず。

この曲がインスパイアされたのは、10世紀頃の、コンスタンティノープル、Blachernae (Vlacherni)の教会区での出来事。
サラセン軍の攻撃を受け、追いつめられたギリシア正教徒の前に、聖母マリアが現出し、そのヴェールでもって、人々を覆うようにして、その危機を救ったという・・・・・。

Maria_vlahernskaya

違うかもしれませんが、こんなイコンがかの教会に残されているそうな。

チェロ協奏曲ともある意味いえるこの曲。

明確なストーリー性はありませぬが、先のヴェールの秘蹟による曲を前後に挟んで、イエスの受胎告知、降誕、磔刑、マリアの嘆き、復活、マリアの死、などをイメージしております。
繰り返しますが、宗教観はなしで、この美しい曲と、清らかに、ときに清朗に、人の声にも同調するように歌うチェロの調べを楽しむに限ります。

女流スプリングスウェルさんのチェロは、美声で透明感あり、なかなかによろしいかと。
ペルトとかホヴァーネスとかグレツキ、おまけに武満あたりも得意にしているらしいベルギーの指揮者ウェルゼン(?読み方不肖)の指揮も、いい悪いはさっぱり不明ながら、テラークの抜群の録音の良さゆえにひきたつオーケストラではありました。

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