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2013年6月 3日 (月)

R・シュトラウス エレクトラ、サロメ、ばら騎士 ライナー指揮

Shibapark1

バラと東京タワー。

5月の最後の日に撮影。

テレビ電波塔としての役割を一部を残しほぼ卒業の東京タワーと、早めの季節の巡り合わせでもって、もう盛りを超えてしまった薔薇。

毎年、同じように健気に花開く植物たちへの愛着は、歳とともに増していきます。

と同時に、自分と同じ世代の建造物が継続して頑張っている姿に感動を覚えます。

建造・建築物も文化です。

一方、形あるものの、あふれかえる音源の山々に、それを消化していない焦燥と焦りを覚えても長く経ちます。
粗末にしちゃいけないけれど、驚くほど安く、ますます簡便に扱うことができるようになり、その価値観が手頃になる価格ともに安易になりがちです。
高かったレコードを大事に大事に、いとおしむように聴いてきた自分。
それに比べて長く存在、継続できるCDは、本来もっと高付加価値の商品であって欲しかった。
わたくしの仕事範囲ではありませんが、技術革新が、ひとつの文化領域のあり方を変えてしまった典型に思われます。

とか酒気帯びにて、酩酊しながらあれこれ思いを馳せつつ、お手軽に毎晩とっかえひっかえ、音盤をいじくりまわしている、わがままなクラヲタ典型人なのでした。

Reiner_strauss

  R・シュトラウス  「エレクトラ」

       エレクトラのモノローグ、オレストとの再開、終幕

    エレクトラ:インゲ・ボルク   クリソテミス:フランシス・イィーンド
    オレスト:パウル・シェフラー

             「サロメ」

       7つのヴェールの踊り、終幕

          サロメ:インゲ・ボルク

          
             「ばらの騎士」 ~ ワルツ

      フリッツ・ライナー指揮 シカゴ交響楽団

                (1954~57 @オーケストラホール、シカゴ)

久しぶりのR・シュトラウス。

このところ、ワーグナーとヴェルディばかりなのでご無沙汰しちゃいました。

わたくしの、5大オペラ作曲家は、ワーグナー、R・シュトラウス、プッチーニ、ヴェルディ、モーツァルト、プラスαは、ブリテンです。
これは大胆にもファイヴァリット順です。
そのあと続くのは、もう順不同の作曲家たち。でもどれもが好き。
ここではあげません。

ドレスデンで活躍時代、1914年以降、ライナーは作曲者R・シュトラウスの直接の知己を得て数々の指揮におけるアドヴァイスを受けております。
R・シュトラウスは、長く活動し、音楽生命も長かった作曲家だったので、ライナーのような直伝系の演奏家は数多く存在します。
クラウス、ベーム、セル、カイルベルト、ケンペ、ショルティ、サヴァリッシュ、スウィトナー・・・。キラ星のようなシュトラウス指揮者たちの顔ぶれ。

ストイックなライナーのイメージだが、そのシュトラウスは演目にもよるが熱いです。
エレクトラにおける冷徹かつ研ぎ澄まされた感覚が、かえって熱気を帯びて、触れれば火傷しそうな高温発する音塊たち。
恐ろしいほどの冷たい熱さ。
冷たくて手に火傷を負ってしまいそうななかに、シュトラウスならではの甘味な味わいも巧みに潜ませてくる。

Borkh_1

ボルクの真っすぐ一直線の歌唱は、ぜんぜん古めかしくなくって、いまにも通用すると思う。
ボルクの音源は意外と少なくて、カイルベルトのバラクの妻、、ベームのエレクトラ、エレーデのトゥーランドットで耳に馴染んだこのドラマティックソプラノ。
不思議にワーグナーがありません。
しかし、この時代のドラマティコにはない、突き抜ける声と無理のない軽い感じの低域は不思議なまでの透明感をかもしだす。
後年のヒルデガルト・ベーレンスを思わせる声です。
まだ90を越して存命中のインゲさま。
ずっとずっと元気でいて欲しいと思いました。
そんな若々しい、そして画像を見るとやたらと美人のボルクさん。

厳しいライナーの指揮と、ボルクの歌唱。
耳洗われる精妙かつ美しいシュトラウスを聴きました。

Kanagawa_phil_book_5

がんばれ神奈フィル

がんばれベイスターズ        

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