ベルリオーズ 幻想交響曲 ストコフスキー指揮
東が先で、次に西。
梅雨明けとともに、猛暑が襲いかかってきました。
皆さま、お体大丈夫ですか?
体が暑さに徐々に慣れるまえに、いきなり酷暑となりました。
わたくしは、日曜日は完全にお疲れモード。
オペラ視聴も途中までで断念。
今日、月曜はついに冷房のスイッチを入れました。
7月の夏休み先取り小便小僧も暑い中ごくろーさん。
ひまわりを背負った可愛い後ろ姿。
あと、夏は何カ月あるんだろう。もうダメ・・・。
今月は、「社会を明るくする運動」に連動してます。
そして、7月の幻想。
ベルリオーズ 幻想交響曲
レオポルド・ストコフスキー指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
(1968.11 @ロンドン)
うだるような夏にも「幻想」はお似合い。
毎月聴いてると、もうルーティンになってしまいそうだけど、小便小僧のコスプレの変化とともに、誰の幻想で行こうか?という思いもまた楽しいもの。
まだ在庫はいくつもあるけれど、ときおり、懐かしの音源を補充しつつ、新しい演奏に消極的なのが目立ちます。
そこは今後の展開にご期待いただくとして、またもや「懐かし幻想」を。
いくつものジャケットがあるけれど、ロンドンレコード時代に音の良さをうたった、フェイズ4シリーズとしての、こちらのストコフスキーの指揮姿絵のものが一番好きです。
子供の頃に、雑誌やレコードパンフに必ず出ていたこのジャケットは思い出深いものがります。
ストコフスキー唯一の「幻想」正規録音。
77年に95歳で亡くなるスココフスキーとしては、晩年の録音にあたるわけですが、長老指揮者だったストコさん(すっとこ、じゃありません)は、このとき、もう86歳。
そのお年をまったく感じさせない、若々しく力のみなぎった幻想は、新鮮ですらあります。
このストーキーの不思議な幻想は、最初の3つの楽章と、後半のふたつが、まるで別人のように対比が鮮やかで、前半3つは、恋心あふれる若者の早春賦ともいうべき初々しさで、タメの作り方も自然で、主部で失速しつつも、快調な1楽章や、ハープ大活躍、音の強弱があまりに鮮やかな2楽章のワルツ。
思いきり「田園」してる3楽章は、遠近感が豊かで、とても描写的で、クラリネットがやたらと雄弁なのだ。
そしてキテレツな後半の始まりは、すごい活力と推進力にあふれる断頭台への行進。
こずかれつつも、元気一杯、処刑台に昇り、ファンファーレの刑執行はあっけないほどの性急ぶり。まさに首がチョン!あれっーー!
その勢いのまま、すぐさまにヴァルプルギスの禍々しさへ突入。
こちらも最初は快速調。
鐘は、ピアノで併打され、恐ろしいほどに死の淵をのぞかせるような効果を発揮する。
その後のディエス・イレは、テンポを急に落としてみせて、一方の合いの手のような乱痴気ぶりは思いきり急速で。
この対比がまたおもろくて、あきれるほどの切羽詰まった迫真にあふれている。
最後は、のたうちまわるようなコーダで、こんなに遅いのは他にはないのでは。
最終和音は、打楽器もギンギンにずっと鳴り響かせてくれる、長~い終結音でもって、エンド
わかっちゃいるけど、魔術師の手に、まんまとかかり、ときにへとへとになりながらも、思いきりドライブに付き合わされちゃって、最終ゴールではニンマリさせられちゃう、って寸法ですよ、お客さん。
先週、ずっと聴いてたハイティンクの正攻法による音楽造りに、多いなる説得力を見てとったあとでの、このストコフスキーの音楽。
これもまた音楽を楽しむ所作のひとつで、積極的に音楽を自分の言葉で、わかりやすく語ってみせる姿勢は、これはこれで説得力は不思議にあるものだから否定するつもりはまったくありません。
ただ、これを毎日聴け、と言われたら、ちょっと待った、ということになるのでしょう。
いずれにしても、こうしてときおり接するストコフスキーの音楽に、子供の頃には楽しめなかった新鮮な遊び心と、真剣さの両方を感じるようになった次第なのでありました。
来月のクソ暑い日には、またストコフスキーでおったまげてみようと思っているワタクシであります。
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