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2013年7月 6日 (土)

ワーグナー オペラ管弦楽曲集 ハイティンク指揮

Mihonomatsubara_2

世界遺産登録なった富士山を三保の松原の海岸からのぞむ。

この写真は、よく静岡へ仕事で行っていたころのものを思い出して探しだしました。

海に浮かぶように見える富士は、やはり静岡からの眺めが一番でしょうね。

ほんと、素晴らしい。

Mihonomatsubara_1

たぶんいまもあるのでしょう、無粋な波消しブロック。

これを沖に移動することも実行されるそうな。

いつまでも美しくあって欲しいものであります。

Haitink_wagner

 ワーグナー  「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲

          「パルシファル」前奏曲

          「ローエングリン」第1幕への前奏曲、第3幕への前奏曲

          「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死

          「ジークフリート牧歌」

   ベルナルト・ハイティンク指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

                         (1974@アムステルダム)


ハイティンク&コンセルトヘボウシリーズ、最終回はワーグナー。

録音された1974年は、それまで評価の低かった日本で、これまでいつも一緒に来ていたヨッフムも同行せず、単独で来日して、ブルックナーの5番の名演を行った。
このコンビのこの年の5番は、ウィーンでのライブがFM放送され、いまでも音源として持っていますが、堂々たる演奏で、まさにオルガンのような重層的な響きが魅力的でありました。
レコードもロンドンフィルとのストラヴィンスキーや、ブラームス、チャイコフスキーなど、次々に発売されて、評論家の大先生からもお誉めをいただくようになり、アバドとともに、ハイティンク好きだったわたくしは、妙に嬉しかったものです。

75年に発売の、ワーグナー集は、ご覧のとおりの素敵なジャケット。
ノイシュヴァンシュタイン城へ行くと、不自然にあでやかな写真のパンフレットが売ってましたが、そんな感じのジャケット写真。
レコード・ショップでいつも手にして眺めつつ、悩みながらも結局購入することはなかった。
高価なレコードをそんなに買える訳じゃないから、どうしてもレコ芸の評論を頼りとしてしまう、そんな高校生。
月評は、U先生。立派でオケが素晴らしい、シンフォニックと誉めつつも、どこか気乗りしない書き方。でも録音評は最高得点の95点でした。

結局、わたくしが、ハイティンクのワーグナーを購入して聴いたのは、CD時代になってから。ハイティンクの初ワーグナーオペラ録音の「タンホイザー」のあとだったかもしれない。
ですから、オペラ指揮者としても、名声を確立した頃。
あれから10年です。

そんな耳で聴いたハイティンク&ACOのワーグナー。
イメージとして、ワーグナーのオペラの世界から遠い、かっちりとしたシンフォニックなものでは・・・・という思いがあったのですが、それは完全に異なる響きだった。
確かに、ここにあるワーグナーは、オケピットにあって、さらなる劇世界の幕開きを告げるような、緊張感や高揚感あふれるようなものではない。
 しかし、10分の前奏曲に真っ向から勝負して、ひと時たりとも気の抜けたような音がなく、また神秘性も、官能も、祝祭性、崇高さも・・・、みんななし。
何と言ったらいいか、楽譜がそのまま音になった感じ。
しかも、それがコンセルトヘボウという美しい織物のような摘んだ響きのオーケストラなものだから、ホールの音色と相まって、独特のユニークなワーグナーになっていると感じました。

ハイティンクの指揮は、いつも自分の解釈を強く打ち出すタイプではなく、オーケストラの自主性を汲みあげつつ、音楽に自然に語らせるタイプなので、音楽の説得力が高ければ高いほど素晴らしい効能を引き起こす。
かつて、ドレスデンと来日してブルックナーの8番を聴いたおり、熱狂する拍手に応えて、指揮台のスコアを高く掲げる仕草をしました。
音楽が一番なのだという真面目で謙虚な姿勢。

その後、ハイティンクの指揮によるワーグナーを中心とするオペラの数々を聴いてきたけれど、初期の頃の、ただ精妙に鳴っているだけの印象から、痺れるようなオペラの高揚感は感ぜずとも、音が、ドラマがおのずと語り出し、歌手たちも無理なく自然に役柄に入り込んでいる様子を後年のものほど強く感じるようになりました。

チューリヒでの「パルシファル」などは、そんな名演の典型でしょう。

正規録音では、「オランダ人」「ローエングリン」「トリスタン」があれば、ハイティンクのワーグナー主要作は揃うこととなります。いずれも、ロンドンやチューリヒで指揮してますので、いずれは音源や映像が出てくるものと期待します。

さて、COAとのこちらのワーグナー。いずれも気に入って演奏です。
ゆったりめで、どうどうと歩む「マイスタージンガー」、木質感の味わえる清澄な「パルシファル」と「ローエングリン」。
普通に演奏するだけで、かくも美しく、しかもじわじわ感が増してゆく「トリスタン」。
ブルックナーの7番の余白に入っていた「ジークフリート牧歌」は、いまはここと、同じ8番の余白に佇んでます。ほんわかとしたふくよかムードが美しい。

コンセルトヘボウは、ハイティンク時代の音色と変わりつつあり、よりスリムに、柔軟に、高性能にシェイプされた。
自主レーベルを中心とする録音も今風だけれど、やはり、わたくしには、ハイティンク治下のフィリップス録音が最高だと思っております。

オーケストラのホームページから、ハイティンクの貴重な映像を見ることができます。

http://www.concertgebouworkest.nl/en/orchestra/conductor/Haitink-Bernard/

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コメント

来日した折りのブルックナーの8番のエピソードをはじめて知りました。
ハイティンクの人柄を偲ばせるものがあります、会ったことないけど(^^ゞ
個性的な演奏と同じくらい作品に奉仕する演奏も大切ですね。どうも前者が過大評価されているような気がしてなりません。

投稿: パスピエ | 2013年7月 7日 (日) 19時23分

「ノイシュヴァンシュタイン城へ行くと、不自然にあでやかな写真のパンフレットが売ってました」
さまよえる様!やるなー^^ワグナーファンの一人としていつかは行ってみたい場所です。
「指揮台のスコアを高く掲げる仕草をしました」
ハイティンクってそういう指揮者なんですね。ステキです。俺だ俺だという指揮者界にあって本当に貴重な存在ですね。これからハイティンクを聞くときに別の演奏に感じそうなエピソードです。普段の生活や仕事の姿勢で謙虚さを失わず、私もマエストロの生き方をマネしたいと思いました。反省しなければならないことがたくさんありすぎて赤面しております。

投稿: モナコ命 | 2013年7月 7日 (日) 20時28分

パスピエさん、こんばんは。
ブルックナーの音楽を淡々と指揮するハイティンクの姿をいまでも鮮明に覚えてます。
そして、ドレスデンのドイツの森を思わせる深い音色も。
これみよがしや、個性が先立つような演奏は、歳とともに、最近はきつくなってきました。

投稿: yokochan | 2013年7月 8日 (月) 00時16分

モナコ命さん、こんばんは。
かの地にいったのは、もう20年以上前。
記憶も薄れてきました。
そして、バイロイト詣でと合わせ、死ぬまでにもう一度行きたいです。

そしてそうなんです、ハイティンクさまは、そのような大人なのです。
歳とともに重ねる年輪が、わたしなんかより、ずっとずっと深くて、味わいに満ちてます。
アバドとともに、わたしには神のようで、兄のようなそんな存在でございます。

投稿: yokochan | 2013年7月 8日 (月) 00時25分

こんばんは、よこちゃん殿。
昨日、NHKのクラシック音楽館。せっかくのヴェルディの「レクイエム」とワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」という、すんばらしいラインナップでしたのに、番長の粘りのピッチングが報われずG軍に負けた事の悔しさが緒を引いて、ちっとも楽しめませんでしたぜ。。。
暦の上ではジュライ…でもハートはクライ(泣くと暗いをかけてみたですよ)

投稿: ONE ON ONE | 2013年7月 8日 (月) 20時54分

ONE ON ONEさん、こんばんは。
昨日は、暑いのと、一日中外出させられたのとで、へとへとになってしまい、ベイも、ヴェルレクもトリスタンも知らずじまいでございましたよ・・・・。とほほ。

>暦の上ではジュライ…でもハートはクライ<
なかなか、やりますなぁ。

では、わたくしも・・・

ジョニーに伝えて、内川と千円返して~
三途の川のベイスターズ~
友達すくないベイスターズファ~ン

投稿: yokochan | 2013年7月 8日 (月) 23時42分

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