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2013年7月 9日 (火)

ハウェルズ ピアノ協奏曲第2番 ストット&ハンドレー

Narita_park

成田山の一隅にあった花壇。

こんな風に、たくさんの花を密集させることも美しい。

でもその一輪一輪を個々に眺めると、もっと美しいのです。

全体は美しいが、個は全体に勝るのであります。

Hawells_pianoconcert2

  ハウェルズ ピアノ協奏曲第2番 ハ短調

     Pf:キャスリン・ストット

  ヴァーノン・ハンドレー指揮 ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニック

                      (1992.3.31@リヴァプール)


英国音楽を愛するわたくし。
そんな中でも、ハウェルズはもっとも大切な作曲家のなかのひとり。

過去に何度も書いたハウェルズのプロフィール。

>「ハーバート・ハウェルズ(1892~1983)」は抒情派で、エルガーやRVWの流れをくむやや保守的存在。
この人が大好きで、ショップでは必ずチェックする作曲家。
かなり早熟型の人で田園情緒に溢れた名作を書いたが、40代半ばにして、最愛の息子マイケルが9歳にして早世してしまう(1935)。
天使のような顔を持ち、音楽とスポーツが大好きだったというマイケル。
家族でハウェルズの愛する故郷グロースターシャーで夏の休日を楽しんだ。
しかし、息子がポリオに冒されていたことが発覚しロンドンに帰らざるをえなくなった。
しかしマイケルは、その気遣いも空しく亡くなってしまう。

愛する息子の死により、ハウェルズの音楽は宗教的な深みを増し、息子を偲ぶかのような音楽を書き続けるようになる。
子を持つ、同じ世代の人間として、心が張り裂けそうになるくらいに同情できる!<

ハウェルズの音楽を聴き、ブログに残そうとするたびに、こんな風にいつも書いています。

彼の音楽をいくつも聴いてきて、想うことは、こうした陰りをおびた透明感ある哀感のサウンドと、モダンなキレのいい現代風な作風との同居ぐあい。
同世代のブリスや、ブリッジのような切れ味のよさと、バックスやバントック、アイアランドのようなケルテックなミステリアスな雰囲気、そこに、親しいものを失ったことによる神への問いかけと帰依。
初期のものは、明快でこだわりない英国自然讃歌を謳歌しているが、息子を失ったことを契機にその作風をシリアスなものに変換していった。

こんな風に書いておきながら、今日ご紹介するピアノ協奏曲第2番は、息子マイケルが生まれる頃の、自身も生き生きと活動していた時期の作品であります。
しかしながら、ハウェルズは、自分の作風の立ち位置に悩んでいた時期ででもあり、先にあげたような、モダーンな気性と、ロマンテックな懐古調との中間にあるような音楽造りにあったのです。
これはこれで、わたくしには、とても魅力的で、シャープでダイナミックな出だしの第1楽章なのだけれども、音楽は鄙びた英国ムードにも欠けていなくて、第2楽章などは、あまりに抒情的で、英国を旅すれば誰しも感じる、緑の丘となだらかな稜線、そして緩やかに流れる河と小川の中間ぐらいの静かな流れ。
そんな風物を思い起こさせるような、ムーディな音楽。
ふたつの楽章をミックスしたような、快活かつ、ジャジーでもある終楽章。

こうした音楽は、コンサートで聴くような曲でもないし、みんなで、あれこれ言いつつ聴くような曲でも絶対にありません。
多くの英国音楽がそうであるように、ひとり静かに、自分のお気に入りの環境で、誰にも邪魔されないようななかで、そっと聴く類いの音楽です。

2番の協奏曲だけれど、1番は知りません。
音源もわたしの知る限りないと思います。

シャンドスやハイペリオンレーベルの英国ものや、コルンゴルトなどでもお世話になってます、女流ピアニスト、ストットさん。
ほんと、タッチの美しいピアノです。

Stott_2

ストットさんの画像を見つけましたのでこちらに。

亡きハンドレーの指揮も素敵なもので、カップリングには、

わたしの溺愛する「ヴァイオリンとオーケストラのための3つの舞曲」も収録されております。

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コメント

ハウェルズ。誰なんだ。。不勉強な私には全く初めましての作曲家です。ご紹介のオケも指揮者もピアニストも同様です。しかしさまよえる様にはおなじみらしい。。すごいなー、、尊敬申し上げます。
そうそう、2番は知ってるけど1番とか知らないって曲ありますよね。ナマケ者の私はラフマニノフの1番のPfconとか知りません。。多分あるんだろう。
保守的な私にいつも新しい曲を教えてくださってありがとうございます。さっそく聞いてみます。
とか言いながら、オジサンはブラームスのVnソナタの雨の歌を聴いたりしてるんです。外は雨が降りまくってます。

投稿: モナコ命 | 2013年7月10日 (水) 19時17分

yokochan師匠こんばんは! ハウェルズは1枚もCDを持っていませんが、Youtubeからのビアノ協奏曲第1番の方は聴いたことがあります。心が落ち着くと言うか、安心して聴けると言うか気に入っています。早く2番や他のお薦め曲を聴いてみたいです! 有難うございました。

投稿: 山元 光 | 2013年7月10日 (水) 21時26分

モナコ命さん、こんばんは。
前線は、まだがんばっちゃってるんですね。
雨の被害が出なければ、お米もきっと美味しく、お酒もしかり、豊作の夏・秋となるといいです。
こちらは、都内でももうミンミン蝉がやかましいです。
暑くて乾いて死にそうです。今日はプチ熱中症みたいになって、頭痛がして脱力感とフラフラ感にさいなまれました。

それはそうと、音楽は英国もので涼しく。
ハウェルズは大好きな英国ジェントル作曲家です。
1番は知らねど、2番は知る。
そんな作曲家はたしかに多いですね。
ラフマニノフの1番は、聴いてはいても4番とごっちゃになっていて、すぐには思いだせません。
チャイコフスキーなんて、もっとひどいですね。
2番はともかく3番の協奏曲なんて。
ということで、それらを記事にすることを思いつきました。
雨がそろそろと止むといいですね。

投稿: yokochan | 2013年7月11日 (木) 23時41分

山元さん、こんばんは。
1番がyoutubeにあるんですか!
ニンバスのロマンティックピアノ協奏曲シリーズでしょうかね?
探して聴いてみます。
ハウェルズの音楽の美しさは、そっと楽しみたいディーリアスみたいな抒情派系です。是非。

投稿: yokochan | 2013年7月11日 (木) 23時43分

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