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2013年8月 3日 (土)

ワーグナー 「ニーベルングの指環」③ バイロイト2013

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ドイツの某会社から拝借の画像。

なかなかにシュールなバイロイト写真。

そして、画像のうえでは、思ったほどのことはない雰囲気になりつつある今年の新演出リング。

週末は、残る「ジークフリート」と「神々の黄昏」を。

  ワーグナー  「ジークフリート」

  ジークフリート:ランス・ライアン     ミーメ:ブルクハルト・ウルリヒ
  さすらい人:ウォウフガンク・コッホ   アルベリヒ:マルティン・ウィンクラー
  ファフナー:ゾリン・コルバン       エルダ:ナディーヌ・ヴァイスマン
  ブリュンヒルデ:キャスリーン・フォスター 鳥の声:ミレッラ・ハーゲン

    キリル・ペトレンコ指揮 バイロイト祝祭管弦楽団


        演出:フランク・カストルフ

        舞台装置:アレクサンダー・デニュク  

        衣装:アドリアーナ・ブラーガ・ベレツキ

        照明ライナー・カスパール

             (2013.7.29 @バイロイト)


S1_2


ジークリンデから、息子ジークフリートを託されたミーメは、「マルクス・レーニン・スターリン・毛沢東」らが、まるでアメリカの歴代大統領のように連なるのと、まるで同じ光景に収まる中で、野生児ジークフリートを育てあげる。

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まるで地下組織のようなミーメの住まいは、あきらかに世から姿をくらますためのアジトだ。

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この悩めるジークフリート同志のダークないでたちは、まるでソ連の殺し屋だ。

ジークフリートの鍛冶の金床は、妙にちまちました音で、小さなハンマーで、その部材も細かなもののようだ。

そう、ヤツは、もしかしたらソ連の誇る銃、カラシニコフを作っているんじゃないだろうか?

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バイロイト音楽祭のHPには、その演出のモティーフが毎年象徴的に表示されているが、ジークフリートは、コレですよ(涙)。

1幕が終ると、激しいブーにみまわれてますぜ。

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森の小鳥は、こんなにゴージャスで、アメリカからの使いみたい・・・・。

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ファフナーは、殺し屋ジークフリートに銃で撃たれて断末魔。

激しい銃声が聴こえます。

こんなの、ありか? 冒涜だ!

さすらい人まで、なかよく、死の教訓を聞いてます。(ふたりいる片方はたぶんウォータン?)

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なんだか共産圏風の雰囲気します。

右端には、殺られちゃったミーメ。

ソ連にはガラクタしかない。

それをゴミ袋にいれて採集してきたお疲れのジークフリートに、小鳥は自由の国をささやくのでしょうか???

2幕のあとも、ブー多し。

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なんだか色もの風のエルダ。

柱の世界地図が、ソ連が中心にあり、かの地であることを推量させる。

エルダは元締めか、現役○○か?

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ブリュンヒルデの眠る山も、かつてのアメリカ西部風なところから、このような陰気な賢人たちの足元に。

いやぁーな、雰囲気です。

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とりあえず、ジークフリートは目覚めたブリュンヒルデを、ソ連邦随一のおしゃれなカフェへと案内します。

思想の違うふたりの距離は離れたままなのでしょうか。

ワーグナーの作品のなかで、もっとも幸福感にあふれた二重唱の舞台はこんなです。

3幕終了時には、盛大なブーイングの嵐。

出演者にはブラボー。

いえねぇ、わたしのね、画像だけでの推測がどこまで的を得ているかわかりませんよ。

前作「ワルキューレ」からのつなぎを、最大限結び付けて、自由=財力と思いこんだ指環を奪われてしまったアルベリヒとミーメは、完全なる共産主義者に。
かつての財を奪うために、ひとりの殺人者を育てあげる。
さすらい人は、アメリカンな考えながら、一時はマルクスにも心奪われた。
いまは、なにが正解なのか、さすらいながら傍観してゆく立場と見た。
なにもわからないジークフリートは、次回は世界へと旅立つ。

なんだか、ばからしくなってきた。

こんなこと、なにもワーグナーでやらないでもらいたい。

病的で青白いジークフリートなんて、まっぴらだ。

なんども書きますが、限られた画像から推測するのみで、実際は全然違うかもしれません。

ジークフリート役のライアンは、いまやひっぱりだこの歌手で、今夏は、この3日前のロンドンのプロムスでバレンボイムの指揮のもと、同役を歌っております。
前回のプロダクションでも、歌っていたライアンですが、声の硬さと独特の癖のある歌い回しがどうも好きくない。一本調子にすぎる。
ミーメは、少しやりすぎな感じがとてもいいし、妙に軽めなアルベリヒも面白い。
さすらい人のコッホ、ウォータンのワルキューレの神妙さより、こうした饒舌でアクティブな方がいいかも。
ブリュンヒルデは、ここまで聴いてきたけれど、ワルキューレは良かったが、目覚めのブリュンヒルデは硬質な声が不安感を呼びさます。
神々の黄昏は大丈夫か?


ペトレンコの指揮は、ここでも堂々と、ツボを押さえつつ巧みに進行しております。
単調になりがちなジークフリートをしっかり全体を把握して、見通しよく流れもよく作り上げていると思います。
いま、ここでその印象を書いてるわたくしは、神々の黄昏も聴き、リング全体を確認したうえでおります。
ワーグナーの音楽が軽量化してしまった現在、ペトレンコも例外でなく、これでいいのだろうかという思いもあります。

「神々の黄昏」は、また次回。

やっぱり変だぞ、カストルフ。

Ecwagnercas

え~っ、そんなのいまさら・・・・

バイロイトはさぁ、もっと先を行っちゃってるんだけど・・・・・

姉妹も困った。
 

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コメント

2幕以降は、東ベルリンですね!
今もベルリンにある、ウラニア世界時計です。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E6%99%82%E8%A8%88)

神々の黄昏のお店にある、熊の旗は、ベルリンの旗です。ベルリンにはトルコ系移民が多いです。
Dönner Boxなので、Donnerとジョークでかけてはいないでしょう。

以上補足情報でした。ご参考までに。
それにしても謎の舞台写真ですねー。とても一つのオペラの物だとは思えないような……

投稿: 通りすがりの | 2013年8月 6日 (火) 10時30分

読み人知らずさま、こんばんは。
なるほど、東ベルリンですか、そしてさらに、あの熊の旗はベルリンのものですか。
見たことあるのにわからなかったイライラが解消されました。
しかもドンナーじゃないですね~反省。

こうして、ひとりよがりの画像解析に正確なご意見・ご指摘をいただけるのもネットの効能。
ほんとうにありがとうございます。

画像だけで募るイライラと欲求不満は、理解の及ばない不均一さと、音源で聴く激しいブーイングです。
自分のこの目で確かめてみたいところです。

ありがとうございました。

投稿: yokochan | 2013年8月 6日 (火) 22時27分

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