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2013年8月10日 (土)

「イタリア」 ニコラ・ベネデッティ

Daitoumisaki_4

房総半島、いすみ市の海浜植物群落。

オレンジ色の花は、スカシユリです。

かつては、一面を覆うようにして咲いていたそうですが、最近は盗掘の被害もあり、ちょっと寂しい状況に。

でも、緑とまばらながらのオレンジのユリ、そして青空が美しいのでした。

右手は、まるきりの海で怖いくらいに波が砕けてましたよ。

Nicora_vivardi

  「イタリア」 バロック・ヴァイオリン協奏曲集

   ヴィヴァルディ  ヴァイオリン協奏曲ニ長調RV.208

   タルティーニ   ヴァイオリン・ソナタ ト長調「悪魔のトリル」

   ヴィヴァルディ  ヴァイオリン協奏曲イ短調RV.358

   ヴェラチーニ   「ラルゴ」

   タルティーニ   ヴァイオリン協奏曲イ短調D.115

   ヴィヴァルディ  「まことの安らぎはこの世にはなく」

              ヴァイオリン協奏曲 「夏」


        Vn:ニコラ・ベネデッティ

    クリスティアン・カーニン指揮 スコットランド室内管弦楽団

                     2010.5、6 @エディンバラ、9@ロンドン)


夏の日に取り上げようと思っていた、わたしの大好きなニコラ・ベネデッティのバロックもの。

そう、ニコラたん、こと、ニッキーですの。

Benedetti_7

3年前に録音されたこのアルバムは、イタリアバロック時代の協奏作品を、彼女の地元オケとともに演奏しておりまして、まことにハツラツ、俊敏、そして大らかな、彼女ならではの演奏になっているのでございます。

セールスビデオも拝見しましたが、こちらのジャケットもともに、60年代後半のセピア調のイタリアの街の古家を舞台にモティーフにしているようでございます。

このように画像は、セピアに染まるニコラたん、なのですが、その音楽は、彼女の持ち味である、奔放で明るい、ちょっと男まさりの快活なものなのでした。

「悪魔のトリル」のオーケストラバージョンは初めて聴きましたが、室内楽バージョンと違い、響きが多きすぎて求心力に欠けるうらみはございましたが、ニコラさまの大胆かつ、思い入れの込めたソロには魅かれますねぇ。

おおきなくくりでは英国人ですが、彼女はスコットランド人。
男まさりな大胆さと、繊細さが同居するようなハッキリとしたヴァイオリン演奏です。
その顔立ちも、少しのエキゾシズムと、端正な気品とが同居するお美しさ。
もう、わたくし、メロメロなんです。

予想通りに、きりっと、テキパキと運ばれるヴィヴァルディは、甘さも情緒も少なめながら、その大胆な表現の一方で、緩徐楽章における大らかな歌にはほとほと聴き惚れてしまいます。
その宗教曲から編曲された「まことの安らぎはこの世になく」は、リュートやテオルボも鳴り、古雅な雰囲気の中に、牧歌的にヴァイオリンがシンプルに歌いまくる。
彼女の本領のひとつでしょう。

そして、「四季」は、昨今もっと過激でダイナミックな演奏が多いですが、ここで演奏されている「夏」での、ニコラの演奏は、オケとともに基本ヴィブラート少なめ、ピリオドと呼べるほどじゃない、ほどよい潤いがそこある。
でも侮ってはいけません、ずばずばと弾きまくり、猛然たるアタッカやキレのいい楽想の処理。カッコいいのです。

この次は、是非とも鮮烈なる「四季」を全曲聴かせて欲しい。

そして、本格クラシカルにこだわり、変な路線に向かわないで欲しい。

コルンゴルトに酔わせてもらったから、次はバーバーを弾いて欲しい。

そして、ディーリアスやバックス、ハゥエルズなどの英国ヴァイオリンソナタを取り上げて欲しい。

ファンとは勝手なるのもで、そのような願望は次々と湧いてくるのでありました。

Benedetti_8

はいはい、それでは、この音盤のプロモーション映像をば。

ニッキーの魅力をもっと弾き出す録音を希望!

そしてもうひとつ、録音セッションから。

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コメント

ああ、ニコラニコラ!なんて素敵なバイオリン。少しも奇をてらうことなく素直に正直な演奏を見せて、なお魅力にあふれている!
なにしろカワイ子ちゃんです。最近はビジュアルも演奏水準もきわめて高いバイオリニストが多い。その中でも卓越しています。動画を見てすっかり大ファンに^^
新人にありがちな技術をひけらかすこともなく、バロックの伝統をそのままに演奏している。しかし、魅力にあふれているバイオリン。
今のままで大ファンです。成長に期待するもなにも、今のニコラちゃんのままでオジサンはめろめろなんです^^

投稿: モナコ命 | 2013年8月10日 (土) 22時19分

モナコ命さん、こんにちは。
雨は大丈夫でしたでしょうか。
こちらはクソ暑いし、困った夏です。

そして、熱きコメントありがとうございます。
彼女、ご覧のとおりのカワユサなのですが、各方面から、ビジュアル系の軟弱路線での売込み方式を蹴って、あくまでクラシック音楽化として行くと宣言してるんです。
シマノフスキやコルンゴルトを好む彼女ですから、こちらのバロックものも、なかなか知的で本格的でした。
youtubeに、日本での来日公演がありますから是非ご覧ください。素敵ですよ。

投稿: yokochan | 2013年8月11日 (日) 12時09分

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