チャイコフスキー ピアノ協奏曲第3番 ポストニコワ
高い空に飛ぶ飛行機。
わたしの住む千葉の空は、羽田へ向かう国内線の通り道になっておりまして、多い時には、空に何機もの機体を確認できます。
この時は、風が強く、かなりの上空ですが、ふだんはもっと低空で、機体の文字が見えたりもします。
わたしのような飛行機好きには、たまらないのですが、これを訴えた市民もおりまして、先日NHKでやってましたが、市長さんが、国交省へ陳情しておりました。
あっちを通せば、こっちが出てくる・・・・、隣の人口の多い市区からの陳情を受けて、航路を変えたら、今度は、なんのことない我が方ということになりまして、まったくもってままないのであります。
自衛隊や米軍、さらには空港のもっと至近の方々からしたら、何言ってんだってなことになるでしょうね。
まったくもって、難しい問題でございます。
チャイコフスキー ピアノ協奏曲第3番 変ホ長調 op75
Pf:ヴィクトリア・ポストニコワ
ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー指揮 ウィーン交響楽団
(1982.10 @ゾフィエンザール、ウィーン)
チャイコフスキーの第3番の協奏曲っていっても、ピンときませんよね。
わたくしも、この曲の存在は知ってはいながらも、CDもこの1枚だけを持ってはいても、全然その旋律すら、頭に浮かびません。
この3番の協奏曲は、第1楽章しかありません。
未完といえばそういうことなのですが、それにはかなり複雑な実情もあります。
でもいえることは、この曲が、チャイコフスキーの正真正銘の最後の作品だということ。
WIKIなどを読んでみましたが、ややこしすぎてさっぱりわからない。
CD解説の英文の方がシンプルなものでした。
第5交響曲の成功のあと、自分の生き様ともいえるような壮大な交響曲、そう「人生交響曲」を企画し、取りかかり、そのスケッチもかなり完成させました。
しかし、自己批判かつ自信不足から、出来つつあった新作が、まったく出来栄えが悪く思えるようになり破棄してしまう。
そして、最後の交響曲「悲愴」に着手するのですが、同時進行的に、先の捨ててしまった交響曲の素材を協奏曲として転用しようという思いが芽生え、そちらの作業も並行します。
第6交響曲を完成させ、かの協奏曲は1楽章までで、チャイコフスキーは死を迎えてしまうのでした。
そんなわけで、完成されたのが1楽章だけの第3ピアノ協奏曲です。
弟モデストは、タネーエフに破棄交響曲の素材を用いての、協奏曲の残り二つの楽章の補筆完成を依頼し、完成形をなすこととなりましたが、そもそもが、チャイコフスキーが破棄した交響曲の残り素材。自身が再度編み上げた1楽章以外の素材を他人が使用することに、本人の意思があったかどうか・・・・、そんなこんなで、いまは第1楽章のみが生き残ってるわけです。
ふう、めんどくさい事情がおありなのね、チャイコさん。
そこで、破棄交響曲の完成という、余計な作業をなさる動きも、かねてよりあり、交響曲第7番として、ちょろちょろ出てる音源がそれであります。
あんまり聴きたくないけど、むしろタネーエフ盤の完成3番を聴いてみたいものです。
ポストニコワ&ロジェストヴェンスキー夫妻による演奏は、それはもう立派なものです。
そして、曲は、まわりくどくいけれど、そこそこ幻想的で、ピアノのソロには、ジャズみたいな様相を感じたりもするのはわたくしだけでしょうか。
そして、ちょっと民族的で快活なリズミカルな旋律は、どこか忘れられない雰囲気があります。
1番から3番まで、ピアニストは大変ですが、一夜のコンサートにしても面白いかもしれません。
チャイコフスキー、好きだな。やっぱり。
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コメント
こんばんは。
イブラギモヴァのベートーヴェン・ヴァイオリン・ソナタを二泊三日で行って来ました。
これが今年の当方のささやかな夏休みでした。
席は良い席とれず、1列目左端。
直接音が聞こえず、イブラギモヴァが大変優しい音を出すようになったように感じました。
CDのブックレットをあつかましく思いましたが12枚持って行きました、一日目で全部サインして下さいました。最終日、後方でいい大人が下品な言葉で、けんかしてました。残念です。1日目・2日目のアンコールでのシューベルトが予想外で素敵でした。
投稿: Mie | 2013年9月21日 (土) 19時48分
Mieさん、こんにちは。
王子ホールの3連ちゃんですね。
不覚にも、イブラギモヴァは聴いたことがなく、ウィグモアホールライブのCDを店頭でみて、その名前とともに、気になっていた存在でした。
いい遠征コンサートも、つまらぬごたごたで興ざめですね。
なんで、音楽を聴きにきて、そうなるのか、理解に苦しみます。
ともあれ、12枚(!)のサインと、素敵なアンコール、なによりの成果でした。
わたしも、イブラギモヴァを聴いてみたいと思います。
投稿: yokochan | 2013年9月22日 (日) 00時39分