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2013年10月19日 (土)

神奈川フィルハーモニー第293回定期演奏会 広上淳一指揮

Minatomirai20131018

これから聴く音楽会にちょうどお似合いの写真が、いい感じに撮れましたよ。

Kanapo201310

  ブリテン   ヴァイオリン協奏曲

  ラヴェル  「カーデッシュ」(ふたつのヘブライの歌)から

          Vn:ダニエル・ホープ

   ホルスト   組曲 「惑星」

      広上 淳一指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
                 神奈川フィル女声合唱

           (2013.10.18 @みなとみらいホール)


近代英国音楽の夕べ。
生誕100年のブリテン(1913~1976)と、最近、先月のアルプス戦争とともに、各オーケストラがよく取り上げ、惑星戦争ともなっているホルスト(1874~1934)の人気曲。

英国音楽好きとしては、今シーズン、楽しみにしていた演目のひとつ。

世界的存在、旬の英国ヴァイオリニスト、ダニエル・ホープさんを迎えてのブリテン。
背の高いダニエルさんと、鮮やかな対比の広上さん。
指揮台にたってもまだ、ダニエルさんの方が大きい(笑)

そのポール・ダニエルさんの先導で、ブリテンの音楽は進行し、オーケストラもヴァイオリンソロが引っ張って行くような印象。
それはそうです。
CDも録音してるし、すっかり手のうちに入った曲ですから。
ヴェンゲーロフのCDと、同じヴェンゲーロフの自家製放送録音のサヴァリッシュ、大植英次、ヒコックスなどの音源で、ようするにヴェンゲーロフばっかりで聴いてきたわたくし。
いわば、骨太で雄弁なヴァイオリンで聴いてきたワケです。

しかし、冒頭の親しみある旋律から、ダニエル・ホープさんのヴァイオリンは繊細。
その繊細さは、曲が進むにつれ、大胆さと抜群の切れ味も加わって、耳が、心が釘づけとなってしまうのでした。
超絶的に難解技巧のこの曲を、いとも鮮やかに弾くその顔色は、まったくのポーカーフェイス。
ブリテンの音楽は、ともかくクールで熱いのですが、ダニエルさんのヴァイオリンも同じく、クールでその内包するサウンドは熱い。
驚きの技巧は、第2楽章の最後にある長大なカデンツァ。
しなやかに、かつ激しく、弓は上下し、左手でもピチカートを奏でる。
それがこれみよがしにならずに、正攻法で勝負してるから、とても音楽的で、聴く人を内面から引きつけるものがある。
当然に、指揮者は見ずに、わたしは、ヴァイオリンソロに目も耳も集中。

神奈川フィルも最高に素敵なブリテンを響かせてる。
ブリテンの音楽は透明感と切れ味の良さ、そしてしみじみ感が大切。
そのいずれも、オーケストラは完備してました。
後半の演目を聴くにおよび、これは、ダニエルさんの効果によるものと自身判明。

それにしても、ブリテンの音楽はすばらしい。
オペラを中心に、そのほとんどの作品を聴きつつありますが、常套といってもいいくらいに、曲の最終局面で、感動的なシーンが待ち受けている。
それはたいてい、曲全体を見通すようにして回顧したり、主要主題が最高の姿で回帰したり、はたまた、急展開でバッと終ったり。
そして、このヴァイオリン協奏曲は、5分近くに及ぶアダージョが訪れ、澄み切った浄化されたかのような世界が静かに、感動的に展開します。
ダニエルさんのヴァイオリンが、どんどん、どんどん、高みに昇るようにして飛翔し、秋空のように澄み渡って行くさまを、息がとまるほどのの感動を持って聴きました。
オーケストラの皆さんも、一緒に耳を澄ませているのもわかります。

静かに曲を閉じて、わたくしは、つぶやくようにブラボー献上。

もうこれで、この日はいいや、とも思いましたが、でもホルストですよ、「惑星」ですよ。

指揮棒を持たない広上さんの動きは、正直いって、つらい。
何が辛いかって、面白過ぎるからですよ。
後ろから見ててもオモシロ姿なのだから、オーケストラの皆さんはよく辛抱できるな。
いや、体操は見てないわ(笑)
P席のお客さんも、よく平気だな(笑)
あとで、聞いたら、P席でお二方ほど、笑いをこらえてクスクスしてるご婦人がいたそうな(笑)。

辛口の評価になりますが、いくつか不満を。
1、大すきな金星がせかせかしすぎで、平和を司るヴィーナスもあわただしく過ぎ去るの感あり。ホルン女子ちゃんも、毒に煽られ気の毒。しかし、石田&山本のソロは完璧に自分の世界を供出。
2.音の濁りが散見。指揮者のコントロール不足か、バランスが悪いヶ所数点あり。
3.女声合唱がリアルにすぎ、かつ人数多過ぎ。
しかも照明を明るくしたのは失敗では?神秘感吹っ飛んだ。
2階左右に振り分けたステレオ効果はバッチリだったが・・・・。

でも素晴らしいこともたくさん。
いつも感嘆するティンパニ。そして今回はダブルティンパニでばっちり。
打楽器群は超強力。
木管の柔らかさ。ことに4人のフルート勢ぞろいと、4人の各種オーボエは圧巻。
ファゴット陣も雄弁。
煌めく金管も好調ですね。
弦楽器はいうに及ばす、素敵すぎます。
こうして、神奈川フィルは、この夜も好調なのでした。

次は、しばらくぶりにブラームス。そしてラフマニノフ。
いずれも3番です。ブザンソン優勝の垣内さんの指揮。

Bludal

神奈川フィルのマスコット、ブルーダル君。

ビールに向かってるのか、うしろ姿を見せてますよ。

今回のアフターコンサートは、和食系でまいりました。

ビールに焼酎、わたくしは、しみじみと、熱燗をいただきましたよ。

みさなまお世話になりました。

そろそろ、忘年会のことも話題になる季節となりました。

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