シチェドリン 「カルメン組曲」 プレトニョフ指揮
ハロウィンなんですって。
かぼちゃを飾ることから、年々、日本にも定着していったハロウィン。
ここ数年は、仮装が繁華街ではスゴイことになってますね。
30日の晩、渋谷で飲んだあと、もう10時を回ってましたよ、道玄坂のドンキ前。
あまりリアルに写真撮っちゃいけないけど、すごい人たちがもっともっとあふれてましたよ。
そもそもハロウィンは、アイルランドやスコットランドのケルト族による魔よけ的な風習から始まったもの。
だからキリスト教とは本来は関係ないものだけど、カトリック系以外は、容認の風習。
宗教とは関係なく、秋の楽しみとして、極東日本でも流行っても、とくにどうという思いはございません。
でも、みんな仮装して電車乗って繁華街に出てくるから、勇気あるよ、まったく。
コスプレってのは、そんなものなのかいな?
と、オヤジのひとりごと。
シチェドリン 「カルメン」組曲
ミハイル・プレトニョフ指揮 ロシア・ナショナル・オーケストラ
(1998.2 @モスクワ)
旧ソ連の作曲界の重鎮、ロディオン・シチェドリン(1932~)の代表作はこれ。
体制的なところもあったでしょう、ショスタコーヴチと同じように、交響曲やピアノ協奏曲、24のピアノの前奏曲、オペラ、バレエなどを、たくさん書いてます。
アンコール曲などでも、前奏曲やバレエの一部が演奏されるようになってきましたが、やはり、この「カルメン」と、5曲あるピアノ協奏曲が有名か。
ピアノ協奏曲を聴いたことはありますが、正直、いまひとつ。
やはり、この「カルメン」が、実にいけてる。
あと、オペラでは、「アンナ・カレーニナ」が長大そうで、妙に気になる。
このシチェドリンさんの奥さんは、バレエであまりにも有名な、ザ・白鳥の湖みたいな、マイア・プリセツカヤさんなのですよ。
もう半世紀以上も連れ添った姉さん女房。
1967年、冷戦真っただ中、その彼女の属したボリショイバレエが、ビゼーの「カルメン」のバレエバージョンの編曲を企画し、ショスタコーヴィチとハチャトリアンに依頼するが、それぞれに断られる。
なんのことはない、旦那のシチェドリンが受け持つこととなりました。
45分あまり13の組曲からなる大弦楽オーケストラと打楽器による「カルメン」から自由に素材を導入した、カラフルなバレエピースが出来上がった。
ここに、13の場面をあれこれ、分析する要もないですが、オペラの進行順とは関係なしに、自由にイメージを採用して曲は進行し、同じビセーの「アルルの女」から「ファランドール」やオペラ「美しいパースの娘」からも採用して、旋律のうえでは、ビゼー・カラーを打ち出しております。
ところが、出てくる音の華やかさと、禍々しさは、痛快このうえないものなのです。
ロシア臭は薄目で、というか、変幻自在のショスタコ風とも申せましょうか。
オケは金管がないのに、弦は唸りを上げるように、ときに激しく、悩ましいのですが、一番、あっぱれなのが打楽器の数々。
あらゆる打楽器を駆使した見本市みたいな、おもろさ満載なんです。
ハバネラの一節を奏でるチューブラーベルの冒頭と最後の扱いが、印象的なのだけど、静かにおさまったその後にくるアラゴネーズの大爆発が絢爛豪華なものだ。
そこでも小太鼓やティンパニが効果的だし、ほかの曲でも、イケイケの気分を盛り上げてくれるのは、パーカッションの数々。
ここにその打楽器群の数々を羅列するとページが埋まってしまいますので、ネットで見てください。
数えたら実に35種類の打楽器ですよ。
そして、管楽器・金管楽器はありません。
打楽器のほかは、分厚い弦楽器群だけなのです。
こんなナイスな曲はありませんぜ。
ビゼーもびっくり、スペインやフランスの味わいは、この痛快なサウンドにかき消されてしまい、無国籍濃厚カルメンに仕上がっているのです。
プレトニョフ盤は、実に丁寧かつ、細部に目を凝らしたバランスのとれた演奏です。
欲をいえば、無難にすぎるとこ。
もっと激しく、華麗に、暴れてもいいかも。
生真面目なプレトニョフさんは、カルメンの運命を一生懸命考えて演奏したのかも。
かつて、ロジェストヴェンスキーとモスクワ放送とのレコードがあって、FMで聴いたことがある。
探せばCDになっているかもしれないけど、あのロジェヴェンさんのオモシロ指揮をもう一度聴いてみたい。
そして、FM放送を自家製音盤化した、現田茂夫さんと京都市響の演奏が、実は最高に素晴らしい。
なにが素晴らしいかって、きらきらゴージャス、金ぴかサウンドなんですよ。
だから、これ、現田さんと神奈川フィルで演奏してもらいたい!!
お願いします。
| 固定リンク
コメント