ショスタコーヴィチ 交響曲第8番 プレヴィン指揮
この大きな鳥居は、靖国神社の第一鳥居で、高さは25mだそうです。
先日、市ヶ谷に用事がありまして、そのあと神保町に向かって靖国通りを歩きました。
なにかとよからぬことをする輩もいるものですから、警察の方々もそこここに。
それでも都会のど真ん中にある神社ですから、外国の観光客もそこそこいらっしゃいましたね。
ショスタコーヴィチ 交響曲第8番 ハ短調
アンドレ・プレヴィン指揮 ロンドン交響楽団
(1992.10 @オール・セインツ教会、ロンドン)
交響曲でいう「第8番」は、ベートーヴェンが規模的には短め・軽めの作品を残し、第9との対比で交響曲史上稀にみる前例を残したが、それとは逆のパターンをやってしまったのがショスタコーヴィチ。
7番、8番と第二次世界大戦中の大作を書き、勝利に終わった戦後、だれしもが壮大な規模と感動をもたらす巨篇としての第9を期待していたところに発表されたのは、軽快で小ぶりな9番だった。
こうした軽い裏切りともとれる肩すかしを、ショスタコーヴィチは意図的にやるところがあって、それは、例の証言にもあるような隠された秘密などとは程遠い、悪戯のような、遊びの境地ではなかったのではと思ったりもします。
死人に口なし、早々に死んじゃったから真相はわからないけれど、ショスタコーヴィチの音楽はあれこれ詮索せずに、その音楽を純粋に聴き親しむの限ると思ってる。
もちろん、いろんなニュアンスが満載の多面的な顔を持ったその音楽だから、時には、時代背景や、当時のソ連のことなども考えて、想像をたくましくして聴くのもよし、です。
この8番は、67分という長さを持ってますが、全体の色調はともかく暗くて憂鬱。
過去記事から以下引用します。
>全5楽章、そのうちを、演奏時間で40%近くを第1楽章が占めるといういびつなバランス。
しかも、その1楽章は中間部に強烈なアレグロ部分を有するアダージョ楽章であって、その冒頭部分とともに第5交響曲を連想させる。
この楽章は、今や聴き古して表層的に思えてきてしまった第5の1楽章と異なり、聴くほどに深く激しく孤高な音楽として迫ってくるものがある。
同じように深みある音楽が第4楽章のラルゴ。
パッサカリア形式の人類への葬送行進曲のような、何とも言えず内面的な音楽で、前楽章の大音響から休みなく始まり、皮相的な終楽章にそのまま連結している。
リズミカルな動きが妙に楽しく、そして虚しくもあっけないスケルツォの第2楽章。
こちらもリズミカルだが、もっと強烈かつ行進曲的で激しい第3楽章。
先のラルゴをはさんで、妙に楽天的かつ捉えどころのない終楽章は、途中驚くべき悲劇への逆戻りのカタルシス大音響が待ち受けているものの、すぐさま妙な明るさを取り戻し、最後のピチカートを伴った消えゆくようなエンディングに収斂していく。
この満たされない終わり方。
ここに明るいきたるべき未来を見るか、戦争や悲劇はまだ続く、と見るか・・・・。
私には、どちらかわからない。<
なんだか今夜はよく眠れそうにないな・・・・。
だからムラヴィンスキーの演奏はまったくすごいし、コンドラシンもキッレキレだけど、わたしには、このプレヴィンやハイティンクの、ある意味優しい演奏の方が好きだな。
静かな場面に、プレヴィンのマイルドさがとてもよく出ているし、LSOの優秀さもばっちり受け取れる録音の良さも特筆もの。
EMI旧盤も最近復刻されたので、聴いてみたい。
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コメント
今晩は、よこちゃん様。 最終戦も終わってしましたが、感動的な試合でした。ニュースを見て涙目になっていました。今年も名選手が引退です。 中でも広島の前田選手とヤクルトの宮本選手は大好きな選手ですのでしんみりしてます。
三浦大輔選手のその日が来なけりゃいいのに…です。
投稿: ONE ON ONE | 2013年10月 9日 (水) 01時04分
こんなCD,あったんですね。知りませんでした。
ショスタコヴィッチ、本当に聴くなら、4番。8番。ですね。ぼくなら。
8番は、むかーし、NHK-BS2のベルリンフィルの生中継。K.ザンデルリング指揮が一番好き。その次は、ハイティンク指揮、最近になればなるほど、好き。
8番の生演奏は、アシュケナージ指揮N響。海外ツアー用のプログラムのとき。しか知らない。
4番、やっぱりハイティンク指揮が一番 。異色なのは、インターネット放送分、ユッカ・ペッカ=サラステ指揮BBC交響楽団。
8番、なかなか、やろうとすると、コストがかかるから。大きい曲って、出演する人、エキストラ呼んでくる必要のある団体もあるだろうから。。
***今、仕事、やってません。人脈作り中。。ハローワーク通じてほど、ろくなことにはならない。労基署通じて、交渉中。。体力あるけど、性格的に、福祉関係の仕事へ行くでしょう。。社会福祉協議会でボランティア。しながら情報収集へ。
資金的体力あるなら、’指輪’を観にAmsterdamの1997年以来、4度目のチクルス上演だそうで。2月に行きたい。お金があるならば。
***ところで、***
ストレス溜まっているときに聴くのは、8番の3楽章。4番の1楽章の展開部。あと、10番の2楽章。11番全部。
ストレス溜まってないときは、6番の3楽章。ですね。。
投稿: 次の仕事への暇人 | 2013年10月 9日 (水) 09時33分
ONE ON ONE さん、こんばんは。
そうですね、今年は地味だけど、味のある引退選手が多い。
あげられた二選手なんか特に、球団の垣根を超えて、ファンとして応援もしてきた選手たちですもんね。
そして、わたくしにはなんといっても小池クン。
横浜高校時代からずっと見てきた選手。
思えば、中日に出たことがもったいなかったかな。
まだまだやれる、でも、この最後は、本当に美しかったし、子供たちの涙も本当に無垢なものでした。
第ニの人生も応援したいです。
ラミちゃんとひちょりは、新天地へ移動しますが、ふたりともベイにまた帰ってきて欲しいと熱望します!
そして番長に引退はないことと確信したいです!
投稿: yokochan | 2013年10月 9日 (水) 23時17分
次の仕事への暇人さん、こんにちは。
まいどありがとうございます。
このプレヴィン盤はあまり評判になることもなかったですが、なかなかの演奏だと思ってます。
そして一番素晴らしいと思ってるのがハイティンク盤です。
ハイティンクはよほどこの作品が好きらしく、FMライブでも、何種類もあります。
4番は、わたしも大好きで何種類もそろえてしまいました。やはりここでも、ハイティンクのシカゴ盤です。
ショスタコの曲は落ち込んだりしてると余計に落ちますが、ご指摘の曲たちは、スカッとさせてくれますね。
大いに同感です。
そして無類に好きなのが6番の3楽章だったりします。
よきお仕事に巡り合えるといいですね。
まったく余裕のない日々ですが、わたしもいつかはリング巡礼にまいりたいものです。
投稿: yokochan | 2013年10月10日 (木) 07時31分