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2013年10月15日 (火)

ホルスト 「サーヴィトリ」 ヒコックス指揮

Yasukuni2013103

前にも出しました、都会のど真ん中、靖国神社の日本庭園。

池にはビルも映ってます。

騒音ゼロ、静かな雰囲気に、気持ちも研ぎ澄まされます。

Holst_savitri

   ホルスト  歌劇「サーヴィトリ」

    サーヴィトリ:フェリシティ・パーマー サティアワン:フィリップ・ラングリッジ
    死神:ステファン・ヴァーコー

     リチャード・ヒコックス指揮 シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア
                      ヒコックス・シンガーズ

                         (1983.6 @ロンドン)


グスターヴ・ホルスト(1874~1934)は、前にも書きましたが、生粋の英国人ではなく、父方はスゥエーデン。
ゆえに、グスターヴという北欧風の名前なのです。

そして、ホルストといえば、判で押したように「惑星」なわけですが、作品番号が付いているだけでも、200曲以上の作品があり、その主力は、声楽・合唱作品にあるとみていいと思います。
もちろん、管弦楽作品にも捨てがたい曲がいくつもあって、「エグドン・ヒース」などは、最高に素晴らしい曲だし、数々の組曲作品も捨てがたいです。

主力の声楽作品では、「合唱交響曲」や「雲の使者」などは、わたくしの最も好きな作品ですし、しゃれたパートソングの数々も涼しげで心地よい音楽たちです。

さらに、オペラのジャンルでは、8つの作品(うちひとつは未稿)が残されました。

ホルストは、親友のヴォーン・ウィリアムズとともに、イギリス各地の民謡を収集し、それらは素敵な合唱作品の一部に結実していて、いかにも英国風な趣きがあります。
 一方で、若い日々から、インドのサンスクリット文化にも感化され、東洋風なエキゾシズムにあふれた音楽もいくつも書いている。
「惑星」における占星術的な思想も遠からずこの分野から発したものでありましょう。

そのサンスクリット文学から、叙事詩「マハーバーラタ」に素材を求めたオペラ「Sita」を1906年に完成し、リコルディ社から発刊。
その初演も行われないうちに、今度は「ラーマーヤナ」の中からの一編を抜き出して、次ぎなるオペラを作曲したのが1908年。

それが、「サーヴィトリ」であります。

大きな前作に比べ、こちらはミニオペラで、登場人物も3人。
オーケストラは12人の奏者だけ、合唱は女声によるアカペラのみ。
約32分くらいのコンパクト・オペラです。
ですから、筋立ても大仰なものでなく、寸劇みたいな動きの少ない、かつ内面的なものでもあるんです。

劇の概要

ある森のなか、晩。

前段として、貞淑な王女サーヴィトリが結婚した相手は、スティアワン。
ところが彼の余命は結婚当初すでに1年。
あともう時間のないある晩のこと・・・・・

「死神(マヤ)がサーヴィトリの名を呼び、自分は誰もが必ず通らなくてはならない道であり門であると呼びかける。
サーヴィトリは、ただならない雰囲気に緊張する。
サティアワンは、サーヴィトリの名を口にして讃えるが、不調を訴え、やがて手にした斧も落としてしまい力が抜けてしまい倒れる。
 サーヴィトリは神様に、夫なしには生きていけない、活き返らせて欲しい、さもなくば、自分の命をと懇願する。
神への訴えは、死神マヤをも屈服させ、サティアワンはよみがえる。
死は、人間の活きる夢を統治するのだ、と核心的なことをつぶやき、消え行き、サーヴィトリは汝とともに・・・と最後に歌う。」

というような内容かと。

英語の歌詞はついてますが、これがまたどうにもわからない。
普通のオペラのように、惚れた腫れたの会話じゃなくって、観念的な言葉が並んでて、約しようがない。
なんのことはない内容だけど、ラーマーヤナによれば、サーヴィトリは、「40人の子供を産みます」と宣言。死神も、それはいいね、頑張りなさい、みたいなことを言って奨励するんだけど、サーヴィトリは機転を利かせて、「わたしゃ、サティアワンじゃなくちゃ駄目なのさ」と開き直って、見事活き返させるということになるらしい。
そして、ふたりは、ほんとうに子宝にめぐまれ、サーヴィトリは良妻賢母の代名詞みたいに祀られてるってわけなそうな。

音楽は、かなりに神秘的かつ東洋風で、あっちの世界にも足を踏み入れたみたいな彼岸な雰囲気もまんまんです。
冒頭の死神さんの、無伴奏での歌の怪しげな様子、甘々のサティアワンは、いかにも英国テナーの声にぴたりの役。
無伴奏女声コーラスは、後半になると、サーヴィトリの神との対話や、よみがえりの場面での伴奏となっていて、これがまた清らかかつ、神がかった雰囲気。
惑星の「土星」みたいな老成化したムードも死神の歌には出てくる。

万人向けでは決してありませんが、ホルストの一面を端的に味わえることには違いありません。
カレーは食べたくなりませんが、不思議の国インドを思い描くこともできる作品です。

ホルストは、じつにおもしろい。

3人の英国歌手は完璧にクール。
ときおり唸り声も入る、ヒコックス入魂の指揮です。

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コメント

不勉強ながら、ホルストが8つもオペラをものにしているとは思いませんでした。
EMIのホルスト・ボックスでホルストの二つのオペラを知りました。「パーフェクト・フール」も元はオペラなんでしたっけ。娘さんのイモージェンとブリテンが補作した「さまよう学者」と「ポアーズヘッドにて」。その二つだけで、ホルストのオペラ作家としての資質の高さを知りましたよ。「ポアーズヘッドにて」なんて最高デスッ!
「サーヴィトリー」、お蔭で俄然興味が湧いて参りました。yokochanさんにはいつもThank you です。

投稿: IANIS | 2013年10月17日 (木) 01時04分

IANISさん、毎度どうもです。

かくいうわたくしですが、ホルストのオペラは、これからのチャレンジです。
東洋風な素材が多そうですが、親しみやすいメロディにことかかないと思ってます。
ピアノ作品や交響作品を次回また出そうと思います。
「ボアーズ・ヘッド」は素敵な曲でしょ。

サーヴィトリは、いっちゃってる感あるオペラですが、妙に耳に馴染む音楽だと思います。

投稿: yokochan | 2013年10月17日 (木) 22時16分

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投稿: メンズ 洋服duvetica | 2013年11月12日 (火) 19時58分

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