ボロディン 「だったん人の踊り」 小澤征爾指揮
秋のまっさかりです。
連休も終わり、どこにも行かなかったワタクシは、駅のディスプレイを見て、なごんでおるのです。
リスに、赤とんぼまでいますよ。
でも、このお休みは、日本シリーズがことのほか喜ばしかった。
こうでなくっちゃいけない、そんな結末でしたよ。
日本を明るくする出来事のひとつでしたね。
オレンジ色のファンの方には、来年も申し訳ありませんが、今度はわが方ベイ軍に頑張らせていただきますよ。
ボロディン 歌劇「イーゴリ公」~「だったん人の踊り」
小澤 征爾 指揮 シカゴ交響楽団
(1969 @シカゴ)
なんだか忙しくて、土曜の晩以来、音楽も聴く暇なく、月曜の夜遅くになっちまいました。
意図しなかったけれど、ダンス系の音楽を聴いていたことに気付いた(笑)。
短くて、モリモリした曲で、しかもロシアと思って、即コレ。
小澤さんの、44年前の記録から。
CBSとRCAに録音を初めていた小澤さんは、シカゴのラヴィニアで活動するようになって、EMIにシカゴ響と録音を始めた。
CBSには、トロントとニューヨークフィルとロンドンのオケと少しだけ。
RCAには、トロント、ボストンやロンドンのオケと。
ヨーロッパの老舗EMIは、当時、やはりレーベルとしての格の違いがあった。
やがてパリ管との組み合わせも実現し、日本人を喜ばせてくれました。
70年代前半は、そんな小澤さんの活動で、日本では、日フィルとのコンビがフジテレビで見れる時代。
艶やかさと、伸びやかさが身上の生き生きした表情。
ごつさや、威圧感や腹に響く重厚な迫力は、ここにはありません。
しかし、リズム感のよさと、弾みっぷりは、あの当時のレコード界を飾った巨匠たちの演奏スタイルにはなくって、目の覚めるような軽快さとスピード感は、世界の聴き手に新鮮な驚きを与えたに違いありません。
緩やかな歌い回しもとても上手なものですから、オケが気持ちよく付いていってるのがよくわかります。
ピチピチで小ざっぱりの小澤さんの音楽は楽しく、聴くわたくしの脳波にも若い刺激を与えてくれますよ。
全曲盤を映像や音でも持ってますが、いまもって聴き通したことのない「イーゴリ公」。
長すぎなのです。
ワーグナーなら、まったく苦にならないけれど・・・。
だからしばらく、いや、この年になったらもう無理かな、全曲制覇。
キエフの大公、イーゴリ公とだったん人たちとの闘いのドラマ。
だったん陣営での、コンチャク・カーンのイーゴリ公へのもてなしは、だったん人たちの男と女のなまめかしさと勇壮さの入り乱れる華やかなものでありました・・・・。とさ。
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コメント
ボロディン イーゴリ公、むかーし20年前、ボリショイオペラ公演にありましたよね。
アレクサンドル・ラザレフが来日直前に音楽監督解任されて、別指揮者に変えて公演しましたね。
確か、終わり方が通常と違っていて、だったん人の踊りを一番最後に持ってきて、締めくくる。でしたっけ。
このあと、2009年までの来日がなかったですよね。
ちょっと以前に、チューリヒオペラのウラディーミル・フェドセーエフ指揮、D.パウントニー演出。エギルス・シリンズの主役。あと、日本で’新国’の蝶々夫人を歌ったオルガ・グリアコワ。を観ました。
このときで、フェドセーエフは、チューリヒと建設的に’Bye Bye’。
(ハンブルグとの共同制作、ハンブルグは、東日本大震災で損をした、クリスティアン・アルミンク指揮)
踊る踊る。廻る廻る。踊りとりつかれ、艶かしく酔いしれる、土俗的な演奏が、本当に少ない、今日の演奏。。
何でも、都会的な洗練された演奏。だから、金を払っても行きたい演奏がないです。
投稿: ドッタンばったん人のせわしない踊り | 2013年11月 7日 (木) 18時33分
ドッタンばったん人のせわしない踊りサン、またもやエグイお名前で(笑)
20年前のボリショイは記憶にありませんが、もっと前の万博のときのボリショイでも、これを上演しました。
指揮は、若きシモノフ。
NHKでやってたのを覚えてます。
あとは、ハイティンクのコヴェントガーデンの映像。
どうも苦手です。
やはりヨーロピアンに洗練されてきているロシア土着風土。音楽面でも、ロシア風の土臭さ、ドシンドシン、金管ブラブラ的な演奏は希少なものになりつつあるんですかね?
投稿: yokocan | 2013年11月 9日 (土) 13時54分
お久しぶりです
最近、ボロディンの音楽を良く聞きます。中央アジアの平原にて、弦楽四重奏曲などです。
いい意味で力の抜けた曲調、あまり自己主張しないけれども心地よいメロディーが、仕事のBGMにいいですね。
チャイコフスキーほど濃厚でない、他のロシア系作曲家に比べるとあっさりというか、洗練されているというか...それでも、ロシアの香りはする...そんな感じでしょうか。
彼が本格的に作曲をしていたら、どんな曲を残したのだろうと思いつつも、日曜作曲家ならではの良さがあったのか・・・と考えます。
作品数が少ないので、ハマるほどではないんですが、機会ある毎に聞きたくなる作曲家です。
投稿: udon | 2014年11月29日 (土) 16時45分
udonさん、こんにちは。
おーい、お茶のCMで、この曲なんだっけ、と思いだせなかったのですが、ボロディンのカルテットの1楽章でした。
2楽章もあの美しさ。
おっしゃるように、いいメロディー書きますね。
交響曲を聴きたくなりました。
これから迎える冬にも相応しく、いいタイミングで、コメントいただき、ありがとうございました。
投稿: yokochan | 2014年11月30日 (日) 14時33分
合唱指揮者で評論も書いておいででした故・福永陽一郎さんや、在阪の評論家出谷啓さんの御著書によると、例のあの事件以来某公共放送は、小沢さんが欧米のオーケストラを振って録音していた多くのLPを一切取り上げない時期が、在ったらしいですね。福永さんが『昨年10月にNHKは小沢のベートーヴェン/第九のレコードを放送した。これは一部の人々を、驚かせた。もう何十枚も名曲のLPが小澤の指揮で発売されているにもかかわらず、NHKのFM放送のレコード番組で、小澤のレコードが発売されることは絶対になかったからである。』と、書いておいででした。ですので、EMIやRCAに録音なさって居た気鋭の新進時代の小澤さんの新譜を聞こうとするなら、購入するしか手段はなかったのでしょうね。あの事件が御双方にはたで想像する以上の深く根強い禍根を、残したと言う訳でしょう。今回は少し厭な話題で、御許し下さい。
投稿: 覆面吾郎 | 2020年8月30日 (日) 19時47分
先日送信させて戴いたコメントのうち、福永さんの文章を引用した箇所の最後、『小澤のレコードが放送される事は‥』の誤りです。『放送』が『発売』に、なっておりました。
投稿: 覆面吾郎 | 2020年9月 2日 (水) 00時05分
訂正も含めまして、情報ありがとうございました。
そうでしたか、海外のライブでは、ベルリンフィルやザルツブルクでの小澤さんの演奏は放送されてましたが、音盤は皆無だったのですねぇ・・・
どうもあの公共的な局は、やることなすこと堅苦しいですね。
今も昔も(笑)
投稿: yokochan | 2020年9月 2日 (水) 08時52分
まぁ、人間と言うものは、忌まわしい事はいつまでも忘れない性‥さが‥が、ございますので。嫌で辞めた元の勤め先、解雇された転職先等は二度と口にしたくない、けど忘れ去りたいけど心の片隅に‥みたいな、ものでしょうか。例えが不適切ですけれど‥。けど、小澤さんのRCA、EMI時代の旧譜も今でこそ輸入盤ボックスに纏められ、御手頃価格で陳列されておりますが、この当時の東芝のAA-8000番台、日本ビクターのSHPやSRA規格の新譜LP、購入には当時の物価及び貨幣価値を考えると、高い買い物でしたでしょ
投稿: 覆面吾郎 | 2020年9月 2日 (水) 10時58分
うね。当時の小澤さんの話題の新録音を気ままに買える層の方々も、そうそう居られなかったかと、お察しします。
投稿: 覆面吾郎 | 2020年9月 2日 (水) 11時01分
そうですね、でも、年月がそうした忌まわしい思いを変化させてくれるものとも思います。
違う境遇で、そこに生きざまを見いだせたら、過去は過去として位置して、それもまた思い出みたいになると思います(なればいいと思います(笑))
レコード1枚、1800~2800円の時代を過ごしたものとしては、いまのボックスものは嘘みたいで、それこそ憎たらしいです(笑)
投稿: yokochan | 2020年9月 8日 (火) 08時50分