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2013年11月12日 (火)

テレマン 「ハンブルクの潮の満干」 ピケット指揮

Shibaura_3

芝浦運河の一部です。

このあたりは海岸でした。

海水浴場になっていたらしい。

信じがたい都会のひとコマ、江戸時代は、この海辺を見ながら東海道中。

Telemann

 テレマン 管弦楽組曲「ハンブルクの潮の満干」~水の音楽

    フィリップ・ピケット指揮 ニュー・ロンドン・コンソート
         
                     (1996 @ロンドン)


テレマン(1681~1767)って、よくよくその生没年を見たら86歳まで長生きしたんですね。
どうりで、その作品数はやたらと多いに、オールジャンルに渡ってます。
でも、地味な存在なのです。

バッハやヘンデルとまったくの同時代人であることで、彼らがあまりにメジャーなものだから、かえって日が当たらない印象を残してきてしまった。
でも、昨今は広く聴かれるようになりましたね。

一番の有名どころでは、ターフェル・ムジーク(食卓の音楽)、トランペット協奏曲、そして今日の管弦楽組曲。
あら、いまウィキしましたら、この方、作品数ダントツで、ギネス保持者じゃないですか!
消失・未発見を含めて4000曲。
とんでもない数です。
テレマンの音楽全集を作るレーベルがあったら、それこそギネス級ですな。

バッハやヘンデルのドイツ的な厳格な音楽にくらべると、テレマンは、もう少し華があって、ある意味でフランス風のギャラントな香りもします。
そのあたりがまた、数の多さとともに、ドイツでメジャーになれなかったところでしょうか。っ声楽作品やオペラなど、バッハになかったジャンルを一度聴いてみたいと思ってます。

テレマンの水上の音楽とも呼ばれるこの組曲は、1723年のハンブルクの海上保安庁設立100年に際して書かれたものらしいです。
エルベ河口の歴史ある港湾都市の古を偲ぶようにして聴くことのできる、たおやかで、優美さも感じる序曲と9つの組曲です。

 序曲
 1.サラバンド「まどろむテティス」  2.ブーレー「目ざめるテティス」
 3.ルール「恋するネプチューン」  4.カヴォット「戯れるナイヤードたち」
 5.道化芝居「ふざけるトリトン」    6.「暴れるエオリス」
 7.メヌエット「好まれる西風」     8.ジーグ「潮の満干」
 9.カナリー「陽気な舟人たち」


こんな感じの曲たちで、急緩急の序曲が10分あまりで、ほかは1~2分の楽しい小曲たちです。(恋するフォーチュンクッキーは入ってません~笑)

オーボエ、リコーダー、フルート、弦楽4部、ファゴットを加えた通奏低音による構成。
各曲で編成も変わり、曲もさまざまな各国の舞曲で、その多彩さはなかなかのもので、聴いていて無条件に楽しく、あれこれ考える必要もございません。
そこがいいとこ。

Teleman

かつて、中学生のときに、コンサートホール・レーベルからこの曲やトランペット協奏曲を組み合わせたレコードが出ていて、何故か購入しました。
バロック音楽そのものが珍しくて、無性に欲していた時分でした。
当然に現代楽器によるもので、パリの楽団のものでした。
のんびりとした、ちょっと田舎くさい演奏だったように記憶してます。

で、いまは、古楽器による、キビキビとしたピリオド演奏となります。
印象が全然違う。
陰りはまったくなく、すべてに光があたっていて明るいことこのうえなし。
通奏低音で鳴っているテオルボの音色も典雅なものです。

いまではこうなのでしょう。
一方で、わたしは、大昔、それこそ純な時期に聴いた、モコモコとしたバロック音楽も、どこか懐かしく、それこそ「いびつな真珠」をこそ、そこに感じたりもするのでした・・・・。
しみじみ。

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コメント

ハンブルグ。行きたいです。魚料理の店が多いそうですから。

東京のその景色(芝浦運河の一部)、昔は、コチ、アナゴ、ハゼもいっぱい獲れたのでしょうね。

芝海老も、この芝浦の地で獲れたから、言うのですってね。

ターフェル・ムジーク。今日の食卓は、ひじきご飯とゲンゲ(幻魚)のすまし汁。カマスの塩焼き。厚揚げとほうれん草の煮浸し。でした。自分で作ります。

音楽は、テレマンではなくて、BS(過去の若かりし頃の)時代劇のチャンバラ場面の音楽です。

**
ハンブルグ、今度はケント・ナガノが音楽監督なんだよね。シモーネ・ヤングの後任だから行きたいな。

もちろんお魚も食べに。。

巨大なウナギ。カレイ、鱈、ニシンが食べたいです。もちろん、加熱され手を加えた料理で。。

投稿: ハゼエビ・コチアナゴ=ダーイスキー  | 2013年11月13日 (水) 21時42分

ハンブルクは、北海とエルベの惠の魚介の宝庫なのでしょうか。
想像するだけで、素晴らしいです。
ビールと白ワインも、きっと美味しいのでしょうね。

ハンブルクオペラ来日は、ドホナーニ時代、影のない女は忘れ得ぬ名舞台でした。
ケント・ナガノの治世も、成功間違いなしです。

ゲンゲは、富山の居酒屋と、金沢で、すましで食べました。
これまたうまいものですね!

投稿: yokochan | 2013年11月15日 (金) 19時06分

yokochanさん

 この曲、ハンブルグフィルで6年前ハンブルグで聴きましたっけ。ヤングが指揮して、5月の「港の日」に演奏されるんですね。今はケント・ナガノが音楽監督?、やっぱり「港の日」にやってるのかな?
エルベ川を上下する多数の大きな船を見ながら、おいしい海の幸が食べられます。1年住んだ私がおススメしますよ、ハゼエビ・コチアナゴ=ダーイスキーさんにもね!

投稿: 安倍禮爾 | 2013年11月23日 (土) 23時59分

安倍禮爾さん、こんにちは。

ハンブルクでは、そうなのですね。
ハンブルクフィルがヤングさんで、とはイメージがつながりにくいです。
ケント・ナガノが就任することもあり、また引っ越し公演も期待できます。
そして、現地で聴いてみたい、飲みたい、食べたいです!

投稿: yokochan | 2013年11月24日 (日) 14時29分

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