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2013年12月12日 (木)

ペーター・ホフマン Monuments

Yurakucho

有楽町のとあるビルにちゃっかり入り込んで、パシャリcamera

赤いバラのゴージャスなツリー。

Yurakucho2

近寄ってパシャリcamera

あらやだ、ワタクシの姿が、オーナメントにまる映り。

そうとわからないように、モザイク入りましたが、まるで犯人だわ、これ。

しかし、外の有楽町駅のグリーンとの対比が、それは美しいものでしたよ。

今日は、亡き名テノール、ペーター・ホフマンの歌声を。

Peter_hofmann

 
  「Monuments」  ペーター・ホフマン

   1.ホルスト 「惑星」 快楽の神

   2.All by myself ~ラフマニノフbyエリック・カルメン

   3.プッチーニ 「トスカ」~「星はきらめき」

   4.ヴェルディ 「リゴレット」~「風の中の羽のように」

   5.「歓喜の歌」 ベートーヴェン

   6.グノー 「アヴェ・マリア」~バッハ

   7.Could It be Magic ~ショパン 前奏曲第20番

   
   8.バーンスタイン 「ウエストサイドストーリー」 Somewhere

       アンドリュー・プライス・ジャクソン、アンドリュー・ポーウェル指揮

                            ロンドン交響楽団


                              (1987 @ロンドン)

ペーター・ホフマンが亡くなって、もう3年が経つ。

1944年生まれ、2010年11月30日没の闘病の末の早すぎる死。

あのときの衝撃と悲しみは、いまでも覚えてます・・・・。

おおよそ、ワーグナー好きにとっては、タイトルロールを歌うヘルデンテノールという存在は、憧れであり、素晴らしければ素晴らしいほど、神的な存在に高められるのだ。
そんなひとりが、ペーター・ホフマン。
名前もしらなかったとき、水星のようにあらわれ、76年の大スキャンダルとなった、これもまた、今年亡くなった、パトリス・シェローの「リング」のジークムント役で颯爽と登場した。
演出も指揮も、歌手も、みんな激しいブーイングを浴びたなか、それは先輩、ジェス・トーマスやルネ・コロさえ例外でなかったのに、ひとり、ペーター・ホフマンの神々しく、輝かしい声と、その悲劇的な抜群のルックスでもって、大喝采を浴びたのだ。
そのときのことは、FM放送で聴いて、いまだに記憶があります。

そして、以来、ワーグナー歌いとして、ヴィントガッセンの後を継いだ、キングやトーマスのあとの世代の、三大ヘルデンとして、コロ、イエルザレムとともに70~80年代に最も輝いた存在なのです。

同時にその経歴が明らかになって知ることとなった、本来のロック・ミュージシャンとしての側面。
学生時代は、ロックバンドを組んで活動していたというし、同時にスポーツの万能選手として陸上競技にも通じていた俊敏で強靱な肉体を持っていました。

天は2物を与えず、とかいうのは、ホフマンの場合、まったくあてはまりません。

「パルシファル」の上演で、2幕で、クリングゾルが槍をパルシファルに投げつけるクライマックスシーンがあるのですが、それを実際に投じて、しかと受け止めることができたのは、槍投げが得意だったフランツ・マツーラ(クリングゾル役、シェーン博士のスペシャリスト)と、このペーター・ホフマンのコンビだけ!

どう考えたって、憎らしいほどにカッコいい。

で、クラシック以外のポップス・ロックアルバムもドイツでは多数、発売されていたようです。

今日のCBS録音の1枚は、ホフマンのオペラ界での絶頂期の録音で、クラシカルな音楽のポップスバージョンを、オペラ歌手であり、ロック歌手であるシンガーが歌うというユニークなもの。

編曲も、原曲の形は残しながらも、完全にロックポップス。
ロンドン響だから、そのあたりの順応性も抜群だし、分厚いオーケストラサウンドも聴けるし、パーカッションも効いてます。

そしてホフマンの、伸びのある突き抜けた声は、こうした曲たちでも、抜群の破壊力パワーを展開してくれます!
一方で、陰りある、バリトン系の声もここではとても魅力的です。
根っからの悲劇的ヒーローの姿を背負った歌い手なのです。
こんなバリバリ系なのに、すっきりともたれない透明感と軽さも併せ持ってるから、それは、鍛練された肉体の賜物でもありましょう。

ジュピターが流行るずっと前の「火星」。粋でかっこいいですよ。
エリック・カルメンより、ずっとずっとラフマニノフな、オールバイマイセルフ。

この音盤の中で、一番面白いし感銘を受けるのが、カヴァラドッシ。
あまりに異質なプッチーニではあるけれど、その悲壮感あふれる孤独と力感。
まるで、ジークムントのようなカヴァラドッシに、有無を言わせずに気持ちを持っていかれます。

ほかの曲も、ここでは触れませんが、どこをとっても、どこを聴いても、われらが「ジークムント」だったペーター・ホフマンの歌声です。
泣けました・・・・・。

天は与え、そして、天は奪ったのです。

ホフマンの早すぎた、病による歌手生活の引退と、その後の死でした。


   

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コメント

ペーター・ホフマンの1982年のMET公演。有料OnDemandでアーカイヴ聞けますね。この頃から、レヴァインのParsifalの演奏がガクンと遅くなりだしていたときの。(1979年までは普通なのに)

METのアーカイヴで、ペーター・ホフマンのジークムント出てこないかな。新演出初日もペーター・ホフマンだったのだから。DVD化されているCastよりも、全然マシな配役のもの。

Broadcastしたもので、流れて欲しいね。

*****
自分の聴くアムステルダム。
ジークムントは、クリストファー・ヴェントリス。
ジークリンデは、キャスリン・ネーグルスタット。
フンディングは、クルト・リドル。
ヴォータンは、トマス・J=マイヤー。
ブリュンヒルデは、キャスリン・フォスター。
フリッカは、ドリス・ゾッフェル。

ワーグナー歌いが中心。

*******

投稿: 自分は、身体障碍者予備軍。時間の問題で、障碍者。 | 2013年12月13日 (金) 08時46分

こんばんは。いつも博識なさまよえる様の文章を楽しく読ませていただいております。
ペーター・ホフマンの凛々しいジャケット写真につられて出てきてしまいました。
もう、三年になりますか。まさにジークムント、ローエングリンそのものの素敵さでしたね。
(私の所有する15種類のオランダ人で唯一、オランダ人役より素敵なエリックがカラヤン指揮のホフマンです…)

本当に早すぎる引退と生涯でした。今日は久しぶりに彼のクリスマスソングアルバムを聞くことにします。


投稿: ヴィッテルスバッハ | 2013年12月13日 (金) 20時20分

毎度ありがとうございます。
レヴァインのバイロイトのパルシファルはホフマンで、なによりなのですが、メトのCDは、ドミンゴですね。
持ってますが、1度聴いたきりです。
遅いけど、弛緩しないところが、レヴァインのいいところでもありました。

ネザーランドオペラのリングのキャストは、すばらしいですね。
大いに楽しまれること、お祈りしてます!

投稿: yokochan | 2013年12月14日 (土) 09時47分

ヴィッテルスバッハさま、おはようございます。
ご覧いただき、そしてコメント頂戴し、ありがとうございます。
3年前のホフマンの死の報には、ほんとうに寂しく、悲しい気持ちになりました。
一度は、実演で接してみたかっうた歌手のひとりです。

オランダ人、たくさんお持ちですね。
あんな立派はエリックは、ほかにありませんね。
唯一、コロぐらいでしょうか。
ヴァルターも音源化されるといいですね。

ドイツではたくさん出ている、彼のCD、ちょっと探してみたくなりました。

投稿: yokochan | 2013年12月14日 (土) 09時55分

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