スウェーデン歌曲集 フォン・オッター
日本のクリスマスは、終わってしまいましたが、わたしの中では、新年を迎えるまでは、その気分。
あんなに街をキラキラと飾ったツリーも、昨日の夜中から朝ににかけて、みんな撤去。
電飾屋さんや、装飾屋さんは、さぞかし大変であったことでしょう。
せっかくなのに、もったいない。
ツリーはともかく、冬の間中だけでも飾って欲しいな。
新宿のこちらは、まだしばらく見れますよ。
「Wings in the Night」 ~スウェーデン歌曲集
Ms:アンネ・ゾフィー・オッター
Pf:ベンクト・フォシュベリ
(1995.9 @ストックホルム)
スウェーデンの西欧でいうところの、後期ロマン派から世紀末にあたる頃の、作曲家たちの歌曲。
ショグレン (1953~1918)
ペッタション=ペリエル(1867~1942)
ステンハンマル (1871~1927)
アルヴェーン (1872~1960)
コック (1879~1919)
ラングストレム (1884~1947)
ちょうど、マーラーの晩年、シェーンベルクやR・シュトラウス、プッチーニたちの時代。
スウェーデンには、メジャーな大物作曲家はおりませんが、かの国は歌の国でもあります。
優秀な合唱団があるし、大歌手たちもたくさん輩出、ビョルリンク、スヴァンホルム、ゲッタ、ニルソン、リゲンツァ、シュティメ等々。
なんといっても、ドラマティック・ソプラノを輩出。
あと、歌でいえば、アバですね!
そして、いま、最も充実している、スェーデン出身の歌手といえば、アンネ・ゾフィー・オッター。
ストックホルム生まれのメゾソプラノです。
1980年頃から、ずっと第一線で活躍。オペラもリートも、古楽から現代音楽まで、その活躍の場もレパートリーも広大です。
柔軟で、クセのない歌声は、常に嫌味がなく、クリアにすぎる場面もあって、さらりとしすぎた淡泊感じも与えることがかつてはあったように思う。
いまは、声に艶と深みが出てきて、昨年のアバドとの「大地の歌」では、情のこもった、とても味わい深い名唱となっておりました。
これからの彼女、バッハを多く歌って欲しいものです。
95年に地元で録音された、このスウェーデン歌曲集では、まさにすっきりと、おいしい天然水のような、穢れない純白の歌唱を数々聴かせてくれます。
加えて、これら31曲のリートたちが、いずれも北欧らしい、しっくりと爽やかな歌ばかりなので、オッターのクリアボイスがよけいに引き立ちます。
いずれも、いい曲、素敵な歌ばかりなのですが、6人の歌の中から、自分的に気に入った曲は、ペッタション=ペリエルの「天の星のように」~静かに淡々と夜空の星を歌う美しい音楽、同じペリエルの楽しい「ボリエビー=ワルツ」、ラングストレムの神秘的な「パーン神」、美しい「夜への祈り」。
初聴きの名前の作曲家コックの「春宵の雨」はピアノがまるでドビュッシーのようでした。
メロディスト、アルヴェーンの「森は眠る」は、かなりロマンティック。
いかにも北欧のムード漂う、ショグレンの「谷や丘の上を飛んでみたい」。
厳しい冬を終え、束の間の春や夏を思う詩が多いのも、北欧の国、スウェーデンならでは。
スウェーデンといえば、家具の世界チェーン、IKEAだけど、北欧家具ということでお洒落なわけだけど、工場は中国だもんね。
あとは、H&Mもそう。
こうした世界チェーンを造り上げるのも、スウェーデンはお得意。
IKEAとは、ちょっとお付き合いがあるけれど、本国の指示が厳しくて、なかなか頑固なものです。日本流に染まろうとしないところが逆に魅力なのかも。
昔、日本上陸して失敗して撤退。
2度目の正直は、いまのところ成功のようですね。
レストラン部門の売上がなんでも日本は他国に比べて高いらしいですよ。
今年もあと5日。
都心は、心なしか、人が少なくなってきた感じです。
こちらも新宿で発見。
まさに北欧の歌姫みたいでしょ。
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