レハール ピアノ・ソナタ
横浜ベイクォーターのツリーです。
向こう側が、新田間川の入江と、ゼロックスやニッサン。
毎年、ここは、いい感じですよ。
レハール ピアノ・ソナタ ヘ長調、ニ短調
ピアノ:ヴォルフ・ハルデン
(1999 @シュトットガルト)
オペレッタ作曲家、フランツ・レハール(1870~1948)のピアノ作品です。
オーストリア治下のハンガリー生まれ、軍楽隊長だった父は、職業柄、帝国内を転々としつつ、息子フランツをヴァイオリンストにしたくて、その特訓をし、勉学はプラハの芸術学院にて行わせた。
少年時代より、フランツは、作曲の才も持ちつつ、勉学中に、師であるドヴォルザークに自作のヴァイオリンのためのソナチネを自らのヴァイオリンで聴かせた。
ところが、これを聴いたドヴォルザークは、ヴァイオリンでなく、作曲の道を進むように指示。
フィビヒに学びつつも、頑固な親父はヴァイオリニストへの夢を押しつけ、そのためレハールは独学の作曲家とされました。
そんな頃、すなわち17~18歳、1887年頃に作られた、ピアノソナタがこれらのものです。
ちなみに、レハールの他のピアノ作品には、25歳(1895年)のときの、ピアノとオーケストラのための交響詩「Guado」や、1909年の、ピアノ・ソロのための12のサロン音楽、などがあるようです。
レハールが、「メリー・ウィドウ」でウィーンで大ブレークするのは、そののち、35歳、1905年のことです。
ある分野の専門家みたいに思われてる作曲家にも、若書きには、いろんな作品があるものですね。
この2曲のソナタ、最初のヘ長調は、4つの楽章で22分。
コンパクトでスリムにまとめられた簡潔で、古典的な様相も感じる生真面目な音楽です。
シューベルトやシューマンを思わせる、古典とロマンの中間点的な、当時を思えば保守的なサウンド。
悪くないけど、決め手に欠ける。
でも、ちょっと背伸びして、ロマンティックな雰囲気を、青年ながらに出してみました的な緩徐楽章たる2楽章が妙に愛らしいです。
スケルツォは、なんとグリーグっぽいときました。
一方の短調のソナタは、全曲なんと40分。
こちらは、その堂々たる構えがブラームスを思わせます。
忍従感ある冒頭から、ただならぬ雰囲気を与えますが、そこは後年のあのメロディアスなレハール。すぐさま親しみやすい旋律が滔々で出てきます。
どうしても、誰それの亜流的な捉え方・聴き方しかできないのですが、ときおり、やはり、レハールならでは甘いフレーズがチラチラっと顔をだします。
ごくほんのちょっとですが、そんな瞬間を聴き分けるために、この長大なソナタを聴くのも悪くはないかもです・・・。
解説にも書いてあるのですが、長すぎて、構成感が崩壊しているとの指摘もあります。
「メリー・ウィドウ」か「金と銀」、「微笑みの国」「ジュディッタ」ぐらいしか主に聴くことができないレハールの、一面をこうして知ることも、「ヴィリアの歌」や「君こそわがすべて」などの名品を愛することに深みを与えてくれる思いがしました。
微笑ましい、レハールのピアノ作品でした。
ヴォルフ・ハルデンというピアニストの演奏です。
レハールのオペレッタ以外の作品。また聴いてみます。
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コメント
ええ=
レハールのピアノソナタ!ってあるんだ?初めて知りました!私は本当に不勉強で新しい曲がダメダメおやじなんです。レハールっていったら「メリーウィドー」とか「金と銀」くらいだもんなー;;
それにしても!さまよえる様の音楽に対する貪欲さには脱毛、あ!脱帽です!尊敬申し上げます。
いつもは、いつ色々な音楽を聴いているんですか?私は自宅で仕事のBGM(死語でしょ^^;)で聴いたり、車の移動中に聴くくらいです。
余計なお世話ですけど、こちらのブログを一度本にしてみる予定はないですか?ソッコーで購入しますよ!
投稿: モナコ命 | 2013年12月 6日 (金) 19時24分
モナコ命さん、こんにちは。
わたくしも、このCDを見つけたときには驚きました。
甘味なレハールではなく、若書きの本家系。
オペラ作曲家の、他分野の作品に、いつも興味があるんです。
ショップへいっても、そのあたりをチェックします。
音楽は、暇さえあれば、それこそ四六時中、BGM風に聴いてますよ。
サラリーマンじゃないので、そういう意味では恵まれてます。
ですが、本格的に聴くのは、夜間です。
本ですか~、まだまだ修行が足りません。
死んだら本にしてくれと、遺言に残しておきます(笑)
投稿: yokochan | 2013年12月 7日 (土) 10時16分