ショパン 「舟歌」 ツィメルマン
都内の公園では、梅がもう、その蕾をふくらませてきまてました。
寒さはピークを迎えつつあり、北国では、雪もまだまだこれからなのに、こんな画像をすいません。
気持ちだけでも、春を先取っていただきたいものですから。
ショパン 「舟歌」 ヘ短調
ピアノ:クリスティアン・ツィメルマン
(1987.7@ビーレフェルト)
ショパン(1910~1849)の36歳の作品。
舟歌、と呼ぶよりは、「バルカローレ」と言った方が好き。
ショパンの作品の中でも、もっとも好きな作品。
ヴェネチアのゴンドラ漕ぎの歌を、舟歌=バルカロールとよび、8分の6拍子であることが多い。
そのたゆたうような、リズムを用いた音楽作品としては、フォーレのピアノ曲とオッフェンバックのオペラ「ホフマン物語」が、ショパンとともに高名です。
そして、日本人なら忘れちゃならない、演歌のひとつ、八代亜紀の「舟歌」もあります。
お酒はぬるめの燗がいい、肴はあぶったいかがいい。
女は無口なひとがいい。
しみじみ呑めば、しみじみと
思い出だけが 行きすぎる
涙がほろりと こぼれたら
歌い出すのさ 舟歌を
あぁ、なんて、日本なんでしょう。
恨みつらみは、もう置いといて、諦念に身を任せ、酒にわが身を置くのだ。
そんなときのBGMは、八代亜紀じゃなくっても、心優しいショパンだっていいはずだ。
8分の12拍子でかかれたショパンの舟歌。
緩やかなリズムの、ピアノの漕ぎ手に、ゆったりと身を任せ、日々の思いを、ここに解放するのもいい。
微細に変化する旋律と、その調性。
わずか9分あまりのこの作品。
人の気持ちを、いつしか、デリケートに包みこみ、柔らかな感情にしてくれるでしょう。
このスムージィーな、この曲が大好きです。
ツィメルマンの硬軟豊かな演奏は完璧。
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コメント
”レコード”という時代の終わりまでに、一定の大物になることに成功したクリスティアン・ツィメルマン。
ショパンコンクールでの優勝者ですよね。この後の優勝者って、皆、大物になっていく道が難しいような。
”レコード”という時代は、育てていく風土が音楽業界にはあったような。どんなに商売っ気に貢献してくれる人材でも。
今は、使い捨て・淘汰ですよね。世界市場での生き残りに赤信号が点っている優勝者も居ますよね。。ブーニンとか。。
舟歌、、、、、、生きていくときは、巨大な助け舟が現れず、一人で漕いでいくの荒波ですよね。
穏やかな波でも、一端’世界市場での生き残り’の荒波に飲み込まれると、人生の歯車が壊れてしまったりして。。
舟、手漕ぎはスクリュー入らないから。波の流れに自然に任せられるけど。。。歌を舟の上で歌っていられますよね。
投稿: T.T | 2014年1月17日 (金) 08時26分
T.Tさん、こんにちは。
たしかに、おっしゃるとおり、コンクールあがりの奏者たちは、80年半ば以降、大物への道が厳しくなった感がありますね。
レコード会社が、アーティストを専属で取りあい、競い合っていた時期がしぼみだしたのと同じくします。
船頭多くして、丘にあがる・・・みたいな感じもありますので、気楽な一人旅も苦はありますが、心には優しい気もします(笑)
投稿: yokochan | 2014年1月18日 (土) 10時08分