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2014年1月10日 (金)

モーツァルト 「フィガロの結婚」~「恋とはどういうものかしら」

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この正月、神奈川の実家の庭は、例年にないくらいの果実の収穫でした。

左は、甘夏で、こちらはまだもう少し。
右がネーブルで、いまが食べどき。
そして、あと、伊予柑に、柚子にレモン。

猫のひたいのような庭ですが、子供の頃には、桃、柿、ぶどう、キウイと、あらゆる果物を植えてました。
桃栗3年、柿8年、という言葉もまさに実感しましたね。

そう思えば、いまが最盛期の柑橘類なのでしょうね。

名曲シリーズにからめて、久しぶりに、お願いランキングを。

テレビ朝日の深夜番組で、萌えキャラに託したランキング番組であります。
それ系は、好きでもなんでもないけど、なんでもランキングが楽しい。

わたくしは、かねてより、クラシックヲタクとしての、自らのランキング記事をいくつか書いてます。
カテゴリーにも、ランキングを作ることとしましょう。

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今日のランキングは、ケルビーノの初々しいアリア「恋とはどんなものかしら」を。

  モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」 第2幕から

     「恋とは、どういうものかしら」

ヴェルディ、ワーグナー以降のオペラばかり聴いているワタクシですが、それでもやはり、モーツァルトのオペラは別格です。
なかでも、「フィガロ」は、その愉悦性と、その裏に潜む深い人間洞察を感じさせる音楽とで、本当に至宝の作品に思います。

シンプルが一番。

ピュアな音楽ですから。

ランキングとか言いながら、実は、順番は付けられません。
古今の名盤と言われるものを意外と聴いてないのもありますが、手持ち音源のケルビーノたちが、いずれも素敵なものですから。

かつて大求愛をされて結婚して伯爵夫人となったものの、いまや浮気な伯爵の愛も遠のいたように感じている夫人ロジーナ。
権力者の悪しき風習、初夜権を行使しようと、夫人の小間使いスザンナに色仕掛けを目論む伯爵。
スザンナの結婚相手は、かつて伯爵の恋の仲立ちをした、街の何でも屋フィガロ。
みんなで、伯爵を懲らしめる、ついでに、フィガロも騙されちゃう、社会体制や男社会に一矢投じたモーツァルトと台本作家ダ・ポンテの名作。

その中で、ケルビーノは、若くて可愛い小姓で、女性たちは、彼を女装させて、伯爵を騙そうというツールに利用しようとします。
でも、当のケルビーノは、伯爵夫人にも、そしてオペラの狂言回し的な主役スザンナにも、恋心を抱きます。
そんな彼が、揺れる心を、純心に可愛く歌うアリアがこれ。

メゾソプラノにあてられた役柄ですので、ズボン役ということになります。

後世、R・シュトラウスは、不協和音の激しい作風から、古典的な清潔な和音の世界に帰着し、その手始めに書いたオペラが「ばらの騎士」です。
そこでは、オクタヴィアンという若き騎士が、メゾ役で、その彼が、旧貴族を称する野比な男爵を懲らしめるというものです。
しかも、伯爵夫人の火遊びのお相手で、彼女は、自分の歳と時間の経過に怖れを抱いている・・・・・。

「フィガロ」と「ばらの騎士」は、わたくしの大好きなオペラの両巨頭でもありますが、このようにして姉妹作的な存在でもあるのです。

モーツァルトの書いた最高の名旋律のひとつ。
ヲタクの亭主を持った反動で、クラシックをまったく聴かない、うちのカミさん。
何故か携帯の着信が、この曲で、思いきりびっくりしたもんです。
それだけ、誰にでも親しまれる旋律なのですね。

・フレデリカ・フォン・シュターデ

フリッカのデビューレコードでも歌ってました。
カラヤンとショルティ全曲盤もありますが、わたしは、FM録音した、カラヤンのザルツブルクライブを長く聴いてきました。
まさに蠱惑的ともいうべき、フリッカの甘くて、シルキーな声。
今風のキレのいい歌唱とは相いれませんが、わたしには最高の歌声です。
そして、なによりも端正な美人さん。

・テレサ・ベルガンサ

ロッシーニの書いたロジーナもベルガンサは最高だけど、ケルビーノもいい。
知的で、すっきり、ボーイッシュで、ほのかな色気も漂わせます。

・アグネス・バルツァ

若き情熱と理性とのバランス感に秀でた、優等生的なバルツァのケルビーノ。
これはこれで、可愛い。
そして抜群の歌唱力。

・チェチーリア・バルトーリ

これまた巧い、うますぎる。
ときに、モーツァルトの場合、やりすぎの感もなきしにもあらず。
アバド盤での装飾歌唱は驚きだったけど、ソロ盤は、かなり抑制してます。
いずれにしても、最高のケルビーノでしょう。

・クリスティーネ・シェーファー

ソプラノよって歌われたケルビーノ。
聡明なシェーファーならではの、磨きぬかれ、考え抜かれた歌唱は、まるでシューベルトの歌曲のようで、凄みがありました。
映像で見たのですが、いつもながらに、ホクロの可愛い彼女です。

・タティアナ・トロヤノス

なんだかんだで、このケルビーノが好き。
ピュアで、ニュートラル。
なんにも染まってない純心純潔の美しさ。
ベームの、おっとりした伴奏もいい。

フリッカ、こと、フレデリカ・フォン・シュターデの映像発見。

コトルバスに、キリ。いい時代でした。

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コメント

おや、まぁ~
ホホイノホイの・・・
私の誕生日に合わせてくれたように(^^

このアリアはほんとに魅力的ですね
特に凝った音楽ではないと思うのですが
何度聴いても飽きない!

お気に入りはベルガンサです
モーツァルトアリア集(ロンドン盤)に収められたのがすり込みです
お次はクライバー盤のダンコかな?
古いものばかりですいません

投稿: パスピエ | 2014年1月11日 (土) 13時20分

はじめまして。

シュターデのちょっと甘えたような発音のケルビーノは、独特の魅力がありますよね。1987年の夏、ザルツブルクで彼女の歌い演じるケルビーノを見るとことができました。「恋とはどんなものかしら」を歌いながら、悩ましげに少しずつ舞台の前方に歩みを進めてゆく彼女の姿に眩暈を覚えました。美しい思い出のひとつです。

投稿: 名古屋のおやじ | 2014年1月11日 (土) 17時32分

ダポンテ3部作の中で、もっとも眠くなってしまう
’Die Hochzeit Figaro’。

’Cosi’ではなぜか、あんな作品なのに寝ない。

Figaro は本当に眠くなってしまいます。
**************

1月中旬は、ウィーン国立歌劇場は、必ずダポンテ3部作が定着してしまいましたね。

今年の’Die Hochzeit Figaro’は、自分の好きな指揮者Jeremy Rohrer。

日本にまだ、来ていない。

投稿: T.T | 2014年1月11日 (土) 19時22分

パスピエさん、こんにちは。
そして遅ればせながら、お誕生日おめでとうございます。
さらに、ブログタイトルを拝借したような気分です(笑)。

今回、何人ものケルビーノを聴きまくりましたが、色とりどり、みんな個性が違い、ほんとに楽しい夜でした。
モーツァルトの旋律って、ともかく魅力的ですね。
クライバー盤は、永遠の名盤ですね。
ダンコさん、聴いてみますね。

投稿: yokochan | 2014年1月12日 (日) 00時11分

名古屋のおやじさん、こんにちは、はじめまして。

シュターデの舞台をご覧になられたとのこと、とてもうらやましいですね。
現役を引退してしまいましたが、いまだに美しいお姿のままでした。
彼女のケルビーノが思い浮かぶようなコメントを頂戴しまして、どうもありがとうございました。

投稿: yokochan | 2014年1月12日 (日) 13時47分

T.Tさん、お返しがすっかり遅くなってしまいました。
中学生の時から聴き続けて、フィガロはどこもかしこも血肉化しております。
わたくしのワーグナーのすべての音楽と同等の存在になってまして、さらには、モーツァルトの7大オペラもそうのようになりつつあります。

もっと広げて申せば、ミュンヘンのレパートリーじゃありませんが、モーツァルト・ワーグナー・シュトラウス。
そして、プッチーニ、ヴェルディが、わたしの5大オペラフェイヴァリット作曲家です。
次点がブリテン、コルンゴルト、シュレーカーでしょうか。

脱線してしまいましたが、ジェレミーさんは、初耳のお名前。毎度、新しい情報をありがうございます。
古い人間なものですから、助かります、調べてみます。

投稿: yokochan | 2014年1月15日 (水) 20時10分

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