R・シュトラウス 「ばらの騎士」組曲
年 今年もよろしくお願いいたします。
さっき、ご挨拶をしたとおもったら、もうこれだ。
この終いをつけ、あらたな始まりを祝う風習や、その感情の醸成は、島国の日本人ならでは。
わたくしも、日ごろの鬱憤を忘れて、新春を寿ぎましょう。
今年の、アニヴァーサリー作曲家は、キリのいい年周りでいうと、R・シュトラウス(1864~1949)ぐらいで、あとは小粒です。
強いていえば、ラモー(没後250)、C・H・E・バッハ(生誕300)、グルック(生誕300)、リャードフ(生誕100)、あと、アルマ・マーラー(没後50)なんてのもあります。
ですから、わたくし的には、R・シュトラウス・イヤーなのです。
これまで、全オペラを聴いてきましたが、またいくつか取り上げたいと思います。
そんな楽しみもある2014年の始まりは、「ばらの騎士」。
「ばらキシ」でございます。
R・シュトラウス 楽劇「ばらの騎士」 組曲
アンドレ・プレヴィン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(1992.10 @ムジークフェライン、ウィーン)
15作あるR・シュトラウスのオペラの中で、一番上演回数も多く、人気がある作品が、「ばらの騎士」です。
前作「サロメ」までの、尖鋭的で、血なまぐさい音楽とドラマは影をひそめ、耳当たりのいい、ワルツを中心に据え、細やかな感情の機微を、ホフマンスタールの名台本を得て描き尽した名作です。
そのなかから、管弦楽曲を編み出して、組曲としたものが、約22分ぐらいのこちら。
さらに、一番有名なワルツは、コンサートのアンコールピースとしてもよく演奏されます。
「ばらの騎士」は、あらゆるオペラの中で、5指に入るくらいに好きで、その舞台もたくさん見ております。
少し年を経てしまった女性の、揺れ動く気持ちと、自分を見つめ、時間の経過に気付く、自戒と諦念、そして、あらたな道へと踏み出す勇気。
そんな儚いドラマを、シュトラウスは音楽で完璧に描き出してやみません。
今月の神奈川フィルの定期演奏会と、翌日のミューザ特別演奏会では、この曲がメインとなります。
親子でウィーンフィル出身のゲッツェルさんの、主席客演指揮者就任披露公演となります。
年初めから、とろけるような魅惑的な演奏会に出会うこととなってます。
そちらで、お会いできれば、幸いです。
本年もみなさまにとって、よき1年でありますように。
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コメント
あけましておめでとうございます。
まず始めに何よりも、前に書かれていたばらの騎士組曲を最後に持ってきたプログラム。
神奈川フィルの公演を観に行く期待が籠った文章内容ですね。
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ばらの騎士、大晦日に公演していたミュンヘンオペラの時期があります。
クリスティーヌ・シェーファーのゾフィー、チェリル・ステューダーのマルシャリン(F・ロットがウィーンのアラベラ役に集中したため、の代役)で、
もう日本に来ない(?)ペーター・シュナイダー指揮。
脇も今からみたら、豪華版。
*****
このCD、確かにありましたね。A・プレヴィンのこの頃、ウィーンに接近していた時期ですね。それでも、ニューイヤーに招かれなかった。それとも打電があっても拒否したのでしょうかね。
投稿: T.T | 2014年1月 1日 (水) 09時40分
明けましておめでとうございます。
今年も一年、こちらで色々と勉強させて頂きたく思います。
確かに今年のアニバーサリー作曲家は小粒ですかね…。
wikipediaを眺めてみましたが…伊福部昭(生誕100)、マニャール(没後100)、フォスター(没後150)…うーむ。
私は気になりながらまだ聴けていないマニャール再評価の一年にしようかと思います(笑)。
投稿: あかがね | 2014年1月 1日 (水) 09時42分
あけましておめでとうございます。
今年もどうぞ、よろしくお願い致します。
箱根駅伝をみながら、不甲斐ない母校に新年早々
頭を抱えているスリーパーです(笑)
何はともあれ、襷だけは最後まで繋いで欲しいものです。
アニヴァーサリーの音楽家、としては
早坂文雄と伊福部昭のわが国の偉大な作曲家が
今年生誕100年ですね。
さらに、神奈フィルに縁ある団伊玖磨が生誕90年。
この辺は日本人として今年は注目したいなぁ、と。
でも、日本人は母国人に対して冷たいですからね(笑)
後は、アイヴズが生誕140年ですか。
一方で、「没後」だし切れも悪いのですが、
エルガー、ホルスト、ディーリアスの英国トリオ(笑)
が没後80年ですね。
笑門来福、笑う門には福来たる。
神奈フィルのコンサートに他の音楽にと
今年も愉しい時間が持てることを祈って。
投稿: スリーパー | 2014年1月 2日 (木) 09時27分
T.Tさん、あけましておめでとうございます。
そうです、シュトラウス・イヤーの開始は、あでやかに、きらびやかに、ばらの騎士と思ってましたし、ウィーンの指揮者による神奈川定期は、とても楽しみは一夜なのです。
シュナイダーの指揮では、わたしも、ウィーンの引っ越し公演と新国公演の2度体験してますが、ほんと、もう来日はしてくれないのでしょうかね。
蜜月だったプレヴィンには、「こうもり」全曲録音がありますが、あちらは、ちょっと重い感じ。
プレヴィンのヨハンの方のシュトラウスも、もう少し聴きたかったものです。
投稿: yokochan | 2014年1月 2日 (木) 18時07分
あかがねさん、あけましておめでとうございます。
お勉強と呼ばれちゃうと、こっぱずかしく思いますが、今年も、いろんな曲にチャレンジしたいと思ってますので、こちらこそ、いろいろご教示のほど、お願いいたします。
昨年が濃すぎたので、今年のアニヴァーサリーは小粒で、ほっとしてます。
マニャールもそうでしたか。
交響曲を1曲聴いたのみですが、わたしもほかの曲に挑戦してみたいものです。
投稿: yokochan | 2014年1月 2日 (木) 18時11分
スリーパーさん、あけましておめでとうございます。
毎年、劇的なことが起きる箱根駅伝ですが、今年も波乱含みですね。
明日は、見に行けるかな?
で、昨年の激しいアニヴァーサリー軍団に、すっかり疲れはててしまいましたので、今年はキリのいい、そしておなじみのシュトラウスだけにして、ほかは、お休みいただくことにしました(笑)
スリーパー さんのことですから、ミッチーの伊福部コンサートは、きっと行かれるんでしょうね。
ことしの神奈川フィルは、あまりアニヴァーサリーは意識せずに、バラエティ豊かな選曲、との川瀬君の言葉もありましたとおり、いろんな客層に巧みにアピールできそうですね。
あちらの方でも、ことしもまたよろしくお願いいたします。
投稿: yokochan | 2014年1月 2日 (木) 18時25分
明けましておめでとうございます、よこちゃん様。
ただいまEテレにてニューイヤーオペラを鑑賞中。
「ばらの騎士」の中から夫人とその愛人と夫人の愛人の恋人(ややこしい三角関係…登場しないけど夫人の旦那を含めりゃ四角関係ですね)の三重唱を聴き終えたところにございます。こんなお話だったのですね。無知な私、超イケメン騎士が美しい姫を助ける的なストーリーかと思っておりましたら仲々に複雑なお話にて苦笑&汗
夫人の愛人役を女性がされていましたが、これが通常なのですか?
と疑問点を投げかけて新年のご挨拶に代えさせて頂きます。
本年もどうぞ宜しくお願いします
投稿: ONE ON ONE | 2014年1月 3日 (金) 21時06分
ONE ON ONEさん、あけましておめでとうございます。
こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。
夫人の愛人オクタヴィアンは、いわゆるズボン役でして、フィガロのケルビーノと並ぶ、オペラ界の2大メゾ役なのであります。
ですから、強めのソプラノ、スーブレット(軽め)ソプラノ、メゾの3女声の声のハーモニーは、天国的に美しいのでして、R・シュトラウスと台本のホムマンスタールの天才性のあらわれなのです。
時が経つことに焦りと悲しみを覚える伯爵夫人が主役でもありますが、劇場では、オクタヴィアンが拍手のトリに出てまいります。
てな具合で、大すきなオペラですから、いくらでも答えちゃいます。
投稿: yokochan | 2014年1月 4日 (土) 11時44分