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2014年3月29日 (土)

弦楽四重奏によるロシア音楽~情熱と哀愁~

Lalyre


神奈川フィルのヴァイオリン奏者、平井さんが第1ヴァイオリンを担当する、弦楽四重奏のコンサートに行ってきました。

2度目のホ-ル「ラ・リール」。

昨年は、同じ神奈フィルのチェロ奏者、迫本さんのコンサートでした。

きれいに響くホールで、拡散しすぎず、むしろ音に芯があって、リアルに耳に届きつつ、4つの楽器が美しくブレンドしてました。

土曜の午後、桜もほころび、外はうららかな陽気。

ごらんのように、中庭が窓の外に見えて、とても気持ちがいいコンサートなのでした。

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 ハイドン              弦楽四重奏曲「ロシア四重奏曲第2番 冗談」

 ショスタコーヴィチ 弦楽四重奏曲第8番 ハ短調

 ライオネル・バート 「ロシアより愛をこめて」

 ショスタコーヴィチ 「ポルカ」

 ボロディン      弦楽四重奏曲第1番、1・2楽章

 チャイコフスキー  弦楽四重奏曲第1番~アンダンテ・カンタービレ

             ロシアより愛を込めて ~ アンコール

   ヴァイオリン:平井 茉莉     ヴァイオリン:森垣 悠美

   ヴィオラ   :佐藤 裕子     チェロ    :柳本 直子

                  (2014.3.29 @ラ リール 文京区大塚)


ロシアに関連づけられた演目ばかり。

爽快、洒脱、濃厚、悲観、楽観、自然感、ロマン・・・。

あらゆる要素が入り混じったのがロシアの音楽。

若い4人の女性奏者たちによるカルテットは、そんな、ロシアン・ムードを溌剌と表出しきってまして、聴いてて、拝見してて、とっても眩しかった。

①初聴きのハイドンの「冗談」

春の暖かさに気持ちがほぐれ、終楽章まで爽快に。
でも、最後は、平井さんのフェイント攻撃にはまり、拍手しちまいました。
 というのも、ハイドンさまの、いたずら心が終楽章に仕込まれていて、休止で終ったと思ったら、まだあった・・・
いつぞやの、神奈フィル音楽堂での「川瀬ハイドン90」でも、見事引っかかったワタクシなのでございました。

②大好きなタコ8

常套と引用の一杯詰まった、この8番の四重奏曲。
ふだんは、重苦しさと死の影、そして不可解さを常に持っていたこの曲。
今日の、明るい日差し溢れるホールで聴く、若い彼女たちの感性の前に、ショスタコの惜別の念の音楽は、どこか明るい未来志向へと変わった感がありました。
はなはだ、勝手な思いでしたが、ショスタコ演奏は、こうして、いろいろあり、なんでもありと、思った次第。
 この曲をやりたかったとの、森垣さん。
ほんと、インパクトある音楽です。
作曲者の名前が、音符に織り込まれ、終始登場するフレーズも明快。
第10交響曲で、完全織り込み済み。
それとチェロ協奏曲や、マクベス夫人の虚しい旋律。
楽しかった。

③THE OO7

ロシアンです。かっチョよかった。

④タコ・ポルカ

諧謔の見せかけの姿のピチカート。
これまた、楽しい~

⑤ボロディン~

「お~い、お茶」のCMで使われてた1楽章は、よく聴くけど、曲名が思いだせなかった曲でもあります。
その伸びやかな曲調にぴたりの演奏と、夜想曲の2楽章の夢想的なロマン。
平井さんに、きっとしみついている、美音の神奈フィルサウンドが、しっかりと聴かれました。
加えて、ほんと、いい曲だわ。

⑥チャイコ

こちらもメロディメーカーのご本尊様。
副主題の哀愁感が、とてもよし。
各楽器での橋渡しが美味。
美しい演奏でした。

このような、美しいサウンドで、ワタクシ、お酒を飲みたくなりました。

音楽界は、着実に、若い世代と女性へと流れが変わってます。
日本は問わず、世界のオーケストラを見てもそう。

わたくしのようなオジサンは、過去を懐かしむ前に、若い方々のフレッシュで、果敢な演奏に耳を傾け、忌憚なく聴き、素直に楽しむこと。
そのことを心に刻むべきなのでしょう。

すてきな演奏会を楽しみました。

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拝見!

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