« むかし話、ルツェルン訪問 | トップページ | マーラー 交響曲第6番 アバド指揮 »

2014年3月 7日 (金)

R・シュトラウス 「4つの最後の歌」 フレミング&アバド指揮

Licerne_orchestra_abbado

2003年から始まった、アバドの夢のオーケストラとの共演。

ルツェルン音楽祭では、マーラーを毎年、取り上げることで、一部重複はありながらも、シカゴ・ウィーンでの1回目、ベルリン・フィルとの2回目、そしてルツェルンでの3回目。

アバド自身、10年単位での、マーラーへの挑戦でありました。

2演目を、それぞれ2回。

ワーグナー、ブルックナー、モーツァルト、新ウィーン楽派、ドビュッシー、ベートーヴェン、ロシア物などなど、アバドが、本当に好きな、演奏したい演目ばかりが並ぶ充実のコンサートばかりでした。

ベートーヴェンをモーツァルト管を交えながら、このところ何度も取り上げていたし、今年からは、ブラームスのチクルスが始まる矢さきでありました・・・。

4

 R・シュトラウス 「最後の4つの歌」

       S:ルネ・フレミング

  クラウディオ・アバド指揮 ルツェルン音楽祭管弦楽団

                      (2004.8.13 @ルツェルン)


この年の演目は、「トリスタンとイゾルデ」第2幕と、マーラーの5番がメインの2プログラム。
そして、トリスタンの前には、R・シュトラウスの「最後の4つの歌」という、人生の最後と、愛と死をモティーフにした、極めて深く、充実したプログラム。

シュトラウスの方は、DVD化されていないと思います。

NHKで放映されたものを、今夜は、しんみりと視聴しました。

3

この、あまりにも美しい音楽は、わたくしのもっとも好きな曲のひとつで、毎年暮れには、この曲を聴いて、1年を締めくくるようにしてます。

ホルン、独奏ヴァイオリン、フルート、これらが、とても印象的なソロを随所に聴かせます。

涙がにじむほどに、遠くを見つめたくなるようなホルンのソロは、憂愁の人生回顧。
もの哀しくも、甘味なヴァイオリンソロにも、嘆息しか出てこないほどに切ない気持ちになる。
夕暮れの色が濃い空に、舞い飛ぶ鳥たちは、軽やかだけど、澄みきったフルート。

何度聴いても、いつ聴いても、この曲のオーケストラ部分は、絶美そのものです。

2

ルネ・フレミングの、貫禄と甘さもたっぷりの濃厚・肉厚の歌声は、いつも最初は、抵抗感しか生まれない。
けれども、彼女のシュトラウスは、いつしか聴き進むうちに、すっかり、こちらも入り込んでしまい、思わずまったり気分にさせてしまうところが困ったもの。
そう、終わってみれば、全然悪くなくって、その独自の世界に引き込まれているのです。

ですが、わたしは、アバドの指揮なら、マッティラの方が好き。

5

オーケストラの精妙で、透き通るくらいの無垢なる響きは、まったくもって、アバドの行き着いた心境そのもの。

音楽を、うまく聴かせてやろうとか、ここをこうやって、とかの人為的な関わりや、作為はまったくなく、そこにあるのはシュトラウスの音楽だけ。

アバドは、いつもこうだった。

この美しい音楽と、ヘッセとアイフェンドルフの落ち着いた深い詩。
音と詩が、これほどまでに、自然に結びついたオーケストラ演奏もありません。

 「休息にあこがれる

   そして、おもむろに つかれた目を閉じる」  

                     (9月)


 「はるかな、静かな、平安よ

    かくも深く夕映えのなかに

    私たちはなんとさすらいに疲れたことだろう

  これがあるいは死なのだろうか」

               (夕映えに)


7

最後の和音を、静かに導きだすアバドの静かな姿。

このエンディングに、涙は止めようがなかった。

会場も、拍手すらまったく起きず、静寂は長かった・・・・・。

次回は、マーラー。

|

« むかし話、ルツェルン訪問 | トップページ | マーラー 交響曲第6番 アバド指揮 »

コメント

今年はシュトラウスイヤーということで、私も元旦にこの映像を見ました。
ブラッハーとホルンのソロが素晴らしいですよね。
この演奏会当時、フレミングがルツェルンで熱唱と話題になっていましたが、文字通り熱演だと思います。
この年のマエストロは前年にも増してお元気そうで、安心したものでした。
今夜もう一度聴き直したいと思います。

投稿: まーくん | 2014年3月 9日 (日) 00時29分

まーくんさん、こんにちは。

録画して以来、このアーカイブを持っていることすら忘れてました。
このあとに、トリスタンを指揮するわけですから、マエストロも絶好調だったのですね。

フレミングの歌は、好きにはなれませんが、シュトラウスだけは例外ですし、アバドの指揮となれば、また別です。
後半は、歌もオケも、ほんとうに素晴らしいと思いました。
ありがとうございます。

投稿: yokochan | 2014年3月11日 (火) 21時10分

おはようございます、よこちゃん様。
今朝の題名のない音楽会「なんたって R・シュトラウス」楽しく拝見しました。生シュトラウスの映像も初めて見せて頂きました。シュトラウス→コルンゴルド→ウィリアムスへの音楽の影響などのお話興味深かったです。 佐渡裕氏の言う通りこの偉大な作曲家の作品はCDよりも良いオケで良い会場で生で聴かなければですね。生誕150年…機会に恵まれたら是非と思います。

投稿: ONE ON ONE | 2014年3月23日 (日) 10時35分

ONE ON ONE さん、こんにちは。
わたくしも、今日の放送見ましたよ。
シュトラウスの源流をたどると、モーツァルトとワーグナー。
その後のハリウッドの音楽シーンのことなど、われながら、シュトラウス&コルンゴルト好きなもので、幾度も記事にしてきたことなので、とてもうれしい内容でした。

ビジュアルで、オーケストラが、いろんな奏法を駆使して、あのゴージャスサウンドを築き上げるさまを見るという喜びも、その快感のひとつだと思います。
いい条件で、お聴きできること、是非、お薦めですし、実現すると本当にいいですね。
アルプス交響曲がライブでは特にお薦めです!

投稿: yokochan | 2014年3月24日 (月) 00時07分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/151893/59253817

この記事へのトラックバック一覧です: R・シュトラウス 「4つの最後の歌」 フレミング&アバド指揮:

« むかし話、ルツェルン訪問 | トップページ | マーラー 交響曲第6番 アバド指揮 »