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2014年4月20日 (日)

神奈川フィルハーモニー第298回定期演奏会 川瀬賢太郎指揮

Minatomirai201404

またしても冷たい雨が。

新シーズンの始まりの、みなとみらいは、肌寒くて、季節が逆戻りしたみたい。

でも、コンサートは、熱かったですよ。

ブラボー飛び交い、拍手はやむことがありませんでした。

Kanapill201404

  バックス    交響詩「ティンタジェル」

  シューマン  ピアノ協奏曲 イ短調

             Pf:伊藤 恵 

  ブラームス  交響曲第1番 ハ短調

    川瀬 賢太郎 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

                  (
2014.4.18 @みなとみらいホール)

新常任指揮者、1984年生まれの川瀬賢太郎氏のお披露目定期演奏会であります。

3月には、お別れがありましたが、4月は、出会いと新規のスタート。

神奈川フィルの公益財団化後の4月、定期演奏会のバリエーションも増え、さらに崎谷新コンマスや、新加入のメンバーも迎えての4月。

なにかと、おニューな、定期演奏会なのでした。

第1曲目に、バックスをもってくる大胆さ。
自慢じゃないけど、わたくしは、バックス・マニアです。
英国音楽を広範に愛するワタクシ、バックスは、ケルト臭のするファンタジックな作曲家として、そして、海や森、妖精といった自然を感じさせる世界が大好きなのです。

ですが、こんなヲタクを喜ばせはしても、多くの聴き手が、誰?的な反応と、とらえどころのない芒洋感に戸惑われたことと思います。

ですが、音楽会は知った曲、有名曲、人気曲ばかりじゃ面白くありません。
現代曲も含めて、知らない作曲家、知らない曲に触れ合うことも、定期演奏会の楽しみであり、必需のことなのです。
バックスの、この素敵な曲を聴いて、ほかの作品を聴いてみたいと思われたら、それこそ、バックスファンとして本望です。

そして、その演奏は、金管が少し強過ぎると感じたほかは、さすがは神奈川フィルの弦セクションの美しさ。
懐かしさと透明感あふれるバックスならではサウンドと、シャープさが実に素敵なものでした。
川瀬さんも、曲に率直に向き合い、伸びやかな指揮ぶりでした。

 神奈川フィルのシューマンのピアノ協奏曲には、いろいろ思い出がありますが、シューマンといえば伊藤惠さん。
その彼女が、ソリストにやってきた今回は、これまで聴いた神奈フィルシューマンP協のなかで、もう最高。
安定感と安心感が、あふれ出てくるその演奏。
明るい黄緑色の春らしいドレスと、同系色のハンカチをもって、若い川瀬クンを伴って出てきた伊藤さんを拝見した瞬間に溢れる、今宵のシューマンの成功の確信。

確かな打鍵、しなやかな歌い回し、あふれるシューマンへの愛情がとめどなく感じられる。
すみずみまで、一音一音、心がこもっていて、無駄な音はひとつもないように思いました。
オーケストラも、柔らかく、抒情的。
川瀬さんは、柔和な表情を常につくり、ことに、ソロもオケも難しい3楽章では、にこやかな橋渡し的な役柄に撤しておりました。
その終楽章では、少し祖語が生まれたようにも感じましたが、それがまた、この曲の怖いところ。
ともかく、素敵すぎの伊藤惠さんのピアノにございました。

後半は、勝負のブラ1。

ズンズンくるかと思いきや、意外と柔らかな出だし。
低弦から、ほんの少し早く入ったのも、思いのほか新鮮。

誰もが知悉している、これほどの名曲となると、普通じゃいけない。
自分のブラ1を聴いてくれ、という意気込みが欲しい。

この曲から、川瀬氏は、右に左に正面に、自在に指揮しまくり、ときに棒も止めたりとアクティブ。
普通すぎるのも面白くないけど、実は、その動きが、ちょっと、こちらには疲れを催すものだった。
 細部まで、よくよく見つめて、この曲に対する畏敬の想いも感じるのですが、そのこだわりが、いろんなものを拾い過ぎちゃって、かえってモザイクのような、ばらついた印象をわたくしにはあたえたことも事実です。
終楽章の名旋律開始前の、長めのパウゼ、そのあとの抑制したその名旋律の奏で方など、一例をあげればユニークなヶ所も多々。

 ふだん聴こえない内声部を引き立たせて、あれっ、と思うような瞬間も多々ありました。
そのあたりが、今後、しっかり表現として結びついて、音楽の局面と全体像がしっかりと結びついてくることを期待します。
 そして、若い指揮者ですから、ガンガンいって欲しいものです。

終楽章のコラール、それ以降の、熱い中にも、堂々としたエンディングは、オーケストラの地力にも助けられ、おおいなる盛りあがりを見せました。

ちょっと辛口に書きましたが、まだまだスタートだし、なんといっても若い可能性を大いに秘めてる。
オーケストラとの共同作業という見方からしても、大いに楽しみだし、なによりも、神奈川フィルの、わたしたちが好きな美しい音色を、しっかりと引き出してくれそうだし、それをしっかりと守ってくれそうな、川瀬さんなのです。

 そういう安心感を、オーケストラメンバーの笑顔と、聴衆の暖かな拍手に感じました。

これから、一つづつ、指揮者と、このコンビの成長とその成り行きを見守るという、大きな楽しみが生まれました。
 同時に、おなじみの皆さんに加えて、若い奏者も増えてきた神奈川フィル。

伝統を守りつつ、進歩・変化なくしては、オーケストラはいけません。

引き続き、応援してまいります!

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終演後の新シーズンスタートの乾杯式。

初々しい川瀬さん。

楽団理事長のお話のあと、黒岩県知事の巧みなトークや、崎谷コンマスのご挨拶もございまして、おおいに盛り上がりました。

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10時過ぎの、We Love神奈川フィルアフターコンサートは、大忙しでした。

みなさま、お疲れ様でした。


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